阪田晃一 Koichi Sakata

キャンプディレクター 神戸YMCA余島野外活動センター所長/Camping Servi…

阪田晃一 Koichi Sakata

キャンプディレクター 神戸YMCA余島野外活動センター所長/Camping Service Center チーフディレクター。 キャンプを通じた教育を行っています。瀬戸内海の「余島」に滞在。https://yoshima-influencers.work/koichisakata

マガジン

  • YMCAキャンプ100年<1920-2020>

    1920年、六甲山麓で最初のキャンプが行われました。大阪YMCAが少年たちのために試みた、松林の中での2週間の簡易天幕生活キャンプで、これが日本における最初のキャンプとされています。 2020年、YMCAはキャンプ100年を迎えます。 キャンプ第2世紀に向けて、キャンプ体験の素晴らしさを伝え、その価値と願いを次の100年へ受け継いで行きます

  • キャンプ場で考えている色々なこと

  • 神戸とYMCA100年

  • Camp Counseling

    現在の日本のサマーキャンプの源流は、北米で始まった Organized Campです。 特に戦後、日本のサマーキャンプは独自の発展を遂げますが、それは必ずしも発展と言えるものではありませんでした。このマガジンでは、1950年より版を重ね、現在は第8版まで更新されている Camp Counseling を紐解き、キャンプの本質に迫ります。

最近の記事

連載 YMCAキャンプ100 #02 キャンピングの目的と教育的価値

1920年、六甲山の山麓で始まったとされるYMCAキャンプは、 今年で100周年を迎えます。 連載#01 Founding Fathers 連載#02 キャンピングの目的と教育的価値 日本人の生活に、最も緊要なものは何かと言うならば、それは社会性の欠陥である。問題は吾々日本人に、協同的な自治生活、或いは協同的な動作を成す機会が乏しいから、上述のような諸点は、キャンピングによって、青少年学生の頭脳に、根強く植え付けなくてはならない。                   ーキ

    • 連載 YMCAキャンプ100年 #01 Founding Fathers

      1920年、六甲山の山麓で始まったとされるYMCAキャンプは、 今年で100周年を迎えます。 連載#01 Founding Fathers “この三十年間に、日本における組織的な夏期キャンプは、施設に於いても、指導の方面でも非常に発展して来た。戦前には、多くの少年少女が夏になると盛んにリュックをかついでキャンプに出かけたものである。” 手元に、古ぼけた一冊の本がある。 Russell L. Durginによって書かれたこの序文の冒頭には、計り知れない歴史が含まれている

      • 『神戸とYMCA100年』を読む #01戦前・戦後のYMCAと、私たちがまだまだ取り組んでいないこと

        「青年にあたたかい握手を」 神戸YMCAの初代理事長である村松が、ニューヨークのYMCAで受けた感銘が、神戸YMCAを産んだ。  1986年に執筆された「神戸とYMCA百年」は、戦前、戦後のYMCAの変遷を知る上で優れた書物であり、今だからこそ読み解きたい。 #01は#00から続き「緒言」の解説を続ける。 時は明治。 近代化が始まる過程で、日本のYMCAは始まった。 1886年、ニューヨークから帰国した村松は神戸にYMCAを興す(#00)。 いわば、日本のYMCA

        • 『神戸とYMCA100年』を読む #00「青年にあたたかい握手を」- 私たちの原点

          神戸YMCA、神戸キリスト教青年会は1886年(明治19年)に設立された。 緒 言  村松吉太郎は貿易商であったが、輸入は取り扱わず、岡山の花むしろなどを主として輸出していた。  ある日、ニューヨークのリバーサイド教会の入り口で立派な紳士に肩をたたかれた。「もし、ニューヨークで友達がいないなら、ここをたずねてごらんなさい」。紳士が紹介してくれたところこそYMCAであった。 時は明治。 一人の実業家の物語だ。 村松はのちに、神戸YMCA初代理事長になる。  親切な主事た

        連載 YMCAキャンプ100 #02 キャンピングの目的と教育的価値

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        • YMCAキャンプ100年<1920-2020>
          2本
        • キャンプ場で考えている色々なこと
          2本
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          2本
        • Camp Counseling
          1本

        記事

          キャンプ場で考える戦争のこと #01 終戦の日に、荒れ狂う台風が洗い出してくれたもの

          「戦後民主主義教育の実践」の場として、余島キャンプ場はスタートした。 おそらくまだ戦争の色が強く残った1949年、余島キャンプ場はプレキャンプを実施する。 そして翌年の1950年キャンプ場開設から現在までずっと、キャンプが続いている。 日本では、YMCAが1920年に、現在のサマーキャンプの原型となるキャンプをスタートしたとされている。 「青少年の生活そのものは、教育的に指導することができれば、教育上これほど望ましいことはない。夏季における長期キャンプは、これがために

          キャンプ場で考える戦争のこと #01 終戦の日に、荒れ狂う台風が洗い出してくれたもの

          キャンプ場で考える多様性のこと「仕事の話だけしていればいい」

          「仕事の話だけしていればいい」 こう言われると、どんな印象を受けるだろうか。 「なにか冷たいな」 と思った方は、とても共感性の高い方かもしれない。 今日参加したアカデミーで、ひきこもりの方に「工場」を作り、働く場を提供して、ビジネスを展開している方々に出会った。 「人に合わせた働き方を作るには」と題されたディスカッションには、実に多くのヒントがあった。 世の中には様々なコミュニティがあるが、仕事のコミュニティは共通の話題が「仕事」であるため、過去のことやプライベート

          キャンプ場で考える多様性のこと「仕事の話だけしていればいい」

          Camp Counseling #01 教育としてのキャンプ

          オーガナイズされたキャンプは、多くの教育的な要素を提供する。 すべての教育の目標は、人々を幸福で、健康で、健全な、社会に貢献しようとする人間に発展させることである。 残念なことに多くの人は、教育を教室の中で行われるものだと限定している。 しかし、起きてから寝るまでに起こるすべての体験も、教育の一部なのである。 学びとは生涯続くプロセスである。 年齢や場所を問わない。 しかしながら、学びは伝統的に子どもと若者の学校システムに紐づけて考えられる。 もちろん学校教育も大切

          Camp Counseling #01 教育としてのキャンプ

          Camp Counseling #00

          キャンプカウンセリングとは何か?『キャンプカウンセング』は、戦後日本の組織キャンプの始まりから少し遅れて日本に翻訳され、多くの指導者に読まれた。 それから版を重ね、第八版が2012年に Karla HendersonとJoel Meierによって出版された。 To A. Viola Mitchell (1904-1984) Who provided inspiration, ideas and sage advice to legions of aspiring cam

          Camp Counseling #00