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【ブラッシュアップライフ】あの頃、私たちは無敵だった

安藤サクラ主演・バカリズム脚本のタイムリープコメディー。
今季私が一番ハマっているドラマだ。

世代的にもドンピシャなので、当時流行ったものやドラマなど「こんなのあったなぁ~。懐かしいな」と毎度エモい気持ちになって視聴している。
プロフィール帳なんて懐かしすぎて、今度実家に帰ったら引っ張り出してみようとすら思っている。

懐古的な気持ちと同時に、自分の人生を振り返り、あの時はどうだったとか、こうすればよかったなどとしみじみとした思いが湧いてくる。

思い返せば人生で一番楽しかったのは高校時代だったかもしれない。
あの頃、私たちは無敵だと思っていた。

実際に当時「女子高生」というカテゴリの社会における存在感は、今以上に大きかったように思う。
ギャル全盛期。ギャル語、ギャル文字。ルーズソックス、プリクラ。
世の中の流行はいつも女子高生から広まっていた。

単語も名前も商品も略せるものは全て略す。
イケメン、KY、ニコイチなど、今でも使われている略語も多い。

プリクラは女子高生にとっての名刺代わりのようなもので、新たに知り合った友達とはプリクラを見せ合ったり交換し合うのが通例だった。
プリ帳なるノートに集めたプリクラをびっしりと貼り、持っているプリクラが多いほど交友関係が広いというステータスにもなっていた。

そういえば最近ルーズソックスがまた流行り出していると聞いた。
私自身は紺ソ(紺色ハイソックス)派だったのであまり使用していなかったが、あのルーズソックスのボリューム感は今でも可愛いと思う。

ちなみに私が紺ソ派だった理由は、自身をギャルではなく清楚系に見せようとしていたためだ。
しかし仲良くなるにつれ大雑把でガサツな性格が露呈し、ガッカリさせることも少なくなかった。自己プロデュースの失敗だ。


ともかく、オトナたちは女子高生にウケる商品やサービスを作り、女子高生の流行を追いかけていた。

現役で女子高生をやっていた当時の私はそれを肌で感じつつ、次から次へと与えられる刺激を存分に享受していた。
私たちは若さからか怖いもの知らずで、新しいものをどんどん取り入れ、そしてそれはどんどん更新されていった。

膝が見えるくらいスカートを短くして、そのスカートすら隠れそうな長めのカーディガンを羽織る。

ポスカで落書きされたスクバ(スクールバッグ)に、ジャラ付けされたストラップ。ストラップが大きすぎてどっちが携帯本体か分からなくなってる子も沢山居た。

放課後は飲食店でバイトか、それが無ければ彼氏か友達とゲーセン。
プリクラを撮って、持ち込みOKの安いカラオケ店で流行りの曲を歌う。

何がそんなに可笑しいのかという些細なことで大笑いして転げまわり、友達や彼氏との取るに足らないようなすれ違いで思い悩んで泣いたりもした。


あの頃の日々を思い返すだけで今でもワクワクしてくるくらい、あの日常が今の私には眩しい。

今の私は、勤めていた会社で心身が疲弊してしまい療養中。
馬鹿みたいに笑い転げるようなことなんて滅多にない。

社会はというと各地で災害が毎年のように起こり、世界では戦争がはじまった。

得体の知れない感染症にもう何年も振り回され、税金も物価もどんどん上がっていくばかり。

発達したIT技術は多くの娯楽を与えてくれたけど、その分傷つくことや縛られることも増えてしまった。


令和を生きる「女子高生」たちには、あまりにも敵が多いのではないかと感じてしまう。
これは私が大人になって見えるものが増えたせいかもしれないし、実際に女子高生たちがどう感じているかは分からない。

ただいつか10年後や20年後に振り返ったとき、私たちにとっての「あの頃」みたいに、今の子供たちにとっても「無敵だった」と思える眩しい瞬間が訪れればいいなと思う。



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