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田舎の公立小中学校からケンブリッジに行った話 - その2

まずは「本当に田舎出身でケンブリッジまで行けるのか」というところを書きたいと思います。そのために今回は、留学するまでの道のりを少し詳しく書いて、どんな転機があったか説明したいと思います。

留学までの道のり

小学校から始まって、ケンブリッジの大学院に行くまでの経歴はこんな感じでした。

小学校: 住んでいる学区にある地元の公立小学校
中学校: 住んでいる学区にある地元の公立中学校
高校: 電車で1時間半のところにある都市部の公立高校
大学: 日本の大学(3年生の途中まで)
大学: イギリスのウォーリック大学(1年生から)
大学院: ケンブリッジの大学院修士課程

中学校までは普通の田舎の中学生で、転機は高校でした。これが全てではないですが、もし留学したい、させたいと思っている人には参考になるのではないかと思い、少し詳しく書いてみます。

転機となった出来事:高校入学

後々になって振り返ると、都市部にある高校に通うようになったのが大きな転機でした。これは私の経験からの仮説なのですが、「何をするか」よりも「どこにいるか」「誰といるか」という方が重要なのではないかと思います。転機となった理由は2つあると思っています。

転機となった理由1:都市部にある学校

理由の1つ目は学校が都市部にあったということです。そのため3年間は毎日田舎から都市部に電車で1時間半をかけて通いました。前回の記事でも書きましたが、私にとってかなりのカルチャーショックでした。
もちろん電車で行ける距離なので、誰でも行こうと思えば行ける場所ではありました。ただし交通費が往復で千円以上するなど、普通の高校生ではなかなか頻繁には行くことができません。それが毎日行くことになりました。加えて定期券を持つことになったので、休みの日でも行こうと思えば気軽に行けるようになったことも大きいです。
これの何が重要かというと、やはり田舎と都会では受ける刺激の種類も強さも全く異なります。
まず手に入る商品の種類が圧倒的に多いです。例えば本屋のサイズが大きいので、田舎ではまず売っていないような専門的な本にもアクセスできるようになりました。また、CDや服なども大体どんなものでも手に入るようになりました。この辺りはネット通販が広がった今ではそこまでのインパクトはないのかもしれません。
私は特に利用しませんでしたが、他にも博物館、科学館、図書館など、これまでは行くことすらできなかったところにも都市部であればアクセスが可能です。
こうした文化的な体験がどれぐらいのインパクトを持ったのか、厳密に計測はできませんが、田舎以外の生活空間を見て、体験できたことは、田舎に残る以外の選択肢があるということを認識できる出来事でした。

転機となった理由2:友人の幅が広がった

理由の2つ目は、都市部に住む多種多様な友人を持ったことです。

前回の記事で紹介したように、中学校までは周りに海外旅行をしたことがある人も、飛行機に乗ったことがある人もいませんでした。
都市部の友人はいろんな人がおり、海外旅行をしたことがある人も、もちろん飛行機に乗ったことがある人もいました。加えて、幼い頃から英会話教室に通って英語がペラペラの人や、帰国子女もいました。

また、たまたまですが通った高校では交換留学で1年海外に行く人が、各学年に数人いました。短期留学で日本に来ている外国人学生もいました。

こうして、海外に行ったことがある友人から海外のことを聞いたり、留学生活について学んだりと、留学が割と身近なものになりました。

これは都市部の学校に行かなければ、経験できなかったことでした。

今から準備できること

必ずしも小学生や中学生など早い時期である必要はないと思いますが、高校ぐらいでは一度都市部の学校に通ってみると良いのではないかと思います。難易度が同じぐらいの学校があれば、都市部の学校を選んでみるのも良いかもしれません。
ここまでの説明でお分かりかとは思いますが、高校を卒業しても、特に留学のために何かを準備していた、ということはありません。もちろん語学は年齢が若いうちから始めた方が良いとは思いますが、必須ではないとは思います。それよりも多様な交流関係を作って、人生での色々な選択肢を知る、ということの方が重要だと思います。

まとめ

今回は留学までの経緯を少し詳しく説明し、特に重要だったと思う出来事を紹介しました。次回はもう少し具体的なイギリス留学のプロセスについて紹介しようと思います。

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