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初めての、大きな買いもの

まだマイカーすら買ったことがないミニマムなわが家だけど、家を買った。

ここまで大きな買いものになると、それなりに検討はしたんだけど、とはいえ2万円のやつと3万円のやつ、どっちがいいかな、から100倍検討したかというと、そんなことはない。
たぶん3倍以上は一生懸命考えたけど、そのあとは勢いだったと思う。

いま住んでいる賃貸に越してきてから4年が経って、家族3人ぎゅうぎゅうの1LDK生活には限界を感じていた。
でもまさか、一軒家を買うことになるとは。

勢いと、まさかまさか。

というのも出発点は1LDK賃貸からの脱出で、2LDKくらいのマンションを探していた。
私はマンションが好き。
実家がマンションだったから、ということもあるんだと思うけど、マンションに何となく親近感が湧いてしまう。
あと以前にも書いたことがある、私は明るくて、ポカポカした環境が好きだから、そういう意味でも、一軒家よりマンションかな。
凄い上の階でなくても、日当たりがばっちり確保できるマンションに住みたいなと思っていた。

夫は一軒家かマンションかというポイントにこだわりがなかったから、私たち家族は、住むならマンションなんだと思っていた。


このエリアかなあというところで探していたんだけど、探せば探すほど、なんというか、一生をひとつの場所で完結させることの難しさ、そんなことを感じ始める。

家が欲しい。
でも私たち3人家族はずっと3人で暮らすわけではない。これから増えるかもしれないし、そこから子どもが巣立ったら、夫婦ふたりの生活になる。
子どもだけでなく、私と夫も不変ではない。
5年後、10年後にはどっちか転職をしているかもしれないし、住みたい場所、暮らすべきところが変わっているかもしれない。
人数も、住む場所も、私たちの人生のベストはここです、なんていう場所は考えれば考えるほど、見つからなかった。

じゃあ賃貸に住みましょう。
合理的な選択は賃貸なんだと思う。
1LDKが狭くなったら、2LDKに引っ越して、子どもが巣立ったら、また生活をミニマムにするのがきっとベストだ。

でも家が欲しい。
ベストじゃないことは分かっているけど、ベターでも欲しいんだ。

そう思ったら、もう住み替え覚悟で買うということでもいいんじゃないかなあと思い始めた。
これからの10年に絞って考えてみる。私たちはどうやって暮らしていこうか。

私のなかでの住まいの基本イメージは、日の当たるマンションだったけど、一生住むつもりの、というのはやめて、フラットに考える。
そうすると、いまは一軒家がいいかもしれないね、新しい選択肢が出てきた。

外遊びが大好きな娘。
わたしもずっと土をこねているような子どもだったから、一緒に遊ぶなら外遊びに付き合う方が得意。
ずっとは要らないんだろうけど、小さい庭があれば、仕事終わりに公園まで行かなくても良くなるから助かるなあと思っていた。
いま限定だけど、畳もあると嬉しい。
そのうち要らなくなると思うけど、幼い子どもと畳は相性がいいと思う。

色々妄想しながらひっさしぶりにアットホームの一軒家を探すを見てみると、そんな家が売りに出ていて、びっくりした。

家は一点モノというから、こういうのは出会いなんだと思う。

住みたいと思っていたエリアに、一応日当たりの良さそうな南向きの、小さな庭がある、和室もある家が。

しっとりした北向きの家だけはもう住めないと思っていたから、日当たりの確保できる角地にあるなということも確認して、内見を申し込んでみた。

見に行ったその日には買いたいですと手を挙げたから、3倍は検討したって書いたけど、結局は即決だった。手を挙げたあと、この1ヵ月しっかり考えたから、私たちなりにはよくよく考えたと思うんだけど、やっぱり勢いだ。

立地が良い分、小さな家で駐車場はなかった。
庭を潰せば駐車場にできたかもしれないけど、ちょうど車を持ってなかったから、まずは庭として使いたいと思う。

一生ここで、という気合いが入った決断ではないから、この家と私たち家族がぴったり合う期間、大切に暮らそう。
その期間は長ければいいなあと思うけど、でもここにずっと居なければいけない、と思うのは違うと思ってる。
家族のベストが変わるころには10年後なのか、15年後なのか。どこか別の地へ引っ越していて、この家は次の誰かに引き継ぐのかもしれないし、もっとリノベーションをして住み続けているかもしれないし、先のことは分からない。



内見に行ってみると、この家は高齢の姉妹が持たれていたということ。昨年ふたりとも亡くなって、親族の方が住まないからと売りに出したんだということを知った。

家に入ったときの雰囲気が、ああここは住めるな、住みたいなと思うような空気で、まえの所有者さんが愛着を持って暮らしていたんだと感じる。

家で思い出を作りたいとか、愛着を持って使いたいということも家が欲しかった理由のひとつで、私たち家族も引き継いで大切に住みたい。

引っ越しはまだまだ先だけど、庭の雑草は抜かなきゃとか、子どもが好きなブルーベリーとトマトは植えたいとか、壁の色はどうしようかなとか、引っ越しまで考えるだけで毎日楽しくて、ワクワクしてる。


家を買おうと思ったきっかけについて、こちらに書いてみました。