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Camp Counseling #01 教育としてのキャンプ

オーガナイズされたキャンプは、多くの教育的な要素を提供する。
すべての教育の目標は、人々を幸福で、健康で、健全な、社会に貢献しようとする人間に発展させることである。

残念なことに多くの人は、教育を教室の中で行われるものだと限定している。

しかし、起きてから寝るまでに起こるすべての体験も、教育の一部なのである。

学びとは生涯続くプロセスである。
年齢や場所を問わない。

しかしながら、学びは伝統的に子どもと若者の学校システムに紐づけて考えられる。

もちろん学校教育も大切であるが、キャンプは自然の中での体験を若者に150年以上も提供したきた歴史がある。

初期のキャンプは学校教育を補完する要素として始まり、若者に自然に触れる機会や体を動かすこと、遊び、それに冒険的要素を提供してきた。

しかし人々は、本や数字にスマートでなければならず、伝統的に学術的とはされない立ち振る舞い、技術、好みや理解力なども習得しなければならなかった。

子供だけでなく大人も、多角的な知性を持つべきとされ、それには健康にも気をつけ、音楽や文化にも精通し、賢い人間であり、自然や自己にもスマートであるべきとされた。(Louv, 2005)

とても良く運営されたキャンプは、教育的で価値があるにも関わらず、学びが楽しさに変わっている。

良いキャンプは、それまでに他の様々な環境要因によってすでに教え込まれた価値を強化し、
キャンパーにとって、キャンプ場でも日常の生活でもさらに意味のある新しい価値を教えるために、そのユニークな環境を強みとして用意している。

HowardとHoward(2005)は、キャンプはどのようにしてそのユニークな環境を、創造性や多様性の発展に用いるべきか教えている。

彼らは、キャンプの教育的可能性を最大限に引き出すために4つのステップを提案している:

1. キャンプとはまず、ユニークな教育(機関)なのだということを強く意識する

2. なぜいま若者(子ども)の教育が急務なのかを理解する

3. それぞれのキャンプが基本的に何を信じているかを決めてから、チャレンジする

4. 教育の本当のチャレンジに向き合う(すなわち信念をアクションに変換する)

Camp Counseling - Camping is Education 24p

解説

まずキャンプは「学校教育の補完」として発生したという事実がある。
Camp setting や outdoor setting とよく表現されるが、勉強というものを屋外やキャンプというセットの中ですることが、キャンプなのだということである。

そしてこの文中で注意したいのが、「子ども」、「若者」という言葉である。

キャンプはもともと「ユース」のために発展した。
これは今で言うところの「中高生」に当たる。
現在のキャンプ参加者がここまで低年齢化したのは、ごく最近のことである。

アメリカでは多くの場合、低年齢の参加者はDay Campから参加する。
3歳ごろからDay Camp(宿泊を伴わない、組織キャンプ場でのキャンプ体験)に通い、大きくなったらSleepaway(宿泊を伴うキャンプ)に参加するのである。

教育的に効果があるとされるキャンプであるが、その対象はもともと「ユース」なのである。

なぜ今、若者(子ども)の教育が急務なのかを考える

キャンプと必ずセットででてくる言葉に、Youth Developmentという言葉がある。
アメリカでは広く認知されている全米の課題である。
キャンプが青少年の発達に有効であるというエビデンスと、犯罪や争いなどアメリカ社会が抱える特有の問題が噛み合い、キャンプが教育的に価値があるのである。

では日本ではどうか。
きちんと考えてみる必要がある。

「思い出づくり」でキャンプが作り続けられる限り、キャンプは教育的に価値あるものに昇華できないと思っている。

「キャンプとは教育である」

そう言い切れる日が、日本で来ることを願っている。





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