見出し画像

日本からオーストリアへ海外転職した話

転機


私は某大使館商務部で勤めていましたが、産休の方の代理で、その方が1年経って職場復帰することになってから、そのまま働き続けることはできないということになりました。

折りしもその時、30歳を迎えようとしていて、東京での生活も3年に近くなり、少し煮詰まったものを感じていました。

22歳から27歳までをオーストリアと一部ドイツで過ごし、その時の暮らし方だったり、

ハードルがありながらもそれを乗り越えていく臨場感だったり、

いろんなときめきがあったヨーロッパでの生活を恋しく思っていたし、

せっかく身につけた国際感覚も、やはり日本にいるとどんどん忘れてしまっていくので、それがすごく怖いと感じていました。

東京での生活はもちろん楽しく、その中で築いてきたものがたくさんありました。

家族や日本の友人に頻繁に会えることや、新しく仲良くなった友人もたくさんいて。

ただ本当にあっという間に時間が過ぎて、毎日疲れ果てていて、焦燥感が強く、これを何十年も続けていくのは嫌だ、軌道修正しないといけない、とはっきり感じてきていました。


仕事に区切りがつくのと、年齢的でも区切りがつくことから、ヨーロッパに戻りたいという気持ちがくっきり浮かび上がってきたのです。


模索


また学生に戻るには資金が必要だし、そもそも学生に戻る気分でもなかったし、

せっかく第一線で働き始めたんだから、今の流れのままで仕事を続けながら移住して、音楽活動も並行して続けて行けたらいいなと思いました。

それから、転職活動を始めました。

これまで付き合いのあったオーストリア企業に連絡したり、ウィーンのJETROに連絡したり、ドイツ商工会議所に自分のプロフィールを課金登録したり。


まず、日本に住みながら海外転職を試みる場合、ネックになってくるのが労働許可の有無です。

基本的に、働くところが決まっていないのに労働許可は取得できません。

それなのに、労働許可を持っていることが応募の条件、と書いてあるところが多いんです。

要は、企業としては面倒な手続きなどはしたくないので、元から労働許可を持っている人材を探した方が良いということ。


私は学生用の滞在許可はもう切れていたし(一年更新だし)、そもそも学生用の滞在許可ではちゃんとした就労はできません。

ということで、私は労働許可を持っていない状態で転職活動していたので応募条件に合わないことも多く、難しさを感じていました。

出会い

そんな中、仕事で担当した展示会の出展企業の中の一社が、人材を探しているということを知りました。

そこで、自薦したのです。ヨーロッパと北米に展開しており、オーストリアに支社がある企業でした。

オーストリアで勤務させてほしいと打診し、後は果報は寝て待て状態で、別の案件の面接を複数受けたりもしていました。


それから2ヶ月後、某大使館商務部を退職したタイミングで、元々3週間のヨーロッパ休暇旅行を企画していたので、その休暇に合わせてオーストリアの会社で現地面接を受け、内定をもらうことができました。


オーストリアに面接に行くまでの間、大丈夫かな、と半信半疑でいたのですが、決まって雇用契約書を読むまでになったときはとても嬉しかったです。


それから入社までは、労働許可の申請と取得が思いのほか大変でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?