「ゴブリンでもわかるゲームプログラミング」第38話 ~読むだけでゲームプログラミングがなんとなくわかるようになる謎のファンタジー小説~

本作は連載作品です。第1話は下記です。
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 岩石の弾丸が無慈悲にルビィに襲い掛かった。

 そして、ズゴォオオンと巨大な音を立てる。

「…………?」

 あれ……?

 ルビィは疑問に思う。

 まだ生きてる……?

 岩石はルビィの横、すれすれを通過し、事なきを得ていた。

「ゴ……?」

 ゴブリンも不思議そうに首を傾げる。
 確実に命中させるつもりであった。

 攻撃する側、される側の違いはあれど、ゴブリンとルビィ二者の感じ方は共通していた。

〝…………おかしい。直前で、弾が少し小さくなったような……〟

 ……

(…………できた…………奇跡だ……)

 ルビィとゴブリンが不思議に思っている最中、一人、感動している者がいた。

 そう……それは、ギリギリの中で、ルビィを救った人物ユキだ。

 彼がこの局面で奇跡的に成功させたこと……

 それはゴブリンの魔法の魔法論理マジック・ロジックの改変である。

 ◆

 ほんの直前の出来事――

 岩の弾丸がルビィに迫っていた。

(やばい……本当にやばい、ピアソンさんが死んでしまう。何か……何かできることは……!?)

 ユキはめちゃくちゃ焦っていた。
 ユキの脳内にCPU使用率があるとすれば、間違いなく100%になっていただろう。

(走って突き飛ばす? いや、間に合わない。魔法で……いや、大して変わらない。ダメだ…………俺にできることは魔法論理マジック・ロジックを改変することしかないんだ……)

「……」

(ってあれ? 魔法論理マジック・ロジックの改変……?)

「…………」

(……だぁあああ、悩んでても仕方ない。やるしかない……!!)

 その瞬間、ユキは自身の防衛を全て投げ捨て、全神経をゴブリンの岩へと集中させる。

(……くそ……いきなりやってできるわけ……だけど、あれは弾がデカいだけのクソ簡単な〝単発デバイス軸ショット〟のはず)

「……!」

 そう思った時……彼の頭の中に流れ込んできた。

////////////////////////////////////////////

time = 0 // 射出時間
interval = 0 // 射出間隔
angle = device.angle // 射出角度
position = device.position //射出位置
size = 100 // 大きさ
power = 300 // 威力
attribute = ROCK // 属性
speed = 20 // 速度
acceleration = 1 // 加速度
 ・・・

////////////////////////////////////////////

(ぎゃぁああああ! size = 100, power = 300とかバケモンかぁああああ!?)

「って、あれ……? あ…………あぁああああ!! 読み取れてるぅう!!」

(うぉおおおおおお!! -マイナス-マイナス-マイナス-マイナスぅううう!! sizeを-マイナスぅううう!!)

 ◆

 いや、間違いない……明らかに岩が小さくなった……
 私でもゴブリンでもない……第三者の作用がなければありえない……でも誰が……? フリー?
 でもフリーは負傷者を移動させてここにはいない。
 となると……

 ルビィはユキの方を見る。
 ユキはなぜか肩で息をして動揺気味である。

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