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宇宙では筋トレが必須。でもよいことも・・・

こんなニュースが目に留まりました。

ようは、
宇宙滞在経験のある飛行士の地球帰還後の身体測定によると、骨密度が数%減少していることが分かった、
という話です。

なかには今でも戻っていないケースもあるそうで、今後の宇宙有人活動における課題を物語っています。

下記の本で、ちょうど宇宙で滞在するうえでの論点を上手くまとめていましたので、そこからいくつか抜粋したいと思います。

著者の向井千秋さんは、日本人初の女性宇宙飛行士として宇宙滞在を経験したことは覚えている方はまだ多いと思います。
向井氏は元々は医者で、宇宙飛行士を退官した今では、東京理科大学特任副学長 兼 スペース・コロニー研究センター長として活躍しています。
上記の書籍の中で、有人宇宙活動において考慮すべき影響をまとめているので引用します。

1.無重力:骨量の現象、筋肉の減少、循環機能の変化
2.地場:影響なし
3.真空:与圧空間(宇宙服など)が必要
4.大気組成:宇宙機システム、宇宙服表面の浸食
5.宇宙放射線:放射線被ばくの蓄積、DNAの損傷
6.広い視野:天体観測、宇宙通信において好条件
7.軌道上温度環境:キャビン、宇宙服の温度制御が必要
8.宇宙残滓(ざんし):衝突エネルギーの衝突、または回避操作が必要
9.閉鎖環境:健康状態のモニタ、セラピー、クスリの服用などが必要

出所:上記書籍

今回は、1にあたりますが、結構課題山積ですね。個人的に付け加えたいのが、9に相当するかもしれませんが、閉鎖空間による精神的な負担です。

で、今回は1についてですが、まず「筋トレ」は宇宙滞在で必須です。
ただ、無重力空間でどのように筋トレを行うのか、素朴な疑問が湧いてきますよね。

これについては、過去に宇宙を経験した星出宇宙飛行士が、日経ヘルス系のインタビューで答えています。

やはりISS内に特殊な仕掛けを用意しているようで、しかも帰還してもやはりリハビリ期間があるんですね。

若田宇宙飛行士の実際のトレーニング風景もYoutube公式チャンネルで見ることもできます。筋肉を見る限り負担は確かにかかってるようですね。

このようにつらつらと書くと、宇宙に行くのって大変だなぁ、だけで終わりそうですが、そんなことはなく逆に役得(?)もあります。

同じく宇宙飛行士の金井宣茂氏が、意外に「癒しスポット」なISS体験記を教えてくれています。

毎日2時間のトレーニング時間が意外にISSでは苦痛にならないのと、なによりも(無重力で)体内の血の巡りがよくなることで、「肩こり」が解消されるのはとてもマイポイントは高いです。

肩こりに悩んでいる人は多そうなので、いつか気軽に宇宙空間に行ける日が来たら、ワーケーション先の候補として挙げられそうです☺

最後に、途中で引用した向井氏著書での好きな個所を引用して締めたいと思います。

宇宙において定常的な居住を実現しようとするとき、我々は様々な社会の要素を、まったくのゼロから作り上げる自由を与えられることになります。そのときによりよい社会を作ることが出来るとすれば、人類がより良いものに進化するチャンスを与えられているとも考えられます。

出所:上記著書

単に宇宙活動だけに閉鎖的にとらえるのではなく、地上での我々の営みとも相互影響のあるチャレンジだと思います。

ぜひ地上でも宇宙でも、人類全員が明るく笑顔で生活できる日が来ることを願っています。

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