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宇宙の倫理を学ぶ機会がやってくる

京都大学がとても面白い募集を募っています。(但し応募期限4/7

要項を見ると、宇宙進出に伴う諸課題に倫理学の知見を用いて取り組む学問分野とのことです。

確かに、これだけ宇宙開発が身近になると、宇宙活動での倫理はもはや他人ごとではないですね。

直近だと、ちょうど月に宇宙デブリ(ごみ)が衝突して話題になりましたが、ごみ問題もその1つです。地球でやったら地域行政・住民からクレームがきますね。

ぱっと思いついたものをあげると、地球外惑星における「所有権」は気になります。どうしても安全保障にもかかわってきますので、早めに整理しておきたいです。

少なくとも、早い者勝ちというルールを敷いてしまうと、争いが避けられないので、地球外では例えばどこかでの国家超越した財団が仕切って事前に取り決めを行うなど、争いが起こらない歯止めが事前に必要かなと思います。

あとは、これから科学技術の発展で、宇宙空間でより高度な実験が行われていき、その倫理的側面も出てくるでしょう。

例えば、遺伝子技術を使った既存の複製または合成的な生物など、宇宙空間で実験をすれば地球上の法律的な縛りがなくやっていい、というのはさすがに首肯する人は少ないと思います。

下記にキケンな新技術が特集されてますが、地球を出ても多くが当てはまるのかなと思います。


そういった、まずは危険防止的な倫理設計が先行して、次が日々の生活における権利に絡む問題かなと思います。

例えば、現時点ではISS(国際宇宙ステーション)はほぼプライバシーがないのだろうと推測します。(これは聞いてみたいですね)

ちょっとここでお勧めですが、日本人初の女性宇宙飛行士向井千秋さんの著書で、宇宙の暮らしに焦点を当てたとても面白い本が出ています。

著書の中でも言及されてますが、これは将来の空想ではなく、今から着手し実行することで、地球上での科学技術・生活への応用もできます。

むしろ、そういったゼロベースで考える過程で、我々が常識と思い込んでいたものがいい意味で壊されてイノベーションを生む機会になりそうです。

因みに、下記によると連続滞在記録はなんと「437日間」だそうです。

記録保持者の宇宙飛行士ワレリー・ポリャコフさんは元々宇宙医学を専攻し、宇宙空間での滞在が人間の体に与える影響について研究していたそうです。
目的は、他の惑星に到着して長期間滞在しても人体に与える影響を調査したかったとのことで、他の方の観察もそうですが、自身で体現しているのは説得力がありますね。

そして間違いなく、身体は精神にも影響を与えますので、これからもこういった研究は進められていくと思います。

実は地球上でも疑似的な実験は行われています。これはNASAとハワイ大学が共同で行った実験で、とある隔離施設で1年以上もプライバシーなしで生活を行いました。

実際の動画もあるので関心のある方は覗いてみてください。少なくとも結果として著しい健康被害はなく、むしろ人類が長期間他の惑星でも心理的な面でトラブルなく活動をできることを証明したようです。

ということで心身はReady Goかもしれず、あとは国家に依存しないルールとしての「宇宙倫理」を導入する日が近いかもしれませんね。

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