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【連載】家族会議『歪んだ愛情による負のスパイラル編』

「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。

前回の記事はこちら。

家族会議3日目#2|歪んだ愛情による負のスパイラル

――母は自分に自信がないところがある。それは子供時代に母親から受けた教育(しつけ)によるものだ。親は良かれと思ってしつけする。一方の子供は、しつけによって本来の自分を否定された感覚になる。

わたし:なんかあれだね、お母さんはしつけに関することで嫌な思いをしたって感じだね。

:あぁ、そっか。だからお母さん、自分が子育てするとき、私みたいな子供にはならないようにしようって感じが大きかったな。自分もいろいろ言われて嫌だったけど、それに輪をかけたって感じ。おばあちゃんが中途半端だったからもっとって。
その話をしたときおねえちゃんが、自分が子育てするときは、お母さんよりもっとって思ってたって。

わたし:えーーーーー!

:お母さんよりもっとしっかり育てようっていうのがあったって。

わたし:そっちにいくんだね。嫌だからやめようってならないんだ。

:嫌だと思いながら親と同じことしちゃうってよく聞くけど

わたし:そういうことなんだね。

:思い通りにならない子供を殺しちゃってたかもしれないって。

――親になにかと言われる度に、「自分はダメなんだ」と思い込んでしまった母。そしてそれは、親のしつけが足りなかったからだと思い至る。

だから自分の子供には、周りから指摘されないようもっとちゃんとしつけようと、もっとちゃんとした子に育てようと、そういう教育に舵をきってしまったのだった。

連綿と続いてきた教育は、ここで限界を迎える。
姉がうつになったのである。

子供のためを思っていたつもりだった母は、ようやくその間違いに気づいた。それは子供のためではなかったのだと。


- 今日はここまで -


親から子へ、子からその子どもへ、間違いに気づかず繰り返されていくしつけ。満たされない気持ちはむしろ、拍車をかけていくようにも思える。子供たちは、満たされないのは自分が悪いのだと思ってしまうのだ。

だから自分の子がそうならないようにと、もっと厳しくしつける。それは歪んだ愛情でしかない。こういう歪みが、そこかしこで起きている。

今も子供たちは苦しんでいる。心を病んで外に出られない子がいる。

そんなわが子を心配し、わが子のためを思って病院やカウンセリングを手配する親。彼らは自分の間違いには気づかない。自分はわが子のために精一杯、出来る限りのことをやっていると主張する。

子供はやってくれている親に何も言えない。やってくれているから。

そうやって歪んだ愛情による負のスパイラルから抜け出せずにいる。

それを止めるには、自分がなにに悲しんでいたのか、本当は何を求めていたのか、それに気づくことが先決ということだ。不幸の連鎖を今、断ち切らなければならない。

<次回に続く>

これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!


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