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意図的な協働関係をグループ・チーム自身で検討する(Designed Team Alliance (DTA))

現代において、何かコトを成し遂げようとする時、一人ではできないことがほとんどだと思います。二人以上の人間が関わるとき、そこには何らかの関係性が生じます。その関係性の良し悪しによっては、いかに素晴らしいアイディアがあったとしても、それが形になる可能性は低くなってしまうかもしれません。

夫婦でも、カップルでも、友達でも、部活のチームでも、学校のクラスでも、意図的にどんな関係性を持っていきたいか、語り合うという場は、なかなか無いのではないでしょうか。このような場を意図的に持ち、誰に指図されるわけでもなく、その場にいるメンバー同士で・・・もちろん、上司や先生も関係性の一部ですから、入ってもらっても構いません・・・どんな関係性を創っていきたいかを、明示的に対話をする。意図的に協働関係を築き上げていきましょう、それがDTAなんですね。これはチームビルディングでも活用することができます。

DTAのやり方

DTAを実施する際には、ファシリテータを選出することをオススメします。ファシリテータは、DTAの司会進行ですね。ファシリテータはアイディアに対して中立で、ご自身の意見は控え、司会進行に徹します。

DTAは、やるだけなら、そんなに難しくありません。
以下の問いを参加者に投げてください。

  • どんな雰囲気をこのチームで創っていきたいですか?

  • どんな文化を醸成していきたいですか?

  • 難しい問題にぶつかったとき、起こったとき、お互いにどのようなスタンスを取りたいですか?

メンバーの皆さん、一人一人に言葉を出してもらって、記録していきましょう。ファシリテータは、ホワイトボードやフリップチャートに言葉を記録していきます。だいたい20−30分くらいでしょうか。

反対意見、ニュアンスの違いに対する違和感、全然OKです。そのような意見がでることをファシリテータは奨励してあげてください。

参加人数にも依存しますが、だいたい10−20くらいの言葉が書かれたら、一旦止めます。

10−20くらいの言葉それらをすべてDTAにしてもいいのですが、多いと管理が難しいですし、記憶に残りにくいです。ファシリテータは、それらを3〜5つに絞ってもらうよう、メンバーに要求します。絞るのは、取捨選択でもいいですし、言葉を組み合わせたり、言い直したりしてもOKです。ファシリテータは要求したら、姿を消します(背後にいて気配を消します)。メンバーに任せましょう。これは10−15分くらいでしょうか。あまりにも簡単に決めすぎたり、強引なリーダー/マネージャーがいて全部一人で決めてしまう、なんてこともあるかもしれません。そんなときはファシリテータが(姿を現して)その行為を認知反映してあげてもよいと思います。「そういうチームなんですね。それってみなさんそれでいいんでしょうか?何か話づらそうですね。」

メンバーが3−5つの言葉を紡いだら、ファシリテータは戻ってきます。全員の合意を得たら、それがこのチームのDTAになります。

DTAは一度決めたら変えられないものではありません。定期的に見直して、自分たちが合意した、「なりたいチーム」「在りたい関係性」になれているかどうかを確認しましょう。だいたい1ヶ月に1回くらいですかね。

よくある質問としては、ワーキングアグリーメントという手法と何が違うのでしょうか、というものです。DTAとワーキングアグリーメントは似て非なるもので、DTAは「こんなチームにしたいよね、こんな雰囲気創っていきたいよね」ということを語りあうのに対し、ワーキングアグリーメントは、「チームで仕事をする上での約束事」になります。両方あっても良いと思います。

いかがでしたでしょうか?
是非試してみてください。自分たちのチームを自分たちでどんな関係性にしていきたいか語るってなかなかないのではないでしょうか?
少なくとも私は、学生時代はこんなことをしたことがなかったなぁと思います。部活でもクラスでも。今思えば、これを部活でできたらすごい良かったなぁなんて思います。もちろん、職場、会社でも非常に有用です。是非活用してみてくださいね。




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