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科学者が月面にもっていきたいものは?

4月20日に行われたSpaceXの次世代宇宙船Starship軌道テストは、打ち上げ後の切り離しがうまくいかなかったようです。

私もLIVEで見てましたが、公式Youtubeチャンネルだけで160万名(!)が視聴しており、ちょっとした世界規模のイベントでした。

Starshipについては過去にもふれましたので、基本情報は割愛します。

上記で最後に触れた用途の1つに、月面輸送(無人・有人)があります。

月面は今までNASAをはじめとする無人探査機が送られています。
2023年では、玩具で有名な日本のTAKARAが、JAXAと開発した探査ロボットが市販モデルを発表して話題になりました。

実は月面探査車以外で、月面にあったらいいなと科学者が願っているものがあります。

天文台、言い換えると月面での望遠鏡の設置です。日本のJAXAも企画はしています。

元々JWST(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)を打ち上げたのは、地上だと大気や熱などの雑音があったからです。

シンプルに言えば、月面ではそれらが取り除けます。

大気はほぼないに等しく、電波も月の裏側ではほぼ地球からのノイズは届きません。(ただ、言い方を変えると通信が困難なので月の裏側に到着するのは難易度が高かったともいえます)

熱についてですが、JWSTでは太陽からのそれを防ぐため「日傘」を設けたのはよく知られています。

月面上は、日なたで約127℃、日陰ではマイナス173℃という極端な温度環境です。
ずっと日陰な場所におけば?と思うかもしれませんが、ここまで低いと観測機器管理が大変です。たまにでも人が行くとなったら長居も出来そうになりです。

これは、天文観測だけでなく月面での人類滞在共通の課題です。

実は1つ有力な場所があります。「穴」です。

上記記事にあるとおり、JAXAの衛星「KAGUYA」によって最初の穴が発見され、今では数百が見つかっています。

これらを総合すると、何となく設置と運用への希望がみえてきました。

最後に残るのは、やはりエネルギー補給問題です。(少なとも撮像したものを地球に送る必要があるのでエネルギーは常に必要)

太陽光エネルギーだけに依存するのは少々リスクがある気がします。

前回、火星を目指すStarshipは(現地調達可能性のある)メタンを採用することで、持続可能性を見出だした、という話をしました。

月ではエネルギー現地調達ができないでしょうか?

実は、元SpaceXシニアエンジニアが起業し、その「水」を動力源とした宇宙船を開発中です。

現時点では、2024年テスト飛行、2025商用開始となっています。

月面への輸送・設置・運用、あとは人類の長期滞在のパーツが徐々に増えてきました。

そして米国時間4月25日(日本時間4月26日1:40)には、日本の宇宙ベンチャーispaceによる月面輸送船HAKUTO-Rが、民間で初となる月面着陸の予定となっています。

今回もLIVEでかじりつきながら、地上から成功の念を送りたいと思います。

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