「ゴブリンでもわかるゲームプログラミング」第31話 ~読むだけでゲームプログラミングがなんとなくわかるようになる謎のファンタジー小説~

本作は連載作品です。第1話は下記です。
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 ユキが連れられてきたのは、野外にある倉庫のような建物であった。

(ひょっとして……)

「ここは倉庫ですー!」

(おぉ……!)

「冷蔵倉庫の試作をするため専用に、断熱素材を駆使して、準備しちゃいましたー!」

「おぉお! すごいです!」

「うむうむ」

 ソレハとオーエスは満足そうだ。

「というわけで、早速、中の視察をしてねー」

「はい」

 ソレハとオーエスに連れられ、アイシャとユキは倉庫の中に入る。

 倉庫の内部は質素なものだ。
 いくつか検証用と思われる食材が置かれているが、それ以外は特に何もない。

 だが、すでに内部は少しひんやりとしている。

「試しにユキくんの魔道具を設置させてもらっていまーす。おかげで、すでに少し涼しいでしょー?」

「そうですね!」

「でも、これだと冷蔵するにはやはり不十分だったんだよねー」

「なるほどです!」

「というわけで、ユキくん、ナイスタイミングだよー! 早速、その〝スプリンクラー式冷却魔法具〟の性能検証をしてみようじゃないかー!」

「はい……!」

 ということで、ソレハがさらっと命名してしまったスプリンクラー式冷却魔法具の冷蔵倉庫における性能検証を行うことにした。
 といってもやることは単純で、魔法具を設置して、しばらく待つだけである。

 アイシャ様はその間、用事があるらしく、どこかへ行ってしまったが、5時間後には戻ってきてくれた。

 そして、再び、倉庫へ戻り、冷却具合の確認を行う。

「「「「おぉおー!」」」」

 四人はそろって口を開けて、小さく感嘆する。

 倉庫に入った瞬間にわかる程に、明らかに冷却性能が向上している。

「素晴らしい……! 素晴らしいぞ、ユキ、ソレハ、オーエス! これだけの容量を冷却できれば、相当な食糧保存が可能だ! 流石にこの一基だけでは十分とはいえないが、量産することができれば、多くの民が救われる!」

「は、はい……」

「全く、君は控えめだな……」

 アイシャは少しだけ呆れるように微笑む。

「…………それにしても少し…………寒いな」

 アイシャは背中を丸めて、その細い腕をこするような仕草をする。

「……少し性能が良すぎたのだろうか」

 などと言っている。

「アイシャ様……氷の魔女なんて呼ばれてるのに、寒がりなんですね」

 ユキは何気なく、そんなことを言う。
 と……

「っっっ……!」

 アイシャは思いのほか、赤面する。

(え……?)

 ユキはアイシャ様のその様子に、焦って、オーエスに耳打ちで確認する。

「アイシャ様って……寒がりなこと気にしてたりするんですか?」

「知るか……俺には……いや、俺じゃなくても、アイシャ様にあんなこと言えん」

(っ……! やば……不敬という奴か……)

「あ、アイシャ様……申し訳……」

「き、気にするな……ちょっと恥ずかしかっただけだ……それより私は君がそんな風に私のことを〝普通に〟扱ってくれることが嬉しい」

「っ……!」

(結果オーライ感があるけど、つくづく無知っていうのは恐ろしいな……気をつけねば……)

 と思うユキであった。

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【あとがき】
ここまでお読みいただき有難うございます。

次話から野外演出になります!

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