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書評

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#IT

運よく未来を掴める者が成功するという話だな

運よく未来を掴める者が成功するという話だな

スタンフォードの学生に向けた講義内容を本にしたので、基本説教くさい。まあこうしたら成功するよとウソくさい情報商材よりはマシだけどね。計画は大事。小さく産んで大きく育てる。競争せずに独占できる内容で勝負する。営業はとても大事。結局誰と組むかが一番大事。ということで、熱意を持って基本に忠実に取り組めということでした。ただ、ここでも出て来たけれど、既にある未来を掘り起こして顕在化することをミッションにせ

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ドットコム・バブルは確かにあったんだ。

ドットコム・バブルは確かにあったんだ。

いわゆるネットベンチャーがIPOをゴールにしたドットコムバブルの頃。ネットワークの外部性やらクリティカル・マスをいち早く超えれば、ファースト・ムーバー・アドバンテージを得られて、最終的にはウイナー・テイクス・オールになると当時のHBRですら唱えていた定説はぜーんぶ嘘なんだけど、知ってた?というお話。まあ夢見たネットベンチャーが次々に倒れていった当時から、まあそうだよなと思っていましたが、こうして理

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追伸:「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

追伸:「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

今や全米最大のスキャンダルとなっているエプスタインの件、『NewYorker』の暴露記事でjoiは辞任に追い込まれたし、MITスローンではネグポンがゴリゴリのWASP拝金主義者であることを臆面もなく主張し老害っぷりを惜しみなく出しているあたり、誠に香ばしい。

何を隠そうこの二人は『WIRED』創刊当初からの最重要人物だったのだから、彼らのメッキを剥がしたのが『NewYorker』でその元編集長が

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「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

「傷ついたG」もそうだけど、『New Yorker』化した『WIRED』はかなり悲しい。

今月の米国版『WIRED』は3年間G社に潜入し、その内幕をバラすという結構刺激的なもの。サブタイトルが、シリコンバレーで最も幸せな企業の悲劇なのだから穏やかでない。近頃はGAFAに比べて日本のIT企業はイケてないと悉く揶揄されているわけだが、かの国のワンダーランドもいいことばかりではなさそうだということなので、この手の記事こそ、率先して翻訳されるべきであると思うのだが、そうならないところがなんとも

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