koivu

1990年生まれ。会社員。一児の母。こだわりはないけれど、コーヒーとお茶が好き。

koivu

1990年生まれ。会社員。一児の母。こだわりはないけれど、コーヒーとお茶が好き。

マガジン

  • 本のはなしをしよう

    読書感想や本にまつわるあれこれの話

最近の記事

『悪童日記』三部作 私たちは何故書くのか

ここ半年くらいで読んだ本に、立て続けに同じ小説のタイトルが出てきた。アゴダ・クリストフの『悪童日記』である。 『漁港の肉子ちゃん』西加奈子 『読書間奏文』藤崎彩織 『ロードムービー』辻村深月 こんな偶然ってある? なので、図書館で借りて読んだ。『悪童日記』自体、インパクトのある内容だったのだけど、その終わり方が「え?なんで?」という感じで、私はそこに全部持って行かれてしまった。すると、実はこのお話は三部作で、続きがあるというじゃないか。続き、読むしかないでしょ。 三作全て

    • 「コーチング」の本を読んだ

      普段読書といえば小説なのですが。仕事で受けてる研修の課題図書だったので、読みました。 「コーチング入門」本間正人・松瀬理保著 ここ1,2年くらいのうちに「マネージメント研修」とか「キャリア支援研修」とかを受ける機会が何度かあったのだけど、そこでも似たような話を聞いたなぁ、と思いながら読んだ。「傾聴」や「承認のスキル」の話。聞いた時はふむふむ、と思うのだけど、実際日々のあれこれに追われてすぐ忘れてしまって、しかもそう言う対応って自分に余裕がないと出来ないよね?でも言いたいこ

      • どこでも住めるとしたら、ハウルの動く城に住みたい

        もう応募期間は過ぎていたが、投稿コンテストの「#どこでも住めるとしたら」というテーマに惹かれたので勝手に書いてみたいと思う。 30代、周りでは家を購入する先輩や友人がチラホラ現れ始め、自分の「家」を持つことに対する関心が強くなってきた。けれども、うちは仕事柄夫婦揃って基本的に転勤族で、大体同じところで仕事してるのは2〜5年程度。仕事内容に場所が密接に関わってくるためだ。けれどもけれども、子どもが小学校に上がったら転校しないで高校くらいまでは卒業させたい。となると、仕事内容を

        • 「いってらっしゃいのその後で」 家族 と 私

          ツルリンゴスターさんの「いってらっしゃいのその後で」は、夫と3人の子供達との日常を描いたコミックエッセイだ。もともと育児アプリやSNSでツルリンゴスターさんの作品を読んでいてとても好きだったので、書籍化と聞いてAmazonで予約購入した。書籍には、SNS等ではあまり描かれていなかったツルリンゴスターさん自身のお話も描かれていて、私は益々この人が好きになった。購入してからもう既に何度か読み返したこの作品の好きなところをいくつか挙げてみたいと思う。 まず、ツルリンゴスターさんの

        『悪童日記』三部作 私たちは何故書くのか

        • 「コーチング」の本を読んだ

        • どこでも住めるとしたら、ハウルの動く城に住みたい

        • 「いってらっしゃいのその後で」 家族 と 私

        マガジン

        • 本のはなしをしよう
          10本

        記事

          本の読み方は様々

          6年前結婚したばかりの頃、私は「読書」というと、なんとなく、新しい本を読むことだと思っていた。いや、そもそも読む量がそれなりに多かった学生時代には、気に入った本は購入して、手元に置いて読み返したりもしてたのだけど、社会人になってそもそもあまり本を読まなくなってから、どこかで「読書」は新しい本を読むことだと思っていた。慌ただしい毎日の中で、一度読んだ本をもう一度読むなんて時間が勿体無い、と思っていたのかもしれない。 ところが、私の夫は同じ本を何度も読む。BOOKOFFで購入し

          本の読み方は様々

          「スイートソロウ」 懐かしくて切ない、誰かの物語

          持田あきさんの女性漫画「スイートソロウ」は、伝言にまつわるオムニバス(全3巻)。東京へ片道3時間10分の街を舞台にそれぞれの人間ドラマが重なり合うー。 「スイートソロウ」は「切ない」に当たる言葉で、シェイクスピアが使用したことで有名だとか。そもそも日本語の「切ない」を直訳する英語はないらしい。知りませんでした。 ところで、この「スイートソロウ」と「伝言」ってすごい相性じゃないか!?「伝言」が「切なさ」を増幅させるというか、「切なさ」が「伝言」を際立たせるというか… 各話、セ

          「スイートソロウ」 懐かしくて切ない、誰かの物語

          「夏物語」 子供を産み育てるということ

          川上未映子さんの「夏物語」を読んだのは、育児休暇中だった。中々寝ない0歳の娘を抱っこ紐で抱っこして、ゆらゆら寝かしつけながら読んでいたのだ。 ーーーーーーーーーーーーーー 処女作のあと中々次の作品を書けないまま東京で一人暮らしする作家の夏子は、30代後半に差し掛かり、自分の子供に会いたい、と思うようになる。しかし、彼女は恋人もおらず、結婚したいというわけでもない。ただ、「自分の子供」が欲しいのだ。そんな中、精子提供で生まれ、父親を探す逢沢という男性に出会う。 ーーーーー

          「夏物語」 子供を産み育てるということ

          「夏の王」 夢か現か、妖精の世界

          O.R.メリング氏の「夏の王」は、ケルト神話を下敷きにしたファンタジー。中学生くらいの時に初めて読んで、今でもたまに読み返す大好きな作品です。 ーーーーーーーーーーーーーー 妖精を信じる少女オナーは、祖父母の住むアイルランドで事故死した。彼女の死に責任を感じる双子の姉・ローレルが1年後、再びアイルランドを訪れると、妖精が現れ、こう告げる。「オナーの魂は今、現実世界と妖精世界の狭間で眠っており、ローレルがオナーの代わりに使命を果たしたとき、彼女の魂は妖精世界に迎えられるのだ。

          「夏の王」 夢か現か、妖精の世界

          憧れの本棚のある家

          小中学生の頃、学校の図書館は好きな場所のひとつだった。市の図書館も好き。高校生・大学生くらいになると、図書館も良いけど、本屋さんで本を見るのも楽しい。ずーっといられる空間。 そして、読んで気に入った本は、お金を貯めて自分で買って、自分の本棚に並べておく。いつでも好きな時に読めるし、読まなくたって本棚に並んでるだけでなんだかちょっと嬉しい。 年を重ねて、そもそも本を読む時間は減ったし、買う本は文庫本ばかりになったけれど、昔買った本は今も大事に持っていて、たまに読み返したりす

          憧れの本棚のある家

          「旅をする木」 星野道夫さんとの出会い

          写真家の星野道夫さんといえば、カリブーやホッキョクグマ、クジラなどのアラスカの自然を優しい視点で撮った写真が有名である。以前、他の写真家の方が撮ったアラスカの自然の写真を見て、その荒々しさに驚いたことがある。星野さんの写真は厳しい自然を撮りながらも、どこか優しく、命の一瞬の輝きのようなものを捉えているような煌めきがある。それは、星野さんのエッセイを読んでもわかるように、彼自身の人となりからくる視点なのだろうと思う。 そう、星野道夫さんといえば写真家なのである。が、私は彼のエ

          「旅をする木」 星野道夫さんとの出会い