怒り 吉田修一
結局、大切な人ができるというのは、これまで大切だったものが大切ではなくなることかもしれない。大切なものは増えるのではなく、減っていくのだ。
怒り あらすじ
怒り ミステリー?サスペンス?ヒューマンドラマ?
殺人事件の犯人が逃走。
警察は指名手配をしますが、犯人はずっと捕まらず、そのまま時が過ぎ去ります。
そして、舞台は東京、千葉、沖縄。
それぞれの物語に謎の男が現れます。
犯人はいるの?いないの?実はみんな同じ人?誰?という疑念を常に持ちながら、それぞれのエピソードを読み進めるという作品です。
怒り こんな人におすすめ
『怒り』には訳アリな登場人物が多く登場します。
同性愛者の男性、成人している娘がいるシングルファザー、母が夜逃げをし沖縄にたどり着いた女子高校生。
それぞれの立場の心理描写がとてもうまいので、同じような境遇にいる人は共感するのではないでしょうか。
また、犯人がいるとわかっているけれど、どの場所の誰なのかわからないという、面白いミステリになっています。
ミステリが好きな人も普段と違った体験ができる作品です。
『怒り』は実際にあった「リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件」を参考にしたと作者の吉田さんはインタビューで答えています。
この事件では犯人が捕まっていますが、実際に2年7か月も逃亡していました。
『怒り』はこの事件の殺害の動機や逃亡生活を掘り下げるのではなくて、「逃亡中の殺人犯の、周りにいる人の反応」を描いている作品ですので、人間味がある作品ですので、そういった人間心理が好きな人は楽しめる作品だと思います。
続きはぜひこちらのブログからお読みください。
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