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【となりの家のはなし⑨】休日の過ごし方

クセのある母のルール違反に初めて「モヤっと」罪悪感という感情を知った少女うずは、なんだかんだで小学生になります。今回は小学校の時のお話を。

私、一人っ子で実家は自営業を営んでいました。一般の方がお休みの土日や夏休み冬休みの時に忙しくなる業種で、小学生の低学年だとやはり一人で家に置いておくのはちょっと難しいということで、土日はご近所さんに、長い休みの時は祖父母の家に預けられることになります。

ご近所さんと言っても、兄弟の多い家族で、子供を預かってもいいよ言う方のおうちで過ごしました。後から聞くと、謝礼も渡して預かってもらっていたそうです。

当時から「親に迷惑をかけてはいけない」「しっかりしたいい子でいなきゃ」と勝手に責任背負っちゃってて・・・土日に預けられたおうちで気を使って一日他人の家族に入り込むのは、当時の私にとっては相当重かったようです。預けられる当日の朝、母が「大丈夫?」と聞き「うん、大丈夫」と答えるものこ、そのおうちに着くと、扉の前で吐いたそうです。

結局私は吐くまで我慢しちゃってましたが、世間一般の子供ってこんな時、どんな表現をするんだろう。両手じたばたさせて暴れるんだろうか・・・いまだにわからずじまいです。預かってくれるおうちのお母さんも3兄弟も、とてもよくしてくれた事はなんとなく覚えているので、結局は自分で背負い込んで、自分で自分を追い詰めるって言う、今となんら変わってないですね(笑)

少し長いお休みになると、今度は田舎の祖父母宅に預けられます。最寄りの空港まで両親が車で送って、田舎の空港まで、飛行機は一人です。小学校低学年の子供にとって、わずか1時間でも一人飛行機は心細いものです。ここは我ながら子供の私を誉めてあげたいです。

搭乗口に入ると「ジュニアパイロット」と書かれたバッヂを胸に付けられます。それがあると、機内でスチュワーデスさん(久しぶりに言うたわ!今の若い子たちはわからないでしょうね・・)が、色々なおもちゃや絵本を持ってきたり、何かと気にかけ世話を焼いてくれます。ただ、私にとってはそんなどころの騒ぎではなく、空の上だしひとりだしただ心細くて泣いてました。スチュワーデスさん、随分困ったでしょうね…。

田舎の空港に着くと、おばの家族が車で迎えてくれて、その車で祖父母の家に向かい、夏休みだと一か月ほど滞在し、ばっしばしの方言を浴びて、その話し方が移った頃には又一人で飛行機に乗って帰る事になります。

今回も読んでくださってありがとうございます。次回は、小学校後編です。

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