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醤油の良し悪しを見分ける方法とは?古文書『廣益秘事大全』解読⑰

嘉永四年(1851)の古文書『廣益秘事大全』から、奇巧妙術類「生活の豆知識編」解読の第17回目です。

今回は黒い液体中心のお話です。

昔の日本人の、シンプルで人間にも地球にもやさしい生き方の中に、現代でも取り入れることのできるものがあればと思い、そのヒントを提供できるよう、古文書を読み解いてご紹介します。

1.金箔の上にものを書く方法

金銀箔の上にものを書くには、
ビロード(ベルベット)の布で拭き、
そのあとに書けば墨を弾かない。
また、熱い灰を紙に包んで拭いてから
書くのもよい。

ビロード(ベルベット)

2.墨抜きの方法

紙についた墨を取るには、大根を薄く切って
その上に墨のついた場所を乗せ、
さらに上から大根の切り口でトントンと叩く。

板についた場合は、塩をつけて指で
こすれば落ちる。また、大根の漬物を
二つに切ってこするのもよい。

衣服についた場合は、杏仁※の皮を細かくし、
挽茶(抹茶)と等分にして
墨のついた上に振りかけ、
お湯をかけてよくこすりつけてから
洗うと、墨は落ちる。

また、梅干しをすりつけて洗うのもよいし、
さらに、なつめ※を噛んで垂らしすりつけて
冷水で洗えば、ほどなく落ちる。

 ※杏仁=アンズの種子の中にある仁を
  取り出したもの

杏仁

 ※=クロウメモドキ科の落葉高木。
  果実は乾燥させて食べたり、
  生薬としても用いられる。

3.喉の渇きを止める方法

ミソハギ※の葉を口の中に入れれば速攻止まる。
陰干しにしてつねに携帯するとよい。

 ※ミソハギ=ミソハギ科の多年草で 
  本州以南に広く自生       

ミソハギ

4.醤油の良し悪しを見分ける方法

青磁の茶碗に醤油を少し入れて
箸でよくかき立ててみる。
もし枇杷色になって泡がたち、
それがしばらく消えなければ極上の品。
もし薄赤く泡がたてば中ぐらいの品。


【たまむしのあとがき】

大根が血を落とすのにも非常に効果があるというのは、過去に取り上げた古文書にも記載されていました。

ですから、これはしっかり私の頭にもインプットされています。

では、いったい大根の何が汚れ落としに有効なのか調べてみました。

大根に含まれる「酵素」が、汚れを分解する力を持っているんです。

「酵素」とは、例えば人間の体内で行われる消化吸収・代謝等、様々な物質変化の際に欠かすことができない存在です。大根おろしに含まれるのは、食物酵素の一種である「ジアスターゼ」という酵素。別名は「アミラーゼ」とも良い、人間の体内では唾液や膵液等に含まれる「消化酵素」としても働いています。

このジアスターゼは、「タンパク質」を分解することに特化した働きを持っているんです。

つまり大根おろし(ジアスターゼ)は、一般的には落としにくいと言われる「タンパク質汚れ」を分解するのが得意!というわけなんですね。

簡単 染み抜き クリーニング方法

ということのようです。

そして、どんな汚れを落とすことできるのか?ということついては、こちら。

・血液の汚れ
・おしっこの汚れ
・母乳の汚れ
・牛乳の汚れ
・卵(卵液)の汚れ 等

簡単 染み抜き クリーニング方法

ふむふむ。

でも、汚れがついてすぐ洗わないと、落ちにくくなりますよね・・・。

大根に含まれる「ジアスターゼ」は、酸化に弱いという弱点を持っています。酸化に弱いとは、空気(酸素)に触れるとどんどんジアスターゼが壊されてしまい、汚れを分解する力が落ちてしまうということ。つまり大根おろしをすって放置をしておくと、「汚れが落とせない大根おろし」になってしまうんです。

大根おろしに含まれる「ジアスターゼ」の力を最大限に発揮するには、「おろしたて5分」が理想的であると言われています。おろしてから30分以上が経過した大根おろしには、酵素がおろしたての1/20程度しか残っていないのだとか。

簡単 染み抜き クリーニング方法

「大根おろして5分」が勝負だそうです。

そしてさらに、その大根もあとできちんと洗わないと、またシミになるようで・・・。

大根おろしの汁も一種の「野菜汁・果汁」と同じ範疇ですので、汁をつけっぱなしにしておくと別の「シミ」になってしまったり、輪ジミを作ってしまうことがあります。

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そりゃそうですよね。

この大根の効果は各クリーニング店のHPで多く取り上げられていますので、汚れ落としの方法としては、わりとメジャーなのかもしれません。

ご興味のある方はぜひお試しあれ!


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