旅行記 タイ編 Vol.2 (1回目のタイ旅行を振り返って 後編)
【この記事は2024年3月に訪れた2回目のバンコク滞在記を書くにあたり、その記憶を振り返って書いたものです。前編もありますのでよろしければぜひご覧ください】
バンコクは魅力的な場所がたくさんあるので、行く前からわたしは念入りに予定を組んでいた。
寺院や王宮、水上マーケット、バンコク市内でもエリアごとに雰囲気が違うので街歩きしたい、ナイトマーケットにも行きたいし、食事も行きたい場所がある。少し足をのばして郊外にも行ってみたい。全部詰め込んで、溢れたので、厳選して削ぎ落してまた詰め込んで出来上がった予定表を手にバンコクの旅が始まったのだった。
「ワット・プラケオ」「ワット・ポー」「ワット・アルン」の3大寺院を一網打尽にし、アユタヤとダムヌアン・サドゥアック水上マーケットは事前に申し込んでおいた1日ツアーで回った。行きたかったレストランやおしゃれできれいなショッピングセンターもたくさん回った。
街歩きとしてはカオサン(学生の頃はバックパッカーに憧れている時期もあったので)やシーロム、サイアム、スクンビットなど、プルーンチット駅近くのホテルに滞在していたのでそのあたりも歩きまわった。
プルーンチットのあたりは大使館があったり静かで落ち着いていてとても気に入った。
バンコク市内中心部は、道の舗装がいまいちなところや年季の入り具合がすごい建物もたくさん残っていたりもしたけれど、想像以上におしゃれできれいなビルがたくさんあって正直、とても驚いた。造りも開放的でおしゃれだったり、日本人からしてみたらまさに「海外っぽい」雰囲気もあったりするところもある。
また、人々は本当に自由な感じで、仕事中でも店員同士おしゃべりに夢中だったり(かといって感じが悪いわけじゃない)、ご飯を食べていたり(このふたつは、わりと海外あるあるだと思うけど)、バイタク(バイクタクシー)のおじさんたちは昼間から集まって、まるで夏休みの子供たちのように、道端でゲームしているのをよく見かけた。
バンコクは明るいし、穏やかで元気だと思った。
その半面で私にはもうひとつのバンコクのイメージが見えていた。
事前に知っていた情報だけれど、ゴーゴーバーと呼ばれるお店があって(日本のそういう類とはだいぶ違う、もっと直接的でオープンな感じ?)またそういうお店が集まる場所、ソイカウボーイやナナプラザという場所があること。バンコク(というかタイ?)ではそういう産業も盛んのようだ。
わたしはそういうところも見てみたかった。(なかには入ってはいないけれど、前を通ったり上から見た)
それからこれは、かなり偏ったわたしの個人的な妄想だけれど、【逃亡】という言葉とイメージがぴったりの場所だと思っている。これはお気に入りの『紙の月』(角田光代さん著)という作品を、私は小説と映画の両方見ているので(タイに逃亡している)その影響などからくるのかもしれない。
というわけで、いずれにせよ、少しダークで危うい雰囲気が感じられるところがバンコク(タイ)にはある、とわたしは思っている。
実際にこの地に立ってみて、熱帯の空気と街並みや喧騒がそういう雰囲気とぴたりとマッチしているなと感じた。そういうところも含めて魅力的だと思った。
完璧に明るい人間には憧れているけれど、でも、どこかちょっぴりダークな部分やクセのある人間が好きだったりする。ひょっとしたらそういった感覚と似ているのかもしれない。
バンコクにははっきりとした多面性が見えるように感じた。日本(比べるなら東京と書くべきか)よりずっとわかりやすく露骨に。
新も旧も、富も貧も、陽も陰も、そしてカルチャーは様々だ。
旅行者だから、本当のところはわからない。
でも、間違いなくバンコクは刺激的で魅力的な旅行先だと思った。
旅はいつも楽しいから、どこにいっても最終日の夜からは「帰りたくないよー」と連呼している私だけれど(その国にずっといたいのか日常に戻るのが嫌なのかはわからない)、今回ばかりは「絶対また来る!」と連呼していた。
そんなわけで帰国してからしばらくは、ふわふわとした気持ちで、目を閉じてはバンコクに思いを馳せていた。
バンコクの熱は熱く、なかなか冷めることはなかった。
そして6年後、再び、わたしはバンコクを訪れていた。
*こちらの記事は2018年3月に訪れた時の記憶なので、現在のバンコクの印象とは変わっていたりします。2024年についてもこれから書いていきます。
*引き続き、2024年の記事も宜しければぜひ読んでみてください!
随時、追加していきますが、2024年版は印象的だった街や場所、シーンごとに書いていく予定です。
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