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アルコール依存症:その1滴が酒乱に戻る。大切な人を守るために知ってほしい

メンタルヘルスが低迷するとアルコール依存症やうつ病に。アルコール依存症については実際のところ一般の方に余り知られていないのが現状です。これを機会に誤解などなくし向き合うことを考えてください。

※有料記事ですが、記事は全部読めます。もしお気に入りでしたら「投げ銭(¥100)」してください。では、ごゆっくりお読みください。

アルコール依存症の定義

ネットで調べると、
お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態のことをいいます。 飲むのはよくないことだとわかっていても、脳に異常が起きて飲むことをやめられなくなります。

では誤解を招いてしまいます。

アルコールは、依存性をもつ薬物です。
習慣的に使用していれば、誰でもアルコール依存症になるリスクがあります。
年齢・性別・社会的立場には関係なく、意志の強さや性格の問題でもありません。

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アルコール依存症の症状

早期離脱症状は飲酒を止めて数時間すると出現し、
手や全身の震え、発汗(特に寝汗)、不眠、吐き気、嘔吐、血圧の上昇、不整脈、イライラ感、集中力の低下、幻覚(虫の幻など)、幻聴などがみられます。

わたくしは以前企画した「アルコール依存症とは」では、具体的な話を聞かせれました。

女性のやり手の営業マンが得意先の接待で、お酒を勧められ「大暴れしました」という話や完全に意識を失う話や、想像を絶する症状が本人を襲うのです。

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アルコホーリクス・アノニマス(AA)

1935年アメリカでの話です。二人のアルコール依存症者がお金も無くなり、とうとうお酒を飲むことが出来なくなった話です。寒い街のはずれのことです。

二人は、最初、どこかにお酒が落ちてないか探しましたが、そのかいも空しく、お酒を手に入れることができませんでした。二人は街中に知れ渡るほどの大酒のみであり、店では乱暴も行う問題児でした。

数時間無言の状態が続き、いつしか二人は寂しさを紛らわすために、お互いの身の上話を延々としていったのです。そして、寒さで寝ることもできず、とうとう夜が明けてしまいました。

「おい、俺たち酒1滴も飲まずに過ごせたぞ、お前は今酒飲みたいか?」
「いや、もういいよ、お前と話しをしてたらお酒のことなんか忘れてしまった」
「俺もだ、よし酒をやめようぜ!」
二人はその後も語り合い時間を過ごしたそうです。

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アルコール依存者のための自助グループ(AA)

上の話があまりにも有名で、世界に広がった飲酒問題を解決したいと願う相互援助(自助グループ)の集まりで、直訳すると「匿名のアルコール依存症者たち」(アルコホーリクス・アノニマス)の意味なのです。

日本中にもあります。シェアハウス式の生活保護費を生活に充てて、お昼や夕方に集まり、皆さん匿名(あだ名)で呼び合って一人一人が思っていることを話しするのです。

また軽度の依存症の方は、サラリーマンなんかで仕事の帰りに夕方のセッションに参加することも多いそうです。

皆さんも「薬物依存」の社会復帰のための自助グループなんか聞いたことがあると思います。

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一滴でもお酒を口にしたら、出入り禁止

「自助グループ」の決まりの中に、掃除当番や洗濯当番などを設け、一人一人が孤立しないように気を配っています。

しかし、一度、お酒を1滴でも口にしたら出入り禁止になるのです。
厳しいでしょ。

お酒をやめるのが目的なので、飲むことは負かりならんのです。

わたくしも人のことは言えません

わたくしも若い頃は焼酎ストレートでガンガン飲んでましたし、煙草も1日3~4箱吸っていました。

何度もやめようとしました。例えばお酒では飲酒運転し放題、来ている紳士服も酔っぱらって溝に落ちたりしてびりびりに破けたり、警察に捕まって妻に迎えに来てもらったこともあります。

ある企業に就職して、そこの保健室で「煙草を辞めたいんですけど、禁煙パッチください。」っていったら産業カウンセラーの方が、「煙草を辞める気があるなら、1回この本を読んでみて下さい。それでもダメなら禁煙パッチにしましょう」と言われ、そんなに厚くなく1週間程度で読めそうでした。

禁煙できた日、そしたら禁酒も!

素直に言うことを聞いて、毎晩お酒を飲みながらですが、本を読みました。ようは「百害あって一利なし」が何十回もでてくるのです。それも毎回内容が違うのです。しつこい。

「これは辞めれるかも」と思って、今日読破できそうだなって日に、沢山吸いまくってお酒を飲んで、本を読破しました。
そして決意を胸にそのまま寝たのです。

次の日の朝、本のおかげもあって煙草を吸う気になりません。残党があるのに、わたくしは灰皿を捨て、試しに煙草が残っている箱を1週間置きました。で、ゴミ箱へ。

そうですね、お酒もタバコも最初の1週間がきついです。でもお酒は一度ノンアルコールに換えてごまかしました。それが2年ほど続きましたが、体を壊しそうになったので、煙草は最初の1日から、お酒は2年かけてやめることが出来ました。

お酒は、正月か宴会があった時に飲むくらいです(年2回ほど)。酔った自分の悪い癖を見るのが嫌なのです。もっと言うと酔っている自分を見るのが嫌になりました。

元アルコール依存症の方は1滴も飲んではいけません。

わたくしの話をさせていましたけど、お酒は依存症まで行ってなかったので為に飲んでも大丈夫ですけど、元アルコール依存症の方はあっという間に元の依存症に戻ってしまいますので絶対禁酒です。

みりんなど、お酒が入ってるものも置いてはいけません。見える範囲にお酒類を置くのは辞めてください。みりんは純米。

東日本大震災でも多くの方が孤立し、寂しさを紛らわすためにお酒を飲んでいるうちに依存症になってしまい、体を負わしたり、自殺したりなど多くの犠牲者を出しています。

一人住まいの方や一人親家庭など、仕事のストレスでついついお酒に手が出ていませんか?

お酒もタバコも「百害あって一利なしです」

両方とも血液の循環を悪くし(そうです)不整脈や肝炎を起こし認知症にもなりやすいです。ひどくは癌を患います。身内や大切な人にも悲しみを与えるだけです。

アルコール依存症 自覚させるには

アルコール依存症患者さん本人が、病気を自覚して積極的に治療をはじめるケースは少ないのが現状です。多くの場合、家族や友人が異変に気づいて、それをきっかけに治療がはじまることが少なくありません。

下記のような変化があった場合は、もしかしたらアルコール依存症かもしれません。

・昔より飲酒量が増えた
・飲むスピードが早くなった
・飲酒のために約束していたことができない事がたびたびある
・休肝日を作ることができなくなった
・医師や周りにお酒を減らすように言われているのに減らせない
・お酒を飲まないと離脱症状(イライラする、手が震える、眠れなくなるなど)が出るようになった

周囲の方ができること

アルコール依存症患者さんは飲酒欲求にとらわれ、生活に支障をきたすようになります。

家族・友人は、本人をどうにかして立ち直らせようと生活面・経済面などで世話をやいてしまいがちですが、それが本人の飲酒を可能にし、アルコール依存症の回復を遅らせてしまうケースがあります。

家族・友人ができることは、世話をやきすぎないことです。

アルコール依存症が疑われ、自分たちではどうしようもない場合は、悩まず医療機関や保健所などに相談してください。

また、医療機関を受診するなどの今後の方針を本人と話し合う場合は、しらふの時にしましょう。

お酒を飲んでいる時は気が大きくなっていたり、記憶力が弱くなっていたりして、そのタイミングで話し合うとトラブルに発展する可能性があります。
(大塚製薬サイトより)

日本の依存症対策の現状は?

厚生労働省研究によると、国内におけるアルコール依存症者数は約109万人と推定され、大きな社会的な問題となっています。

しかしながら、精神科で専門治療を受けている患者数は4万9000人程度しかおらず、多くの治療を必要としている患者の存在が明らかでありながら、実際には依存症治療につながっていないことがわかります。

このように多くの患者さんが専門治療を受けるべきであると指摘されているにもかかわらず、実際に精神科の門をたたく人が非常に少ないのはどうしてなのでしょうか?

なぜなら、日本人にとってアルコールの問題を抱えているということは「恥ずかしいこと」「意志の弱い性格のせい」とみなされ、その人自身の人格の問題ととらえられる傾向があるからです。(確かに)

このように依存症に対しての正しい理解や対応は進んでおらず、世間一般には厳しい視線が注がれることがわかっているため、なるべく人から知られないようにしようという気持ちが働くことがほとんどです。

実際に、例えば芸能界などで活躍する有名人が依存症であるとわかると、社会的な制裁を求めるようなネガティブな対応を多く見聞きします。

海外での現状と取組み

それでは、海外での状況はどうなっているのでしょう? 
アメリカでも以前は日本と同じような状況でした。

アメリカの基盤を作った移民には戒律の厳しいキリスト教会派の人たちが多く、キリスト教信仰以外から、つまり酒、タバコ、セックスなどから快楽を得ることが禁じられていました。

そのような宗教的な視点からアルコール依存症になる人は「自制心(discipline)がない人」とみなされ、アメリカでも日本と同様に「恥ずかしい」ことで、病気ではなく個人の問題と考えられていました。

そのような社会の価値観を変えていくきっかけの一つとなったのが、アメリカで生まれたAA(アルコホーリクス・アノニマス)という自助グループです。

そこでは当事者同士が週1回ミーティングに集い、自身のお酒に関する体験談、悩み、依存症からの回復に関する話をして経験を分かち合います。

アルコールを飲まない生き方を手にし、それを続けていくために自由意志で参加する世界的な団体です。このAAによる長い啓発活動によってよりオープンに依存症を打ち明ける機会を増やす一因となりました。

さらに、依存症に対する偏見に一石を投じる人物があらわれます。第38代アメリカ大統領夫人、ベティ・フォードさんです。

彼女はアルコールと鎮痛剤の依存に苦しみ、1978年に依存症の入院治療を受けます。彼女は、自分が入院治療をうけたことを契機としてその事実を公表し、1982年にはアルコール・薬物依存の治療機関、ベティ・フォード・センターをカリフォルニア州ランチョ・ミラージュに設立しました。

そして彼女は自身の生涯をかけて「依存症は恥ずかしいことではなく、治療ができる病気であること」を発信しつづけました。そのおかげで、次第に依存症に対する否定的なイメージは払拭されていきました。

今では、誰もが「自分は依存症なのでこれから専門治療を受けます」と公表でき、暖かくそれを応援するような社会にアメリカは変わってきました。

"Go to Betty Ford"といえば“依存症の治療を受けに行く”と理解されるほど、彼女の活動が広く深くアメリカで広がっています。

それでは日本に近い、アジア諸国ではどうでしょう? 

韓国、タイ王国など多くの近隣諸国でも、日本と同じように多くの依存症患者がいる一方で、実際に依存症治療につながっている方は比較的少数のようです。

韓国では全国調査にて139万人のアルコール使用障害患者数が推定されていますが、実際に治療の必要性を感じている割合が8.6%と報告(2011年)がされています)。

また、タイ王国では“生涯調整生命年(DALY):病気によって早死し失ってしまった年数、もしくは健康的に過ごすことが出来なくなった年数を示す指標”の第一位の原因がアルコールでした)。

しかし、この両国は様々な取り組みによって少しずつこの状況を改善してきています。取り組みの一つとして、両国にはAAを含む多数の自助グループが発達しています。

韓国ではKorean Addiction Forumという研究ネットワークが組織され、メディアや政府に対して依存症問題に関する提言やサービス体制の普及と開発を行っています。

またタイ王国も同様に保健省(Thai Ministry of Health)が中心となって普及活動を行っています。

このような活動の結果、韓国の2016年の調査結果では治療の必要を感じている人の割合は前回の8.6%から12,2%に上昇し、タイにおいても2014年の調査からDALYの第1位から第5位にまで順位が下がりました。

これからの関わりについて

日本でも2013年に「アルコール健康障害対策基本法」が策定され、2018年にはアルコール依存症における新規ガイドラインが制定されるなど大きな変化の時期を迎えています。

その中でこれらトリートメントギャップ(本来治療が必要にも関わらず、治療にかかっていない人)の解消がひとつの大きなテーマとして注目されています。

韓国やタイ王国のように日本にもAAに加えて断酒会という我が国特有の自助グループもあり、日本の抱える課題の解消に大きな役割を担っています。

アジアの自助グループ活動は日本が一番定着している現状ではありますが、さらにアルコール依存症を「回復できる病気」と捉えて理解し、

偏見を払拭して、社会全体でポジティブに治療を応援してあげられるような理解や啓発活動が広がればと思います。

参考文献:

1.平成25年 厚生労働省研究班“WHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究”(樋口進代表)
2.平成26年 厚生労働省患者調査
3.Elaine Ford : Betty: A Glad Awakening, Hardcover – February 6, 1987
4.“Hazelden Betty Ford: Drug and Alcohol Addiction Treatment Centers”
https://www.hazeldenbettyford.org/
5.“Back in View, a First Lady With Her Own Legacy”  The New York times DEC 31, 2006
6.Alcoholics Anonymous:https://www.aa.org/(米国), http://aajapan.org/introduction/(日本),http://www.aakorea.org/(韓国),http://www.aathailand.org/ (タイ王国)
7.2016년도 정신질환 실태조사 The Survey of Mental Disorders in Korea (2016 ver)
8.Burden of Disease Thailand,http://bodthai.net
9.The National Statistical Office Thailand, NSO http://www.nso.go.th/
10.Korean Addiction Forum  (http://www.addictionfr.org/web/)
11.“全日本断酒連盟(断酒会):http://www.dansyu-renmei.or.jp/”

最後に

アルコール依存症の方の周りには、それは心配している大切な人が必ずいます。その方々のためにもお酒をやめてください。

例えば、ペットを飼えない住居の方は花瓶で花を育ててください。そして毎日声をかけるのです。「昨日も飲まなかったぞ」「今日も飲まないから綺麗に咲いてください」って声をかけるのです。

さあ、わたくしはマガジンだけの特集、創刊号で「アフリカ開発会議」をテーマにシフトチェンジします。あっ、わたくし「ブログ依存症だわ」

(瑚心すくい)本日の体重101.7kg(前日と変化なし😿あー重い)

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