見出し画像

「治るか治らないかは、あなたの脳みそ次第」当事者の想いより。(脳卒中リハビリ)

こんにちは!コモレビです。

しばらく、投稿が空いてしまいました 汗
年度初めで猛烈に忙しくて、ようやく落ち着いた今日このころです!

この記事で伝えたいこと

・患者さんの心のケアが超重要

この記事でわかること

・当事者が求めているもの


では!!!

今日は患者さんの心理状況について書いていきたいと思います!

セラピストのジレンマ

セラピストとして、患者さんの想いに100パーセント答えることってジレンマがあります。僕たち理学療法士は、「医師の指示のもとリハビリを行う」とされています。つまり、勝手に診断ができません。なので、予後的なことってすごく言いにくいんです。

良くなるって言いたいです。けれど、そこには職域の制限があってどこまで言いていいのか曖昧だと思っています。また、僕は脳卒中のリハビリを専門的に行っています。脳って回復が一人ひとり違い、結果がでるまで何カ月かかかる場合が多いです。なので、セラピストとしても具体的にどうなるとか言いにくいし、患者さんからしても、自分の身体がどうなるか不安なんです。

まとめ

・職域の制限があって、診断ができない。
・予後が言いにくい。正直、正確なものはわからない。
・脳卒中の回復は年単位で、個別性が強く、予後予測が外れやすい

という、苦悩があります。。。

当事者の想い

ここで、本題!!

先日、たまたま以前担当させていただいた方とお会いする機会がありました。その時のお話が、さきほど書いたような色んな悩みを解決してくれて、とても救われました。その方との話の内容を書いていきます。

Aさんとしておきます。

Aさんは、脳卒中で入院し僕がリハビリを担当していました。キャラクターとても、おおらかで気前がよくて、いつも元気。リハビリにも協力的で、他の入院患者さんにも気を使って、みんながAさんのもとに集まってくるような方でした。

無事にひとりで外出することができるくらい回復し、自宅に退院となりました。

再び、Aさんとお会いした時に当時入院した時にはわからなかった苦悩を教えてもらえました。

入院してから1週間毎日泣いていた

とても意外でした。Aさんが急性期病院に入院したばかりの頃の話でした。今のAさんからは、まったくそんな気配はなく、障害受容もされていたと記憶してました。

「今までは、なんでも好きなことやって、食べて、仕事も頑張って来たのに、何にもできなくなってしまう。トイレだってベッドの上。この先の人生真っ暗だ。」

絶望だったようです。

確かに、今は自由に自分の人生を謳歌していますが、ある日突然、奪われてしまうんですからね....。誰のせいでもない。だから、自分を責めてしまったり、やり場のない苦しみを抱えてしまう。

手足が動くようになった!!

僕の勤めている病院に入院する少しまえから、だんだんと手足の麻痺が回復してきました。そこから、希望が見い出せて、本来の自分を取り戻していくきっかけになったようです。

誰よりも一生懸命に

僕が担当してからは、「やりすぎだからやめてください!!笑」っていうほど、リハビリを頑張って下さいました。

みるみる歩行も上達して、ぱっと見は、不自由だとは思えなくなりました。

まだまだ、帰ってからがリハビリです。

「ここからが、本番。」そう常々Aさんは言っていました。

セラピストに伝えたいこと

Aさんは、当時を振り返った想いを教えてくれました。

とにかく、患者は不安と絶望しかない。
だから、「大丈夫!!頑張れば今より絶対よくなる!!」って言ってもらいたい。そう言われると立ち向かう勇気が持てる。だから、みんなにもこのことは伝えてほしい。
どこまで治るかなんて、そんなものはわからない。
「良くなるかどうかは、あなたの脳みそ次第」
努力とかマインドじゃない。生まれつきの脳みそ次第で、そこにかかっている。そのために、君たちが一生懸命やってくれたおかげて今がある。
だから、これからも頑張って、僕みたいな人の希望になってあげて下さい。

僕は、このことを聞いて、悩んでいたことの答え見つかったと思いました。

とにかく、患者さんは不安。そのことを、たとえ言葉で言わなくてもわかってあげないといけない。

そして、頑張れば必ず、今よりは良くなる。この伝い状況からは脱することができる。

ただし、良くなるかどうかは、あなたの努力ではなく、脳みその回復次第。こればかりは、再生医療が発達しないと厳しい問題であり、医療の限界。

そのために、できる限り、セラピストは全力を尽くす義務がある。

患者さんに成長させてもらい、その内容を後輩に伝え、Aさんの想いを無駄にしないようにする。

この出会いに感謝です。


最後に


Aさんはこうとも言っていました。
「心のリハビリ7割、身体のリハビリ3割」


それくらい、心のケアって大事だと思いました。

やはり、人を動かすのも、止めるのも心。

まずは、人。

人を見ないといけない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?