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セラピストと患者さんとの関係で悩んでいる人へ。嫌われないために必要なこと
こんにちは、コモレビです。
リハビリとはなにか?僕は、人生に希望を見出すことだと思います。
リハビリは楽ではありません。そのため、患者さんと良好な関係は必須です。
なので、嫌われずにリハビリができることは、良い関係が築けているということでもあるので、この技術はまずは抑えておきたい部分だと思います。
この記事の内容
僕が普段行っているコミュニケーションの方法
この記事でわかること
患者さんに嫌われない方法
相手のことを知る方法
やる気を出す方法
目標を共有する方法
自分が傷つかないための心構え
この記事で伝えたいこと
・人を良く見ること
・良い関係を作るために、見えないものは見えるようにする
・人相手ということを忘れない
この記事の信頼性
臨床経験9年目の現役理学療法士の実体験に基づいた内容です。
僕自身も患者さんと良い関係が作れず苦労した経験があります。
現在では、どんなに相性が合わないなと思っても、だれでも対応できます。
読者さんにメッセージ
リハビリについて何が正しくて、何が間違っているのか?しばしば論争になります。僕は正直どうでもいいと思っています。患者さんが良くなって、納得してもらえればいいんです。
伝えたいこととして、リハビリの個人の価値観、やり方ではなく
患者さんと向き合う上での考え方です。
当たり前ですが、まず患者さんとの信頼関係がないとリハビリにはなりません。この部分で悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
患者さんとの関係が悪いと仕事に行くのもおっくうになります。一度担当になれば、数か月は常に顔を合わせないといけないので信頼関係の構築は特に気をつけなければならないことだと思います。
「他の人と自分とでは患者さんの反応が違うなぁ…
もしかして、嫌われてるのかなぁ…」
「どうしたらいいかわからない…困った。」
というような場合の指針となれたらと思っています。正直、僕も相当苦労しました。では書いていきます。
リハビリをしていて一番困ることは患者さんとの関係の悪化です。
最悪の場合リハビリ拒否になります。
じゃあ実際に、リハビリで具体的にどんなことを気をつけて行っているのか?考えていることを伝えていければと思っています。
リハビリをする上で相手のことがわからないと、価値観のズレがでてしまいます。第一印象から勝負が始まっています。
例えば、初回介入の場面で
「担当になりました。○○です。これから一緒にリハビリします。」
「では、○○さんのために、今日は○○をします。ではリハビリを始めていきましょう!!」
と言われても、ツッコミどころが満載です。相手が何を望んでいて、どういく気持ちでいるのかのやりとりがありません。まずは相手の気持ちをくみとる工夫が大切だと思います。
例えば、先ほどの例の場面で、僕ならこう言います。
「担当になりました。○○といいます。」「体調などいかがでしょうか?」
「正直、いきなり担当と言われて困ることありますよね。」
「入院生活での不安もたくさんあると思います。」
「僕らリハビリ担当は一緒にいる時間が長いので困ったことなど
どんなに些細なことでもいいので教えてくださいね。」
「今日は初回なので、まずは○○さんが思っていること、できるようになりたいことなど
あなたの想いを聞かせてもらえませんか?」
いきなり本題に入ってはいけません。
まずは人ありきです。相手の感情にフォーカスして相手の想いを汲み取ります。
相手の想いを共有することで、「自分のことをわかってくれた」という気持ちなります。
すると、相手は「この人は不安な気持ちわかってくれるかも」と心を開きやすくなると思います。
最初の第一印象でミスると、後々、取返しがつかない問題になり
担当者変更という結果になってしまうことになりえます…
なぜ、相手のことを知る必要があるのか?
そもそも、患者さんはリハビリがしたいとは思っていない場合がある。
ここがポイントです。
病気やケガで仕方なく入院しているわけであって、僕らのリハビリをしたくありません。ましてや、意識があいまいな状態で、病院にいて、本人が希望もしてないのに勝手に回復期病院に転院となって、リハビリが開始される。
あまりにも、急すぎますよね。患者さんからしたら。ですが、身体が良くなるためには、必要な時期に必要な量のリハビリが不可欠です。
こればかりは、しょうがないです。うまく、患者さんをリハビリをする気持ちにさせて、リハビリを進める必要があります。
一生懸命なセラピストほど責任感が強い
自分が一日でも早く家に帰れるように頑張らないと
自分がうまくやらないと。自分が正確にやらないと。
など自分ベースで考えてしまいます。そうではないんです。
必要なことは
相手が何を望んでいるかを徹底的に分析することです。
相手が何を望んでいるか分析する方法として
相手の価値観を知る
何が好きで何が嫌いか?
どういう経験をしてきたのか?
どんなことを大切にしているのか?
などの質問が有効だと思います。
人は承認欲求という人に認められたい、自分を価値あるものと認めたいという欲求をもっています。
なので、好奇心から「あなたのことを教えてほしい」というスタンスでの質問すると、嫌みな感じになりません。
ちなみに自分の価値観を知りたい人という方は、こちらの本が参考になります。
→ムダに悩まない理想の自分になれる 超客観力 メンタリストDaiGo
相手のキャラクターを理解する
どういうタイプの人間か性格診断が参考になります。
例えば、現在心理学の研究でもっとも用いられてる性格検査がビッグファイブです。
ざっくりいうと
協調性 空気を読めるか、相手への優しさ
外向性 人と積極的に関わる
開放性 新しいことにチャレンジする
誠実性 まじめにコツコツ
情緒安定性 感情が安定している
これらの組み合わせで性格を判断するテストです。
ビッグファイブについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
→自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義 ブライアンリトル
この5項目を参考に、なんとなくで良いので相手はどんなタイプか推測します。
例えば
・内向的な人に対して
ガツガツとコミュニケーションとると引かれてしまう可能性もあります。
・情緒安定性の低い人では
傷つきやすい可能性があるので、言葉には注意します。
相手のやる気
やる気の分析です。
相手のやる気がどういう状態にあるのかは重要です。
心理学ではたった3つのポイントだけで相手のやる気を分析できます。
マインドセット(考え方の癖)
フォーカス(アプローチの仕方)
自信
具体的な内容については、記事で触れています。
目標を共有する
次のステップです。
「あの人人当たりはいいんだけど、やっていることの目的がわからない」
こう思われないための方法を伝えます。
目的を明確にして一貫性を高めることは安心感につながります。人は一貫性のある行動をとろうとする習性があります。
リハビリの目的は日常生活を送ることができるように回復することです。
そのため、目標を共有せず、場当たり的に考えていると不安を与えます。
患者さんは不安なんです。なんたって初めてのことですしね。
目標共有の仕方
可能性の有無を伝える
これは、シビアな問題です。ある意味「もうこれ以上、治りません」宣言をするわけですから…
*注意点
診断として伝えるのは医師なので職域を侵害しないように、主治医とよく相談してから発言する必要があります。僕たちは、あくまで経験や知識としての話までしかできません。
ですが、経験上かなりの確率で聞かれます。
個人的な意見では、正直な話どこまで治るかはわかりません。
「じゃあ、どこまで治るかわからないのでやるだけやってみましょう」となるのですが
それでは、漠然とし過ぎて目標も立ちませんし、本人の受容もできません。
例えば、脳卒中の場合中枢神経(脳と脊髄のこと)は一度、損傷すると元には戻りません。ただ、代償機能として、損傷した部分を他の部分が補います。
その効果を高めていくのがリハビリです。
そのことを知っているにも関わらず、「どこまで治るかわからないからやってみよう」と期待ばかり高めていては、実際に退院直前になって「全然治ってない」とショックを与えることにもなりかねません。そのことがきっかけで、うつ病にもなりやすいです。
つまり、限られた期間の中でできることを伝えるとともに一般的に言われている事実も伝える必要があります。
目標を「見える化」する
目標が決まったら、あとは努力していくだけです。しかし、それだけでは長続きしません。僕らも、なにか初めて挫折してしまうことなど、ありませんか?僕は、最近ではギターと中国語をやろうと思っていますが挫折しています。。
理由は、変化が見えにくいからです。
つまり、人は、小さな変化でも変化があることで前向きになれます。
その小さな変化を記録し、共有しながら見える化することが大切です。
次は、リハビリの見通しです。
課題を永遠にこなすだけでは、やる気が起きません。全体的な目標を立てたら、現在地がどこなのか。そして、次のステップにいくには何が必要かがわかるようにすることが必要です。表にして壁に貼ってもいいかもしれません。
そもそも嫌われないと思うこと自体が間違っている!?
前提として、コミュニケーションで全員に好かれる人などいません。なので、全員で好かれようと考えるのは得策ではないように思えます。そういう場合、アサーションの考え方がしっくりくると思います。
詳しくは、ここでは述べませんが、参考程度に、まこちさんの記事を紹介します。
アサーションとは、自分の気持ちを表現する自己表現の方法です。自分の気持ちを言う。一方的に言うのではなく、相手の気持ちも確認しあい、コミュニケーションを深めていきます。そうすると、言いたいことをお互いいうことになるので、わだかまりはないと思います。
相性が合わなくても、関わるスキルが必要です。相手と思っていることと、こちらが思っていることのすり合わせができ、身体に変化があれば、よほどのことがない限り、コミュニケーションは大丈夫ではないでしょうか。
深くアサーションを知りたい方はこちらもどうぞ
自分を責めすぎないことも必要
患者さんができない=自分のせい
のようにストイックに考えやすいです。
このように考える人ほど、一生懸命で患者さん思いの優しい人だと思います。そもそもですが、リハビリは共同作業です。
患者さんの生活では考えてみても一日に数時間しかリハビリは関わりません。ほとんどの時間は患者さんは一人で過ごします。
日々のリハビリの中で患者さんに伝えてる必要があることは
自分の体は自分で直さないといけない。相手にも最低限の義務があるということも認識する。
あくまで、リハビリは協力関係でなくてはなりません。
脳卒中での骨折の人でも同じです。運動しないと筋肉はつきません。
患者さん自身の人生です。自分の人生を変えるのは自分だけです。
なので、辛い状況にあるのはわかりますが、どんなに辛く、しんどい状況でも患者さん自身がやらないといけない。
患者さん自身がそう思えるような関係づくりができるとリハビリは進みやすいと思いますし、嫌われる不安はなくなると思います。
さらに、退院した後も患者さんは頑張っていけると思います。入院生活は最低限の生活に戻すための準備期間です。
本当の生活は退院後に始まるんです。
おわりに
色々書き連ねてきましたが、いかかでしょうか?
一人でもコミュニケーションで苦しんでいる人の助けになれればと思います。
では、また次回。
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