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再注目される代替重力理論:テレパラレル重力が解く宇宙の謎

今の宇宙論は、一般相対性理論とダークマター(暗黒物質)を基にしたモデルが主流の考え方とされています。

ところが、宇宙の観測が進んでいくと、それだとうまく説明できない結果も出てきました。以前にそのテーマにふれた投稿を載せておきます。

ダークマター自体がまだ仮想の物質で、その仮説は今でも複数提示され決定打はありません。以前にその物語についてふれたので、詳細はそちらで。

上記2つの記事でもふれた「修正重力理論」について、過去は傍流だったのが、近年再注目を浴びているという記事を見つけたので紹介します。

ようは、
もう1つの重力理論がハッブル問題の解決に寄与するかもしれない、
というはなしです。

先ほど触れたとおり、今は重力理論として「一般相対性理論」が主流です。
その特徴を一言で言えば、「物質の重力は時空を曲げる」ということです。

良く説明に使われるのが、時空が平坦なシートとし、その上に物質(重力を持つ)を置くと重いほどそのくぼみが大きくなります。このくぼみが時空を曲げるイメージです。

こんな感じです。

Wiki「一般相対性理論」

ただ、ダークマター同様この理論を採用して半世紀たつと、それだけだと説明がつかない奇妙な現象に遭遇します。

「ダークエネルギー」と呼ばれる斥力が宇宙全体に染みわたって加速膨張を引き起こしているという観測結果です。以前にも、未解決の宇宙の謎として取り上げた投稿を載せておきます。

従来理論では、それに宇宙定数を付け加える(これも別の背景でアインシュタインが発端)ことで帳尻を合わせたわけですが、やや後付けの感が否めません。

前振りが長くなりましが、一般相対性理論の代替重力理論である「テレパラレル重力理論」を使えば、これをうまく説明できるかもしれない、というのが今回の発表です。

この代替理論自体は、アインシュタインが自らが1920年代に考案したとされています。

導入背景は、一般相対性理論と電磁気学を融合させる1手段としてでした。アインシュタインが亡くなる直前まで夢見ていた究極理論です。(厳密にはそれ以外もありますが)

一般相対性理論との違いはざっくり書くと、時空は曲がっているのでなく「ゆがんでいる」という舞台設定を変えました。

上記の地球の絵で表現すると、この理論では時空にくぼみは生じません。その代わりに地球(物質)が自転(回転の概念)のような物理属性を持つとし、それが時空を歪めるとします。

単にダークエネルギーを説明できる(宇宙定数を不要にする)だけでなく、以前は万物の理論とも呼ばれた「量子重力理論」とも相性がよいと考えられています。

量子論というミクロな世界では、素粒子は「スピン」という回転に近い属性を持っていると設定されています。過去それについて説明した投稿を参考までに載せておきます。(実際に回転しているわけではないです)

一般相対性理論ではこの「スピン」という概念がなく、代替理論ではそれに相当する概念が入っているというわけです。

もちろんまだ主流に格上げされるまでにはいたっていませんが、歴史的な推移をみると、盛り返しているようです。

数学的に難解なのでその雰囲気しかわかりませんが、いずれにせよそれが宇宙の観測史上最大の謎、そして万物理論にも貢献できると聞くと、今後も追っかけは続けたいと思います。

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