『居るのはつらいよ』を読んで、育児について考える
ふとSNS で目にして、思わず読んだこの本。
『居るのはつらいよ』東畑開人
著者が、精神科デイケアで働いた経験から、「ケアとセラピー」について書かれている。
また、「いること」についても書かれている。
物語形式なので、読みやすく、一気に読んだ。
デイケアは、毎日同じ繰り返しで、何も変化のない場所のように見えるが、
職場などで「いること」が難しくなった人が、デイケアで「いる」ができるように、
毎日、同じ生活ができるよう、精神的にも物理的にも、スタッフが必死に支えている、
ということなどが書かれている。
自分の子供の世話と照らし合わせながら読んだ。
印象的だったのは、
「こらだ」に触る
という部分。
人は普段、心と体を分けて認識しているけど、弱っているときなどは、心と体の境目が溶けて、不安定になってしまう。そういうときは、体にさわって、ケアしてほしい、ということ。
毎日、抱っこや母乳を求める子供たちは、まさにこれ。思う存分、抱っこしてあげなきゃと思う。
もうひとつは、ただ「いること」や変化のない生活を維持する「ケア」は、市場では、価値が評価されにくい、という話が印象的だった。
以前は、家事や育児を軽くみていたが、
育児7年目にして、
とても重要で、価値の高い仕事なんだということに
やっと気がついてきた。
家族や子供達が、普通に毎日生活できるように、
環境を整えたり、気をつかったり、
当たり前の世話をしたりする。
それがないと、家族の生活に支障が出てしまう。
他にも、面白い話がいろいろ書いてあった。
読んでよかった本。