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枡田の1日

今まで全く考えていなかったトピックですが、僕の一日についてご質問があったので今回はこのトピックについて述べてみたいと思います。自分の私生活についてお話しする事ほど烏滸がましく思う事はありませんし、決してその様にお話しするような立場の人間と思っていませんが、今回のお話は「何処でインスピレーションを受けているのか?」など、不動産事業の中で差別化を図りプロジェクトを成功していく要因(私が大事にしている事)について触れてみたいと思います。どうかお付き合いください。
 
僕は離婚者で2人の娘がいる事は今までにもお話ししています。上の娘は日本で大学生です。下の娘はカナダの中学校に通っており、金曜日から月曜日の朝学校へ送り出すまで、下の娘と毎週一緒に過ごしています。また毎月のロングウィークエンドは一緒で、その他のお休みは半分の時間を一緒に過ごしています。よって、バンクーバーで実質仕事(生活)しているのは月曜日の午後から金曜日の朝までになります。オフィスへの出勤も火水木曜日に限られてしまう為、現地密着型の不動産業では困難な場合もあります。
 
その様な中、僕のバンクーバーでの一日は朝5時過ぎに起き、家で「神棚」に手を合わせて、6時から30分ほどオフィス近くのジムで泳ぐ様にしています。神棚と言ってもお天道様の方向に手を合わせ感謝の意を表明するだけですので、大きな事ではありません。でも、やはり全ては気(思い)から始まると思っているので、毎日自分の想いを言葉に示す事は、行動に移す最初の一歩だと思っています。
 
水泳は30分弱で約1kmなので、決して多い量ではありません。この日々の運動が朝の精神統一になっていて、ストレス発散で無心になったり、若しくは考える時間になっています。カナダ人を含めた西海岸の人々は早朝型が多く、6時の開店時からプールは一杯でコース取り競争になる事もしばしばです。でも逆に毎朝の友達ができ、そこから新しい別業種のトップ達とネットワークの構築が出来ています。
 
オフィスには7時過ぎに入る様にしていますが、早朝会の友人達とコーヒーなどを飲んで雑談する事もあり、年配のメンバーからは人材紹介やアドバイスも求められるので、とても有難く思います。もちろん、出社時間が早い分、6時半には遅くとも退社します。
 
話が進んでしまいますが、食事も10時ごろにお腹が空いた時、朝昼兼用に食べたいものを食べたいだけ食べるようにしています。好きに食べたい物を食べる事で、幸せ感も一杯になるので、一石数鳥のお得感を得ています。ただその分、夕食は野菜とお魚かお肉を食べる様にしています。お酒を含めた炭水化物は飲みたい時には摂りますが、多分学生時代に飲みすぎたので今はそんな欲求がないですね。でもやはり日本へ行くと飲んでしまうので、出張中朝走ってても必ず太って帰って来ます(笑)
 
さて仕事ですが。。。朝はとにかくメジャーな新聞に目を通しています。VancouverSun(新聞)、Wall Street Journal(新聞)、Seattle Times(新聞)を始め現地ビジネス専門新聞に目を通す様にしています。但し全ての記事を読むのではなく、必要や興味に応じて斜め読みしたり、熟読する様にしています。ここでは情報収集だけでなく、異業種や他地域での出来事からの自分の業界への影響度やマクロ経済の変化を察するのが目的です。経済予測も具体的に「いつ?」「どのくらい」ではなく、「いつ頃」、「どんな感じ」で起こり、「結果どう言うアウトカムになるか?」を重要視しています。また違う報道で同じ記事を読み、見方の違いやニュアンスの違いを見て、そこからも政治的影響や要因を探ろうとしています。そしてこれら予測に基づいて将来の投資戦略を立てています。
 
僕の仕事は不動産投資ですが、政治的要因やマクロ経済の流れは不動産業界を大きく左右させる為、また小さな企業が生き残る為にも独自の戦略を打つのは必須と考えている為、制限せず目を通す様にしています。昔、僕のゴッドファーザー(映画と同じ意味で、親に代わる親という意味です)であるイギリス女王様に仕えた弁護士から、「情報は詳細まで読む必要はない。そこまでの経緯を理解し、その後を予測しろ」と教えられました。これはもっともだと思います。新聞などの情報は営業トークにもなりますが、それもお門違いだと思います。自分の情報は武器で独占したい資産です。営業トークに使うには勿体なさ過ぎます。
 
僕の具体的な仕事は「考える事です」。なので、できるだけ時間を空けています。給料泥棒と言われそうですが、現状を把握し、今後の流れを予測して、10年後の自分達の姿を考え、それに対して準備し、今日の活動を実行します。もちろん10年後は具体的なプランは立てられません。でも、既に自分の人生計画(夢や「大人になったらしたい事」)は持っているので、その地点に辿り着く為のプラニングになります。現在の財務や人材から、自分達に必要な人材やそれまでに達成必要項目などを描きます。
 
不動産に於いても条件が合わない事が多く、その様な場合には時間だけが過ぎていく感じになります。物件を買わなければ所持金が減る一方なので、めちゃくちゃ焦ります。だからこそ、日々の精神統一や運動からのストレス発散は大事な事だと思います。そして深く考え過ぎない事です。
 
僕は「仕事人間」は間違った生き方だと思っています。前職のAMB Property(現Prologis)では毎週90時間から100時間働いていました。真面目に働き、凄く楽しく、脂が乗っていた時期だったので、苦にもなりませんでした。でもサラリーマンであったせいもあり、やっつけ仕事も多く、その日単位で生きていた感じです。知識や経験は多く身に付きましたが、今振り返ってみれば、時間ばかり経ってしまう人生だったと思います。だからこそ、ワークライフバランス(バランスの限度も大切)で朝から運動し、企業の長期資産になる人材である事を肝に銘じています。
 
「インスピレーションの源」や「プロジェクトの差別化要因の取得方法」については、肌で感じ続ける事だと思います。よって、密法は存在しないと思います。強いて言うならば、「興味を持つ」事だと思います。興味があれば、精神が揺すぶられ、物事が気になる様になります。気になると、常に考えたり、色々なものが「視界」に入ってきます。そうすると、知らないうちに、見ているものの成功性や成功の秘訣を考える様になり、それが自分の差別化戦略になる訳です。

不動産では、多くのデザインや建物を見ています。数見る事で、成功している物件のデザインやトレンドが把握できてきます。そうすると人が何を求め、どの様に提供すると受け入れられ易いかが把握できる様になります。僕の中では不動産も口紅も同じだと思っています。最終的には人間心理で「いかに人々の感性を揺さぶるか?」ではないでしょうか?感性が揺さぶられると、その口紅が自分を綺麗に演出してくれると思う様になるし、その物件が仕事を捗らさせ、自分達の価値観やブランドの後押しをしてくれると思える様になると思います。よって、必要不可欠な存在になるのです。
 
不動産も口紅も結局は使って頂く物です。ですから使って貰わなくては価値が現れません。ですから、「差別化」と言っても、自分が作りたいものを作るのではなく、ユーザー(消費者)が求めている物(もしくは求めていると言うことをまだ知らないもの)を違う角度から提供すると言う事です。これには念入りな人間観察と感性が必要になります。でもこれは一部の人だけに与えられた、神技ではありません。感性を研ぎ込んで、心に正直になる事です。本心からくるものには本質が現れると思います。
 
僕は目先ではなく、辿り着きたい地点での自分像を常に追っています。そこから現在位置へ巻き戻して、今必要な事を行う様にしています。そして、その都度、微調整を行います。
 
僕もまだ53歳で、会社は小さく辿り着く所はまだまだ先です。よって、学ぶ事や実行しなくてはいけない事は山積みです。しかし、「ローマ帝国一夜にしてならず」を肝に銘じ、自分を信じ正直にお天道様の陽を浴びながら前進していきます。
 
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治


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