【となりの家のはなし⑧】はじめての罪悪感
クセのある祖父母、クセのある両親のもとに生を受けた私の、幼少期のお話です。
(どんなクセがあるのかは、過去のnoteを読んでもらえたらと思います)
当時は生まれる前に性別を教えてくれるっていうルールはなく、出てくるまでわかりません。そんなご状況で生まれて来た私を見て、父が「俺、男がよかった」と父方の祖母とが話しているのを、母が聞いてしまうという、ハードモードな行く末を感じる幕開けです。
本来ならカエル足がデフォルトの赤ちゃんの足を、「ピシッとせんか!」というなぞ理論で、頼んでもないオムツ替えをしてくれた近所のばぁちゃんに、足ビンって引っぱられた勢いで足が脱臼するという、通称“ばぁちゃんの大きなお世話”事件”。また、私がウメボシとお粥がキライで食べられず、お願いだから食べてと泣きながら懇願された、通称“キライな食べ物確定”事件など、様々な困難を乗り越え、少女うずは幼稚園児にレベルアップします。
駅1つ向こうの公立の幼稚園に通うようになった私。本来は自転車通園が禁止されていましたが、母は許可なく近所のママ友と共に自転車で私を連れていき、茂みに自転車を止めて、そこから門までを一応歩かせて体裁を整えてました。
恐らく園は、横断歩道を手を挙げて渡らせる練習をさせたかったはずが、渡った方の茂みに自転車を駐めたがゆえに、自転車通園がバレて、園長先生にこっぴどく𠮟られる母を見て、なんとも言えずモヤッた感覚を今でも覚えています。
幼稚園が終わったあとも、帰宅途中の飲食はダメと言われていましたが、家からアイスティーを水筒に入れてきて、自転車を留めている茂みで飲ませてくれます。
「幼稚園とかお友達には言うたらあかんよ」って言われるほど、ダメなことしてるる私って気持ちになって…でも先生に白状して、親を裏切れない。
それに、途中で何か飲みたいとも、アイスティーが飲みたいとも、自分から望んだことはない、なんだったらガマンして帰って「グビグビ、プハー」の方が丸く収まるんですが、自分の望みが意識に登ってくる前に、全ての欲求が充たされてしまう…。「だって喉乾いてるのにかわいそうでしょう」って。
こうして、なんの不自由もなく育ててもらいました。それなら文句言うなって話なんですが…このときから自分がどうしたいのか、それが叶ったというちっさな達成感を知らないまま育ちます。
次は小学校編です。
どんどん繊細さんが出来上がっていきますので、一緒に見届けでください。
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