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オートファジーと老化の関係が解明か!?

老い」は誰にも平等に訪れるもの。というのが常識ですが、ある物質の制御がその作用を抑えるかもしれない、という夢のような研究成果が発表されました。

要は、
DNAをRNAに転写させる要素の1つから、オートファジーの抑制とそれによる老化作用を抑える仕組みが解明できた、
という話です。

ちょっと分かりにくいので解きほぐしていきます。

まず地球上のあらゆる生命は、「セントラルドグマ」と呼ばれる、

DNA→RNA→アミノ酸→タンパク質

という共通の原理があります。
今回はその初めのステップを促進する物質を指します。

次に、そもそも「オートファジー」とはなにかですが、一言で言うと「自身を分解する作用」のことです。
1960年代にその現象が発表され、1990年代にゲノム解析が進んだことも援用し、日本の大隈教授が仕組みを解明してノーベル賞を受賞しました。

そもそもなぜ「自己分解」するのかですが、初めに見つかったケースでは「栄養飢餓を補填するため」です。
例えが悪いかもしれませんが、アンパンマンが自分の顔を食べるイメージですね。(ちょっと想像すると怖いですが・・・)

飢餓の補填というとピンチの時だけ登場するいけずなヒーローに見えます。が、日常的に栄養を摂取するときも、外部の食物依存だけでなくオートファジー、つまり自身の細胞を新陳代謝して栄養に変えています。
そしてその作用が病気の快復や老化にも影響するのでは?という説は以前からありました。

次に「老化」の定義についてもう少し丁寧に書いておきます。
我々は酸素を吸収してエネルギーに変えますが、それは同時に「酸化」を促す「活性酸素」をわずかに生んでしまいます。
鉄が錆びるのと同じように、体内の細胞も酸化によって劣化してしまい、これがおおまかにいうと「老化」です。

つまり、この「活性酸素」を抑えることで老化を抑えられます。

なんとなく見えてきましたね。

オートファジー(自己分解)がこの活性酸素の抑制に貢献することが徐々に分かってきました。
そして今回の発表は、そんなオートファジーの活躍を阻害する物質を突き止めたというわけです。

ミステリーの謎ときみたいで面白いですね。

ただ、そんないいことばかりに聞こえるオートファジーですがあくまで「応急処置」ですので、やりすぎも禁物です。
特に最近は、オートファジーダイエットと称して「プチ飢餓状態を作る」という話も聞きますが、何事もほどほどがよさそうですね。

オートファジーの仕組みを解明した大隈教授の弟子にあたる方が、生命科学の基本から(科学者からみた)健康方法まで分かりやすく本にしています。ぜひ興味を持った方は閲覧してみてください。

上記書籍の中に、我々が「老化」そして亡くなるという意味について軽く触れています。
要は、長く種を残すために(新陳代謝的な仕組みが)必要だからということです。

個人的にはそれ以外でも、
逆に死なないとしたら、果たして人生を豊かに生き続けられるのか?
おそらく私はどこかで人生に価値を感じなく日がくるんじゃないかなぁと想像してしまいます。

みなさんはいかがでしょう。「不老不死」は欲しいですか?

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