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韓国ドラマ「SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜」感想文

-自分のやりたかったことを長男長女に押し付けていませんか?-

大学病院に勤める医師家族が住む高級住宅地SKYキャッスル。
主人公ソジンは医師の夫、勉強好きで努力家の長女、あまり勉強が好きではない次女とそこで暮らしていた。
ソジンの夢は、長女イェソをソウル医大へ入学させること。
ソジンは、イェソのために受験コーディネーターの女性を雇う。
そんな時、受験コーディネーターを紹介してくれたSKYキャッスルの住人が猟銃自殺を図る。
受験コーディネーターに不信感を募らせるソジンだが、ソウル医大合格のためにイェソを託す。やがて、ソジンは様々なトラブルに巻き込まれるようになる。

一見、セレブな生活を営むSKYキャッスルの人々だが、なかにはかつて貧しかったり実はガラの悪かったりした人もチラホラ。
主人公のソジンも家庭環境に恵まれず奨学金を得て教師になった過去を持つ人物で、コンプレックスゆえに改名までしている。
教育熱心であったり競争意識が高かったりする大人たちが揃って恵まれた環境で育っていない人々で、逆に子供たちを含め裕福に育った人たちは何事にもあまり焦っていないという、この対比が何ともいえない切なさを誘った。
また、ソジンの貧しかった過去が白日のもとに晒された時、イェソから蔑みの視線が放たれるシーンは、あまりにも残酷。

日本では長引く不景気のせいで、最近は学歴にこだわるよりも好きなように生きることを勧める親が増えてきたという。
SKYキャッスルで描かれるような受験戦争を日本に置き換えると、バブル前後の時代が当てはまるのではないだろうか。

母と娘の関係は、よく凧あげに例えられる。
母が娘を凧のように風に乗せ、もっと高く高くと走る。
母が頑張れば頑張るほど娘は高く上がる。
ふと見上げると、凧の姿はなく、寂しくなった母は急いで糸を巻き戻す。

私の母も今更になって近くに子供がいないことを嘆いているが、「こんな世間の狭いところにおったらあかん」と小学校低学年の時からコンコンと娘たちに説き、「勉強しなさい、本を読みなさい」と凧のように姉と私を飛ばしたのは自分なのである。

勉強が大切かといえば、もちろんそうである。
でなければ、文明も医療も発達していない。
大事なのは、「何のために」勉強するかということ。
このドラマに出てくる人々は、見栄や自己実現のために子供たちに勉強させ、振り回していた。

自分の夢は自分で叶える。
もしうまくいかなくても、子供であれ、誰かに託さない、任せない。
そのようなメッセージをこのドラマから受け取った気がした。
子供いないから、あんまり私には関係ないんだけどね。

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