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華守樹 (かずき)
2020年1月11日 21:40
俺は、冷えた麦茶をグラスに三杯も飲み干したところだ。 借り物の氷枕を首に当てると気持ちがよくて、やはり体温が異常に上がっていたらしいとやっと自覚していた。 熱中症になりかけて山中でへたり込んでいた俺を、家にまで連れ帰って介抱してくれた親切な男の名は、森川。年は五十手前だろうが、こんな山奥の空気の綺麗なところに住んでいるせいか、やけに若々しく色つやがいい。 こんな深い森に迷い込んだ俺も俺だが