中村 孝一

NPO法人eboard代表理事。World Economic Forum member…

中村 孝一

NPO法人eboard代表理事。World Economic Forum member of global shapers。「学びをあきらめない社会へ」というミッションの下、無料学習サイトeboardを開発・運営しています。 https://www.eboard.jp/

最近の記事

メモ:経営するということ

お世話になっている方のご紹介で、まさに「雲の上の存在」のような経営者と4時間×2回ほど、お話させて頂く時間をもらいました。優秀なマネージャヤーでもなく、リーダーでもなく、投資家でもなく、コンサルタントでもなく、「優秀な経営者」とはこういうことか、と非常に得心がいったので、まとめておきます。ポイントは、以下の3点。 ・企画すること ・数字を追って伸ばすこと ・損切りすること ちなみに、私は「経営」の定義は、経済が「社会のリソースを最大限効果的に、効率的にはたらかせようとする営

    • 読書メモ 『なぜ人と組織は変われないのか』

      なぜ、日本語タイトルこうなったのだろう。少し手に取りづらい。英語タイトルは、"Immunity to Change - How to overcome it and unlock the potential in yourself and your organization(変化への免疫〜それをどのように克服し、あなたと組織の可能性を解き放つのか)"。これでもかなり自己啓発色の強いタイトルだが、著者は Havard graduate school of education の

      • Yコン 夏季Demo Dayに登壇したedtechスタートアップ

        Demo Day 2に教育関連のスタートアップが3社登壇したようなので、まとめておく。 Kinsideアメリカでも保育や育児休業の問題は大きいよう。同社のホームページによると、40%以上の女性が出産後離職しているとのこと。(米国の保育やその公的扶助について詳しくないが)年間300億ドルの補助が、政府から保育サービスに拠出される余地があるものの、手続きが煩雑でその90%は利用されていない。 Kinsideは、その手続き申請を代行し、かつ保育サービスのマネジメントツールとして機

        • 子ども支援の取り組み@宮崎県

          宮崎県内での子ども支援について、調べてみたので、まとめておく。他の地方も同じだろうけど、東京と比べると、対策に10年弱くらいの遅れがあるように感じます。 子どもの貧困対策推進計画まずは、2016年3月(2015年度・H27年度末)に出た「宮崎県子どもの貧困対策推進計画」。宮崎県の子どもの貧困率は、19.5%と全国で6番目に高い。生活保護世帯の18歳未満の子どもの数も、7年間で1.3倍になるなど増加傾向にある。ちなみに、沖縄は全国1位、九州も福岡が5位、鹿児島が3位と貧困率が

        メモ:経営するということ

          大阪市:学力テストの結果を待遇に反映する方針に、反対する理由

          change.org の署名キャンペーンにも、賛同させてもらいました。また、私が反対する理由について、ご質問も頂いたので、ついでにこちらにも、書いておきます。 大阪市長が表明された方針は、以下をご覧ください。 人によって反対する理由は様々でしょうが、私が反対する理由は、以下の3つです。個人的には教員のパフォーマンスに応じて、待遇を変えること自体には賛成です。成果を上げている先生・頑張っている先生の待遇はよくすべきと思うのだが、成果=学力テスト(だけ)ではないし、効果がある

          大阪市:学力テストの結果を待遇に反映する方針に、反対する理由

          島根の教育は、なぜ注目されるようになったのか?②

          前回の続き。少し話はタイトルとずれますが、今回は、eboard が島根に関わらせて頂いた経緯について。 島根県吉賀町eboardと島根県との関わりは、2013年まで遡ります。それまでは、代表の私もスタッフの誰も、島根と関わりがありませんでした。島根といえば、東部の松江や出雲は思い浮かびますが、西部の自治体や離島については、全く知らない状況。そんな中、島根県吉賀町の教育委員会から、eboardのサイトに問い合わせを頂いたことが始まりでした。 島根県吉賀町は、県西部に位置し、

          島根の教育は、なぜ注目されるようになったのか?②

          島根の教育は、なぜ注目されるようになったのか?①

          今年も NPO法人eboard では、島根県益田市に職員、インターン、社会人ボランティアが滞在させて頂き、5日間の合宿を実施します。eboardに参画して2、3ヶ月のメンバーもいるため、「島根の教育がなぜ注目されるようになったのか」、外部の人にも知って頂きたく、ここにまとめておきます。 隠岐島前高校の奇跡「島根の教育魅力化」の始まりは、隠岐島前高校の魅力化から始まりました。隠岐島前高校は、島根県の北約60kmに位置する隠岐諸島島前地域(海士町、西ノ島町、知夫村)唯一の公立高

          島根の教育は、なぜ注目されるようになったのか?①

          私が「学習の個別化が必要だ」と、主張する理由

          団体の考えにも大きく影響していますが、以下は、私個人の一考え(思想)です。 「学んだ力」から、「学ぶ力」へ人には自分の人生について選択・決定する権利と自由があり、「学んだ力」ではなく「学ぶ力」は、その選択・決定を実現する上で、社会が保障しなければならないものだ(少なくとも現在の知識をベースに成り立つ資本主義社会、民主主義社会においては)。それは、社会におけるあらゆる基本的な権利の実現を個人に保障するものであり、学ぶこと自体が1つの権利になるからだ。 これまでの社会(工業型

          私が「学習の個別化が必要だ」と、主張する理由

          「未来の教室」と「現在の教室」:ICT環境を考える②

          前回記事は、こちらから。 前回記事にて、以下の環境が「未来の教室」に必要でしょう!となったわけですが、今回は①デジタルデバイス、②ネット環境について、「現在の教室」を、見ていきたいと思います。 ① 1人1台程度のインターネットに接続できるデジタル端末 ② 映像授業の同時視聴などに耐える高速インターネット環境 ③ 個別学習、プログラミング、VR等の学習ソフトウェア ④ (あると好ましい)各ソフトウェアからの「スタディ・ログ」とやらを蓄積できる共通化されたプラットフォーム 日

          「未来の教室」と「現在の教室」:ICT環境を考える②

          「未来の教室」と「現在の教室」:ICT環境を考える①

          ちょっと前ですが、経産省の有識者会議から「第一次提言」が出されましたね。 合わせて読みたい、文科省。 「Society5.0に向けた人材育成 〜社会が変わる、学びが変わる〜」 以下のZ会の記事では、とてもわかりやすく2つを比較されています。 https://www.zkai.co.jp/home/z-asteria/ms/2020/s4.html こちらの提言に関連して、周りに「edtechに興味がある」という方が増えてきたこともあり、「未来の教室」と「現在の教室」と題し

          「未来の教室」と「現在の教室」:ICT環境を考える①

          まとめ:「社会的インパクト評価をしない10の理由〜代わりに何をすべきか」

          Stanford Social Inovation Review 2018 Summer の記事 "Ten Reasons Not to Measure Impact—and What to Do Instead"(社会的インパクト評価をしない10の理由〜代わりに何をすべきか)を読んでまとめる機会があったので共有(英語の理解不足があったら、すみません)。 書いたのは、Inovations for Poverty Action という団体の人で、世界の貧困対策の評価と研究を専門

          まとめ:「社会的インパクト評価をしない10の理由〜代わりに何をすべきか」