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小景 すい
2020年10月27日 20:47
やるべきことに手をつけられないまま、流しの食器を片付けられぬまま、ふらふらと夜、外に出ることだけは毎日続けている。家より外のほうが言葉を紡ぎやすいから、俯いたまま画面に指を這わせている。暗い夜道は安心する、後ろからわたしを追い抜かすバイク。苦しくないようになら轢いてくれてもよかった。そんなこと言うと本気で悲しむ人間がいる。「誰にも愛されない」とわんわん泣いてたあの頃のほうが、素直に死にたくいられた