未来に確実に訪れる「今」に備える広報
大手マンションメーカー広報15年、地方の小さなPR会社経営16年のPRプランナーが中小企業の広報PRに役立つ情報を発信しています。
■林先生の「今でしょ!」にメディアが反応した理由
「いつやるの?今でしょ!」は数年前、予備校のCMをきっかけに流行語となった林修先生のセリフですね。
このセリフはテレビ番組のタイトルに使われ、ご本人もタレントとして引っ張りだことなっています。なぜマスメディアが林先生の「今でしょ!」にこれほど反応したのか?
それはマスメディア、特にテレビの制作者の誰もがみな、「今」という言葉にものすごく敏感だからです。たとえば、関西テレビの「番組制作ガイドライン」には「今」について次のように書かれています。
(テレビからは)番組が市民の日常生活の「今」に次々と送り込まれています。だからこそ、テレビ番組を企画、制作していくときには(中略)「今」、すなわち社会問題、世間の風潮、時代の趨勢、メディアの現在に常に目配りしておかなければなりません。(中略)「今なぜこの企画を出すのか、この番組を作るのか」という問いへの答えを常に持っていなければなりません。まさに企画者(もしくは制作者)自身の「今」の立ち位置を問われているといっても過言ではありません。
テレビでは報道番組であれ情報・バラエティ番組であれ、ドラマであれ、制作者は常に「なぜ今、○○なのか」を自問自答しながら企画し、制作を進めています。
「今」は「旬」や「賞味期限」という意味あいも含まれます。食料品なら、「旬」を過ぎた商品も値下げすれば在庫一掃できますが、テレビ番組の枠は限られていて、格安で販売するスペースがありません。
ですから、「旬」や「賞味期限」を過ぎた話題や情報は、持ち越しはなく順次廃棄処分されていくのです。
■制作者たちの「今」の重みを理解しよう
企業の広報担当者が、テレビで自社の話題を紹介してもらいたいと考えるときには、制作者たちの心に宿る「今」の重みを理解しなくてはなりません。
つまり、新商品やイベントのプレスリリースを提供するときも、「視聴者にとってなぜ今、この情報が必要なのか」を明確に示すことや、ベストタイミングにオンエアが間に合うように配慮すること。そうすれば制作者は安心してそのネタを取材し、番組内で取り上げることが可能になります。
「○月○日に商品を発売するので、その直前に番組で紹介してほしい」などと、企業側の都合だけでネタを流しても、テレビが求める「今取り上げるべき旬の情報」でなければ見向きもされないわけです。
■将来のニュースに自社を関連づける
そんな、旬の情報をタイムリーにメディアに届けるには、企業活動の動きが一般のニュースよりも前倒しで行われていなければなりません。
「アフターコロナ」、「旅行需要回復」、「ジェンダーフリー」、「電気自動車の普及」・・・。今後メディアで取り上げられる話題の多くは、「今」に敏感な人なら事前に予測し得ることです。
これから先、何がニュースになるのか。自社の商品・サービスの情報をそれらの話題に関連付けることはできないか。企業は、未来に確実に訪れる「今」に備えて、商品企画や話題作りを考える必要があるのです。
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