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本を分担して読む「ABD」のおかげで、いそがしくても勉強できた

「文章力向上」のために、サイボウズのWebチームでABD勉強会(​​Active Book Dialogue)を行なったお話です。いそがしいチームでも、学ぶことをあきらめない。ひとりで学ぶのではなくみんなで学んだら、圧倒的に効率がアップしました。足りない知識を補う一つの方法として、参考にしていただけたら。

勉強したいけど、時間ないんすよ

昨年からWebチームでnoteの情報発信をはじめたのですが、はじめてすぐ「もっと文章を上手に書けるようになりたい!」という話がチーム内で上がってきました。もちろん私も文章を書く方法を改めて勉強したい、と思っていました。

とはいえ、各自でかかえているそれぞれの仕事もあり、勉強はついつい後回しになってしまうもの。

そこで、短時間でも勉強できると聞いて実践したのが、ABD読書会

ABD読書会は、一冊の本を章ごとやページごとにわけて分担し、決まった時間内に読み、読んだ内容を要約し、チーム内で発表する、というもの。

短い時間で本の内容を理解し、チームで学び合うことができる読書法です。

やって良かった点として、

  • 事前に本を読む必要がない。

  • 要約する、ということが、本の理解につながる

  • みんなの発表内容がログに残ることで、後で復習することができる

  • 「同じ本」をチームで読むことで、共通の基礎知識を養える

がありました。
実際の流れと共にご紹介していきたいと思います。

事前準備は ほぼなし

このABD読書会の最大のメリットは、事前に本を読んだり、予習をする必要がないところ。勉強の最大の敵である「時間がない」と戦えます。

事前準備は、読む本を決め、チーム内のスケジュールを確保することとその当日までに各自で本を用意することだけです。

読む本は、Webチームの記事編集に携わっていただいているあかしゆかさんに何冊か推薦いただいた中で、「20歳の自分に受けさせたい文章講義/古賀 史健著(星海社新書)」としました。

スケジュールは1時間半確保しました。ただ、実際にやってみた感想として、2時間あると良いなと思いました。どうして足りないと感じたかは、後述します。

各自のスケジュールをぬって、1時間半を確保

実施日時が決まったら、各自に本を用意することと当日の簡単な流れをアナウンスしておきました。

分担を決めて、読む

サイボウズのWebチームのMTGは、すべてZoomによるオンラインMTGです。ですので、ABD読書会もオンラインで開催しました。

また、要約したものをシェアするツールとして、ホワイトボードアプリ「Miro」を活用しました。

当日の流れは以下の通りです。
1)読むページを分担する(5分)
2)時間を決めて読み、Miroに要約する(60分)
3)1人3分程度で発表する(25分)

読むページの分担は、さくっと章ごとに分けて、抽選で決めました。今回の本は210ページあり、ひとりあたり30〜40ページを分担しました。要約することを考えると、ページというよりも章ごとに分担するとやりやすいので、よい区切りを見つけて配分することが肝要です。

サイボウズ製品:Garoonの抽選機能を使って決める

そして、もくもくと読み、各自Miroに書き込んでいきます。

実際のMiroで要約をしている画面

要約は難しいけれど、大切だ

ざっと全体を読み終えてから要約をしたのですが、自分のためだけの要約ではないところに難しさがありました

ABD読書では、自分の担当する章は他の人が読んでいない前提です。ですので、自分の担当章は、読んでいない人にも理解してもらえるように、できるだけ正確でわかりやすい要約をしなくてはなりません。
そのできるだけ正確でわかりやすい要約をしようとする事こそが、ABD勉強法の良いところでもあります。

漫画「ドラゴン桜2」にも出てくるのですが「要約=読解力」。要約することで、著者が本当に言いたいことを読み解いて理解する。理解したことは言うまでもなく、自分の知識として定着します。

自分のためだけの読書に比べて、要約を大前提としている点に於いて、ABD読書法の良さがあると感じました。

要約した内容をそれぞれ発表する

要約が完了したら、それぞれ読んだ内容を発表します。

自分の書いた章の前後が発表されていくと、「ああ、これを前章で言っていたから、自分の章でもよくこの単語が出てきたのね」とパズルのピースがつながるように、改めて自分の読んだ章の理解が深まることもありました。

重要なキーワードは自分の担当章の前後でもでてくる

ただ、反省ポイントもありました。今回1時間半をABD勉強会に確保したのですが、最後の要約が発表のみになってしまい、感想や疑問の交換など、チームで本を深める時間がなくなってしまいました。

もう少し議論の時間があれば、違った視点の意見を聞いて視野が広がったり、自分の意見を述べることで理解に深みが出たのではないかと思っており、時間確保や配分に於いて反省しています。

まとめた要約は後で見返すことができる

先述した通り、今回の要約は「Miro」の同じボード上に書き残しました。ですので、あとで読み返したり、文章を書くのに行き詰まった時には、時々Miroのボードを見に行って改めて眺めたりしています。

Miroボード上の各自の要約

ABD勉強会の際には、後々参加者が見返すことができる場に、要約をまとめると良いなと思いました。

もし、リアルで開催した際などは、要約を写真に残しておくなどして、後々振り返ることができるようにする形でも良いかもしれません。

共通の基礎知識=チーム基礎力向上

チーム全員で取り組んでいるプロジェクトにおいて、そのプロジェクトに関する基礎的な知識や共通言語をメンバー内で共有していることはとても大事です。

例えば、「文章には、論理が必要だ」と学んだ場合、各メンバーは論理的に書こうと努力し、お互いの文章をチェックする際に、論理的かどうかを気にし、論理性が欠けている場合は、その点を指摘することができます。ですが「文章に論理が必要だ」という共通知識が抜けていた場合は、その指摘が受け入れられないかもしれません。

また、今回私たちWebチームが取り組んでいる「情報発信」などのように、すぐには結果がでないけれど、継続的に取り組み、持続的にレベルアップしていく必要があるプロジェクトは、中弛みやモチベーション維持のためにも、間に勉強会をすることの意味があるはずです。

基礎力向上と刺激をお互いに与え続ける意味で、勉強は重要であり、忙しいメンバーでも開催できる「ABD勉強会」はおすすめです。

そんなWebチームが発信している情報はこちらで読めます。

※文章力向上については、まだまだ道半ばですので、向上していないじゃないか!というご指摘はご容赦いただけますと幸いです(笑)


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