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ネアンデルタール人とホモサピエンスの交雑

人類に近い生物と聞くと、今ならサル、古代ならネアンデルタール人が思い浮かぶと思います。

ネアンデルタール人については、化石をゲノム解析することでその視界が開けてきました。

それが認められた大きな業績は、2022年に史上初めて古代ゲノム解析の研究者がノーベル医学・生理学賞を受賞したことでしょう。過去の投稿を載せておきます。

上記記事の巻末にある参考文献が今回の話題です。

名前の通り、ネアンデルタール人と我々ホモサピエンスは交雑(交配)していたという事実です。

ただ、いつ交雑し始めたのかはまだこの時点ではわかっていませんでした。
それが最近の研究発表(査読前)で明らかにしたようです。

こちらのサイトです。

Science誌のサイト

約4.5億年前の交雑が今の現代人に残っていることがゲノム解析の結果判明した、というはなしです。

基本情報から整理しておきます。

ネアンデルタール人とホモサピエンスは、約50万年前に生物学的に分岐したと考えられています。(それまでは共通の先祖がいた)

前者はユーラシア大陸、後者はアフリカ大陸に集中して居住していたので物理的な接触もなかったようです。(個人的には共通の祖先をもつのになぜ居住地までも分かれたのかは気になります・・・)

その後、我々の祖先は10万年前にアフリカから旅立ち、オセアニア(オーストラリア)含む世界各地へ広がっていきました。

一方でネアンデルタール人は4万年前が発見された最新の化石なので、そのころに絶滅したと考えられています。

ということで、まさに絶滅直前に交雑が栄えていた時期があったことが今回の研究で分かりました。(繰り返しですがまだ査読前論文の内容です)

興味深いのが、遭遇はそれよりはるか前から世界各地であったようです。

となると・・・時間とともに仲良くなって・・・というロマンスがあったのか?それともこの時期に愛情を超えた外発的な事象(絶滅を危惧して子孫を残そうという本能の強化)がおこったのか? このあたりは解明されてませんが、色々と想像をめぐらしてしまいます。

ただ、文中にもありますが、ネアンデルタール人の遺伝子から我々が生存に有利な能力を獲得した可能性もあるそうです。

改めて、この遠い親戚がどんな能力を持っていたのかに思いを馳せてみたいと感じました。

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