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思い出したら、春を吸って

風邪が治りました。

数日ぶりに平熱の世界。健康ってこんなにすばらしいのか。春の日差しとありがたみが沁みる。
歩きそうなことが嬉しくて近所を少し散歩した。桜はもう葉桜になり始めていた。
見れてよかった。



五感が息を吹き返した。
猫の通り道。お墓の造花。お地蔵さまのよだれかけが新しい花柄模様になっている。
いろんな鳥の声がする。「鳴き声」と言いたくなる鋭角な音と、「さえずり」と言いたくなる軽やかな音がある。
日差しはぽかぽかというより、じんわり…?立ち止まって肌に陽を浴びると、ちりちりと言う感じもする。
風は少し冷たさを連れて通り過ぎる。
地に足をつけて歩く。思いっきり腕を振ってみる。漫画みたいに大袈裟な伸びをしてみる。
春の匂いは、ぼうっと白く少しかすんでいる感じ。(正確にはまだ鼻が詰まっているけれど)


まだ熱が下がらない頃、安達茉莉子さんの【水が流れだす春のあの感じ】を読んだ。
https://note.com/kashiwashobho/n/n0278ca10cfad

あぁ、人間はひたすら自然の一部なんだと思った。
熱が上がると、生命の危機のため「治癒」に全てが注がれて五感は一時シャットダウンしてしまう。
熱だけでなく、仕事で忙しい時も。何かにイライラしている時も。悲しみに沈み切っている時も。自分が嫌いな時も。誰かを操ろうとする時も。
世界の全てに感覚が閉じてしまう。

「季節や天気を感じたい。」
転職をする時、どんな仕事がしたいか自分に問いかけて箇条書きにした。
PC画面とにらめっこしない職業。
制服がある。
車で30分くらい走りたい。
3ヶ月くらいかけて少しずつ増やしていった。消したものもあった。そこに私は「季節や天気を感じたい」と書いた。

脳みそが喜びたい。自分は自然の一部だって思い出したい。

新しい仕事が来月から始まる。
仕事の合間に外に出よう。漫画みたいな伸びをしよう。
挨拶をしよう。その日の心身の状態によってきっと挨拶は変わる。
自分と人の境界線をきちんと引こう。サクちゃんにもらったヒントで。
少し早めに駐車場に着いて、今日の天気をぼんやり感じよう。仕事終わりは空を見上げて、体全部で仕事を終わらせよう。

新しい場所で、季節や天気を感じて働けるかどうか。
きっと、私の深呼吸も大事な役割を担っている。
さあ何度でも、胸いっぱいに春を吸って。

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