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《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.58

課題6:令和の静岡県につけるキャッチコピー
・シズる?

第11回SCCしずおかコピー大賞は、応募作品を絶賛募集中です! 静岡県の在住者や県外在住でもお仕事や通学で通っている方なら、年齢性別問わず応募いただけます。vol.57まで読んで『ちょろいゼ!』(笑)と思ったのなら、大賞狙いでぜひご応募ください。

新型コロナウイルス感染症によってパラダイムシフトした2020年。2019年のコピーを読み込むほど、去年はよかったな〜と思ってしまいます。ファイナルに残ったコピーも伸びやか。今回も懐かしみ半分で批評をしていきます。

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「シズル(sizzle)」というマーケティング(広告)用語があります。私が人伝てに聞いたところでは、アメリカで定義されたコトバで、肉を鉄板で焼いた時の音(日本人ならジュージューですが、アメリカ人はシズルシズルと聞こえるとか)で、その時に出る煙や匂い、肉汁を滴らせている描写、等といったシーンの構成要素を指すコトバだそうで、実際の仕事でも商品への注意喚起を促す指示のときに「シズル感を出す」といった感じで使われたりしています。

また、シズルを文字変換すると「静流」という単語が出てきます。「静岡の流儀」というようにも読めるこの単語は、辞書の見出し語にはないが、静岡県内では趣味とか何かの集まりのチーム名につけられることもある時々目にするコトバでもあります。

そして、検索エンジンを頼れば、全国的な分布で「静流」という居酒屋の店名が複数出てくる。美味しい様子や料理の旨さで惹きつけることを願かけして「静流(しずる)」という読みの店名にしたのではないかと推測するのは、私だけではないだろう。

この作品『シズる?』は、タピオカを飲むことを促す「タピる」をコトバの源泉にした「静岡する」=『シズる』と「シズル」をかけた駄洒落です。(またか、、。汗)でも、この駄洒落はたったの4文字で、令和を機に通過されるだけの県から、日本、いや世界で流行するような引きのある県になる「悲願」を表現しています。

で、結局、このコピーは「令和の静岡県」につけるのにふさわしいのか?! と聞かれれば、力不足だと言わざるをえません。

なぜなら、昭和から平成のときも同じようなことを考えて口走った人と耳にした人は、静岡県の広告業界でなら(メジャーな用語でもあったため)何人もいただろうと思えるからです。この意味で、二番煎じのような古さや定型句のような感じはぬぐいきれなかったと思いますが、いかがでしょうか。

厳しいことを書いてきましたが、このコピーの長所、4文字という短さはやはり力があります。ここまで読み進めていただいた方なら、『シズる?』という音は憶えてしまったのではないでしょうか。この短さ・憶えやすさという点だけは、ファイナリストにふさわしい作品として評価したいと思います。


※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。(第11回SCCしずおかコピー大賞のご応募も受付中!)
https://shizuokacc.com/award/



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