マガジン一覧

お絵描き創作帳

ちょこっとお絵描きして、たまに描いた絵からお話が生まれてくることがあります。なにか生まれてきたらアップすることに。

創作絵本「ななちゃんとうずまき」

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 2025年の初noteです。投稿するのは、かなり久しぶりです。 2年前に投稿した、クレヨンから生まれたお話「なやこちゃんとうずまき」を元に、昨年作った絵本です。絵本の賞に応募しましたが、一次審査は通過したけど落選しました。 このままお蔵入りも忍びないので、noteでお披露目させて頂きます。 実物は見開きA3版です。画像が小さくなってしまうので、文字が読みにくいところはキャプションをつけました。 お読み頂ければ、これ

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創作絵本「あじさい色のきもち」

昨年、紫陽花を見て描いた絵からお話が生まれ、それをnoteにアップしました。その後、それをもう少し絵本仕立てにしてみたくなりました。 絵は全くのド素人なのですが、絵のプロの息子に透明水彩の使い方を教わり、試行錯誤しながら絵を描き仕上げることができました。 今までの人生で、こんなに夢中になにかをやったことってあったかしらと思うほど、それはそれは楽しかったです。 とても拙いけれど、せっかく生まれてきたのだから陽の目をみさせてあげたくて、初チャレンジの記念にnoteにアップさせ

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絵から生まれたお話「あじさい色の気持ち」

週末に紫陽花を見に行きました。6000株の色とりどりの紫陽花にうっとり魅せられて絵を描いてみました。描いた絵を眺めていたら、こんなお話が生まれてきました。 トコちゃんは、自分の気持ちや思っていることを、ことばにするのが少し苦手な女の子です。 急に胸があつくなって、涙があふれたり、なんだか落ち着かなくてソワソワしたり、心の奥がチクッと痛くなり、かたまってしまうことがよくあるのです。 まわりのみんなが、どうしたの?大丈夫?と声をかけてくれるのですが、何も言えず、どうしようも

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クレヨンから生まれたおはなし「なやこちゃんと渦巻き」

私はカウンセリングルームで毎月1回創作グループの活動をしています。さまざまな画材を思い切り使って自由気ままに表現し楽しむ場です。主催者の私も、一緒に参加して創作を楽しんでいます。創作のグループについては以前「心を癒す力」というタイトルでnoteに書きました。よかったら読んでみてください。         ↓    ↓    ↓ https://note.com/komorebi1231/n/n157a787a1ccc 昨日は、今年最初の創作活動の日でした。 ここのところ

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神話と物語から生きる知恵を汲む

いくつかの本をテキストとして、神話、昔話、物語をユング心理学の視点から読んでいく勉強会の内容をなるべくわかりやすく文章化しています。

ふたつの「時」を生きる クロノスとカイロス

先月の勉強会では「クロノスとカイロス」について話をしました。いずれもギリシャ神話が元になっている「時」に関する言葉です。 クロノスは、いわゆる私たちが時間と認識しているもの。生まれた瞬間からすべての人に等しく流れる時間であり、量的に計測できる時間を指します。 カイロスは、個人の心が感知する質的な時間を指します。ギリシャ神話では、カイロスは男性神であり、絶好の機会を支配する神と言われています。この神は前髪は長いが後ろ髪はなく禿げているというちょっと変わった風貌。「チャンスの

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ライフサイクルの視点から読む人生後半の昔話~「笠地蔵」アニミズムの再生

あけましておめでとうございます。 新しい年の始まり、今年の初noteは、「笠地蔵」のお話で始めたいと思います。 「笠地蔵」は誰もが子どもの頃どこかで触れたことのあるなじみ深い昔話かと思います。 気持ちがほっこりと温まるこのお話は私が大好きな昔話のひとつでもあり、以前、このお話をモチーフに貼り絵を作ったこともありました(冒頭の画像)。 「成熟のための心理童話」アラン・B.・チネン著(ユング派分析家)にこのお話が取り上げられています。短いお話ながら、人のライフサイクルとそれ

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私たちの心に棲む山姥とは⑥ エピローグ「内なる自然」としての山姥イメージ

5回にわたって、山姥のお話を取り上げてきました。これ以外にも山姥にまつわるお話はたくさんあり、まだまだ興味は尽きませんがとりあえず、今回はここで区切りとし、私なりに感想を書いてみます。 お話ごとに山姥は様々なユニークな顔をみせてくれました。 すべてのものを食い尽くすほどの貪欲さ、恐ろしさであったり、人の人生を有無を言わせず変えてしまうような気紛れさだったり、ときには危ないものから守ってくれたり、助けてくれもするけれど、その代わりに自分に対しての相当な覚悟も要求してくる厳し

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私たちの心に棲む山姥とは④ 「米福と粟福」女性の心の発達と山姥の関わり

今回の山姥シリーズ④は、米福と粟福という二人の姉妹の物語です。 山口素子著「山姥、山を降りる~現代に棲まう昔話」に取り上げられたこのお話は、女性の心の発達という視点で姉妹の対比が大変興味深く描かれています。少し長くなりますが、ご興味持たれた方は、ぜひお付き合いくださいませ。 あらすじ 米福と粟福という姉妹がおり母親と3人で暮らしていました。母親は米福にとっては継母であり、粟福にとって実母となります。あるとき母は、米福には穴だらけの袋を,粟福には穴の開いていない袋を渡し、栗

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心の雑記帳

心にフツフツと浮かんできた考えや思いが、言葉として纏まってきたら書き留めておこうと思います。

篠笛修行 ~シンプルであることの怖さと奥深さ~

10年ほど前から、趣味で篠笛を習っている。篠笛は竹の筒に指孔と吹き孔がついただけのとてもシンプルな楽器だ。 音を出すのは、それほど難しくはないのだけれど、きれいな響きで演奏するとなると本当に難しい。10年経ってもまだまだである。 シンプルなだけに繊細な楽器。ちょっとしたことが即影響する。 以前、熱い味噌汁を飲んでいて、唇をちょっとだけやけどした。そんなに腫れたわけでもないのに、いつもとわずかに違う唇の感触で音が出なくなってしまったことがあった。 心持ちも、おおいに影響

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自分を癒す力

 「癒し」という言葉は癒される、癒されたい受身で使われることが多く、外から与えられるもの、誰かに、あるいは何かに癒してもらうというイメージがあるように思います。自然治癒力(*注)という言葉がありますが、人間には本来自分で自分の傷んだからだを修復する力が備わっていることは誰しも知るところでしょう。その力は身体だけではなく心にも働いているのですが、私たちは案外、自分のなかにあるそうした力を信じてはいないように思います。 *注  自分の意識とは関係なく、たえず作動し、常に待機して

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苦しいときほど、急がば回れ!些細な変化を大切に。

カウンセリングの仕事のなかで感じること、考えること、気づいたことの諸々を時々upしてみることにしました。 苦しければ苦しいほど、早く楽になりたいもの。だから劇的な効果を期待したり、大きな変化が起きることをどうしても求めてしまいます。 少しものごとが良い感じになったとしても、「ちっとも変わらない」「こんな程度ではまたまだ…」と、そんなクライアントの言葉を聴くことは少なくありません。 劇的な変化のように見えるものでも、それはいきなり生じたわけではなく、よくみると小さな小さな

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good enough感覚で、肩の力を抜いてみる!

good enoughという言葉は「ほどほどに良い」という意味があります。 イギリスのウィニコット(1896-1971)という精神分析家、小児科医が、「good enough mother (ほどよい母親)」という概念を提唱しました。言葉もまだ話せない赤ちゃんの子育てでは、母親は我が子の欲求を汲み取れなかったり、ミスキャッチしてしまうことはままあります。それはあたりまえで自然なこと。赤ちゃんは自分のニーズが完全に満たされることがないことを経験しながら、自分を取り巻く世界との

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