短編 ネクタイ
夏の旅行。
彼女にサプライズを一つ用意していた。
それは赤いネクタイ。
旅行に行く少し前に、昇進した君へのお祝い。
仕事中ネクタイをつけていて、仕事中のネクタイは決まりがあるかと聞いたら、少し可愛くても問題ないと言っていた。
彼女の持ち物にあったものがいいなと思い、赤にした。
そして旅行当日にホテルで渡した。
そのネクタイを仕事中付けてるところを考えて送って、彼女にはピッタリの色だと、それを手にした所を見つめていた。
ただそのネクタイを巻いている所は見ることはなかった。
この前スーツを新調のため足を運ぶとそこには多くのネクタイがあった。
だけど全てが色褪せて見える。
自分の知ってる赤には到底及ばない赤がそこにはあった。
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