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コンピュータとインターネットの歴史から見る深刻なIT人材不足はどうなる?

『オンライン英会話サービスを手がけるビズメイツ(東京・千代田)は外国人のITエンジニアを日本企業に仲介するサービスを始めた。国内外から日本に関心をもつ技術者を探し、企業が採用できる。』(日経新聞)
とうとうIT人材は海外に頼らざるを得なくなってきた。

2030年には79万人のIT人材が不足

いくつかシンクタンク調べたけど、本当はどのくらいIT人材が不足するのかは分かっていないと思う。

令和元年情報通信白書(総務省)

インターネットの誕生
インターネットの起源は、米国の国防総省の資金提供により1967年に研究を開始したパケット通信のネットワーク、ARPAnet(Advanced Research Agency Network)である。ARPAnetは1969年に米国内の4つの大学・研究機関を接続する形で運用が開始された。その後、主に大学・研究機関間を接続するネットワークの構築が進み、これら機関間の連絡、論文の交換、あるいは研究用データの交換という非営利の用途での発展を経て、商用化が始まった。

総務省の資料より
はじめに、インターネットの発展・普及を、
1994(平成6)年頃までの「インターネット黎明期」、
1995(平成7)から2000(平成12)年頃までの「インターネット普及開始期」、
2001(平成13)から2010(平成22)年頃までの「定額常時接続の普及期」、→日本の政策はなかった
2011(平成23)年以降の「スマートフォンへの移行期」の大きく4つの時代区分に分けて振り返り、生活者の視点からインターネットがどのように利用されるようになってきたかを含めて概観する。

第一次人工知能ブーム

第一次人工知能(AI)ブームは、1950年代後半~1960年代である。コンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになったことがブームの要因である。冷戦下の米国では、自然言語処理による機械翻訳が特に注力された。しかし、当時の人工知能(AI)では、迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うことはできても、様々な要因が絡み合っているような現実社会の課題を解くことはできないことが明らかになり、一転して冬の時代を迎えた。

この時点では「諦め」ではなく人工知能の時代が必ず来ることを覚悟して取り組んでいた様子が伺える。

第二次人工知能ブーム

第二次人工知能(AI)ブームは、1980年代である。「知識」(コンピューターが推論するために必要な様々な情報を、コンピューターが認識できる形で記述したもの)を与えることで人工知能(AI)が実用可能な水準に達し、多数のエキスパートシステム(専門分野の知識を取り込んだ上で推論することで、その分野の専門家のように振る舞うプログラム)が生み出された。日本では、政府による「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進された。しかし、当時はコンピューターが必要な情報を自ら収集して蓄積することはできなかったため、必要となる全ての情報について、人がコンピューターにとって理解可能なように内容を記述する必要があった。世にある膨大な情報全てを、コンピューターが理解できるように記述して用意することは困難なため、実際に活用可能な知識量は特定の領域の情報などに限定する必要があった。こうした限界から、1995年頃から再び冬の時代を迎えた。

ここにきてコンピュータを活用した通信とAIが出合いかけたが、同じ土俵で試行錯誤しなかったことが後のIT人材不足の起点となったのです。

パソコン通信

1985年~1995年
インターネットの登場前に、通信を利用してデータのやり取りを行う形でのコミュニケーションを可能とするものとして、「パソコン通信」があり、日本国内では1980年代半ばから一部のパソコンマニアを中心に利用されていた。

パソコン通信では、電話回線やISDN経由で通信事業者のコンピューター(これを「ホストコンピューター」という。)に接続することで、メールや掲示板、チャットなどのコミュニケーションを行うことが出来た。加えて、ニュースやデータベース検索などの情報提供サービスといったサービスメニューを利用することも可能であった。

元々インターネットなんて発想はなく、コンピュータは仕事の効率化のための道具になっていた。ワープロの延長であり、電卓の延長であった。しかし1995年にWindows95というOSがでてからは庶民の手にパソコンが普及し、ようやくインターネットの芽が庶民の手で自由に扱えるようになった。

第三次人工知能ブーム

第三次人工知能(AI)ブームは、2000年代から現在まで続いている。まず、現在「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いることで人工知能(AI)自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化された。次いで知識を定義する要素(特徴量11)を人工知能(AI)が自ら習得するディープラーニング(深層学習や特徴表現学習とも呼ばれる)が登場したことが、ブームの背景にある。

これまでの人工知能ブームをふりかえって
過去2回のブームにおいては、人工知能(AI)が実現できる技術的な限界よりも、社会が人工知能(AI)に対して期待する水準が上回っており、その乖離が明らかになることでブームが終わったと評価されている。このため、現在の第三次ブームに対しても、人工知能(AI)の技術開発や実用化が最も成功した場合に到達できる潜在的な可能性と、実現することが確実に可能と見込まれる領域には隔たりがあることを認識する必要がある、との指摘がある12。例えば、ディープラーニングによる技術革新はすでに起きているものの、実際の商品・サービスとして社会に浸透するためには実用化のための開発であったり社会環境の整備であったりという取組が必要である。実用化のための地道な取組が盛んになるほど、人工知能(AI)が社会にもたらすインパクトも大きくなり、その潜在的な可能性と実現性の隔たりも解消されると考えられる。

日本の政策はなかった

日本のIT人材が育たない理由は、上記に書かれたこれだけのコンピュータにまつわる歴史がありながら、特に1980年から2000年までの間に、国家プロジェクトでIT人材を育成せず、大学や研究機関や団体に人材育成を丸投げしたためであろう。

2000年以降、急速なスマーフォンの普及に対してインターネットの重要性に気付いた時には、もう既に現在のような人材不足は起きていた。

そうです。誰も(誰一人もという意味ではなく)1980年代以降の危機感に行動を起こさなかったのではないかと推測できる。

しかしできることはある。地域別に無料でIT研修を行い、(若い人材に特化した育成事業はいくつか実際に行われている)そこから出てきた人材を集中的に、国が給料を払って更に人材育成を図ることをしてほしい。つまりすそ野を広げ、小学・中学・高校の教育に頼っては人材は育成できない。才ある人材を掘り起こし早期にITに特化した研究機関で特殊な訓練を行って欲しい。

わたくしも再度プログラミングに挑戦したいが、若い人材が既に育っている。しかも10代から。でも、まだまだ情熱だけは若い人材には負けないよ。

(瑚心すくい)

是非、サポートよろしくお願いいたします。日々自己研鑽し学びの本の購入と色んな団体「盲導犬協会」「国境なき医師団」等への寄付の資金にもしたいと思っています。お礼は更なる良質な記事を書きますのでよろしくお願いいたします。