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切って繋げて心をデザインする:地域社会の子育て支援と未来への愛情投資

 ども、イシちゃんです。先日、ひばりが丘学園さんへの訪問カットにご同行させて頂いている理髪店のオーナーさんと食事をしてきました。

 僕自身のヘアカットをお願いしたのと併せても3回ほどだったので、じっくり話す機会が欲しいとオーナーさんからお誘い頂きました。

 僕が彼の下を尋ねた経緯に始まり、児童養護施設へのボランティアに思い至った背景など、お互いの理解を深める会話でしたが、改めて僕自身の活動を振り返り、自分の想いや考えを整理する事もできました。

 また、彼の話の中でもの凄く共感したのは、自分が行く事で児童養護施設の子供たちに、成長し退所した時に自分の力で生活できる手段に触れてもらう機会を与えられることだということです。その言葉に僕は、コンセプトである「生きる力をデザインする」ことの意義を改めて実感しました。

 全ての子供が手に職を持つ必要はありませんが、「自分の力で生活できる力」は全ての子供たちにとって不可欠だからです。

 新年の始まりにこうした素晴らしい先輩の力を借りて、自分の活動や目標についての整理ができ、感謝の気持ちが新たに湧き上がりました。創業10周年を迎える今年、さらなる成長に期待が持てる一年になりそうです。
 今回は、その整理した事を踏まえてお伝えします。


1. 地域の子育て支援の必要性と取り組み

1-1. 子育て支援の重要性

 近年、子育て支援の重要度はますます高まっています。僕も育児の中で周りの大人が子供に手を差し伸べることがいかに大きな影響を与えるかを痛感しています。子育ては単に家庭の課題だけでなく、その家庭と関わる地域全体の健全な発展にも密接に関わっています。

自身の子育て経験から感じた子育て支援の重要性
 僕もシンパパの経験を経て今に至る中で、地域のサポートがいかに重要かを痛感しました。子供だけでなく親にとっても安心感や学びの場になるからです。これらの経験から、地域全体が子育てに積極的に関与することは、子供たちの未来を豊かにする重要な要素だと確信しています。
 そこで僕が美容師としてこれまでどのように子育て支援に関わってきたかを振り返ってみました。そこから、地域の子育て支援に今後どのような形で貢献できるかを考えてみます。

1-2. 開業~現在までの子育て支援

 オープン時からどのようなサービスが子育て支援としてお役に立てるかを考え、子供たちとその家族に新たな可能性を提供してきました。

保護者のヘアカラー待ち時間を活用した無料キッズカット

 保護者の方がヘアカラーをする際の待つ時間を活かし、その待ち時間に無料でお子さんのヘアカットを提供しています。これにより、忙しいスケジュールを考慮しながらも子供たちに手軽にヘアケアを受けさせることができ、親子のコミュニケーションの場ともなってきました。

子育て家庭の施術料金割引

 育児中の家計の負担が少しでも軽くなればとの思いから、子育て家庭の保護者は常に30%割引をしています。これにより、美容の時間がリラックスとなり、子育てのストレスから解放される一助となっていると思います。

ヘアドネーション

 カットした髪をがん治療等でウィッグを必要とする子供たちに寄付する活動に参加しています。これには、僕自身も次男と共に5年かけて髪を伸ばし寄付をしたこともあります。ヘアドネーションは、僕が参加した当初は福岡でも5、6店舗ほどしかありませんでしたが、現在ではその認知度も高まり、多くの美容室が参加するようになりました。

1日美容師体験

 将来の夢を探す子供たちに、美容師の仕事を身近に感じてもらうための取り組みも行いました。この企画を通じて、学校の授業が具体的に仕事のどこでどのように役立つのかを伝え、子供たちの学習意欲を高め、将来の夢や職業に対して興味を持ち、自らの可能性を広げる手助けとなることを目指しています。

 これらの活動が、子供たちが健やかに成長し、自らの未来をデザインする力になっていればと願っています。次に、昨年から始めた活動を振り返り、その成果や意義について考えてみました。

2. 地域社会の子育て支援に光を当てる

2-1. 児童養護施設への訪問カット(無償ボランティア)

 児童養護施設と連携して、子供たちに笑顔と自信を届けるボランティア活動を始めました。

児童養護施設と連携した活動の成果とプチエピソード

 児童養護施設でのヘアカットは、僕にとっても非常に意義深いです。施設との連携により、子供たちとヘアカットを通じて心地よい時間を過ごすことができるようになりました。

 訪問するたびに、子供たちの笑顔がどれほど豊かになっているかを目の当たりにし、その変化が毎回楽しみです。例えば、ある子は最初は緊張していたのに、2度目の訪問では自分のオヤツを分けてくれました。安心感と信頼に変わっていく様子に、子供たちとの繋がりの大切さを感じた瞬間でした。

地域社会への貢献としての価値

 この活動は、単に髪を切ること以上の意味を持っています。子供たちには、ヘアカットを通じて外見だけでなく内面からも輝ける自信を与えています。また、地域社会においても、児童養護施設への理解と共感を深め、この活動を知ったある工務店さんは、木製玩具や保育家具の寄付の話を持ちかけてくださいました。

2-2. 児童発達障害の子供を育てる家庭への訪問カット(有料)

 特別な配慮が必要な児童発達障害のお子さんを育てるご家庭向けに療育カットを始めました。こちらは、訪問とご来店のいずれかをお選び頂けます。

療育家庭への専門的なサービスとしての療育カットの重要性

 児童発達障害を抱えるお子さんを育てるご家庭からは、通常のヘアカットとは異なる専門的なケアが求められます。僕は療育保育士でもある妻に監修してもらい、個別のアプローチで療育児にヘアカットを提供しています。

 療育カットは、子供たちがリラックスしてカットができるようになることを目的とし、子供たちが抱える個々の課題に合わせたケアができるという利点があります。例えば、過敏な反応を示す子供に対しては、自宅という日常の空間の中でお気に入りの音楽や動画などの調整を行いながら、安心してヘアカットに慣れることができます。

 児童発達障害を理解し、子供たちに寄り添うことの大切さを広く伝えることで、社会全体がより包括的かつ理解あるものとなり、子供たちが適切な環境で育てられる土壌を築くことが目標です。

詳細はHPに記載しています。

 次は、地域社会への愛情投資の具体的な例を挙げ、これまでのサポートが地域にどのような影響を与えたかを振り返ってみました。

3. 地域社会への愛情投資の具体例

3-1. 子育て支援の成果と地域社会への影響

 こうした子育て支援の結果どのような反応が得られたか改めて振り返ってみました。

子育て支援による子供たちと保護者の変化

 こうした活動により、子供たちの変化が見られています。例えば、無料キッズカットでは、親子のコミュニケーションが増え、子供たちがお店の時間を楽しんでくれています。これにより、親子の触れ合いが増え、子供たちの表情には笑顔が増え子供達の自己肯定感も向上しているようです。

 また、子供たちは外部の人との交流を通じて社交性も育まれ、表現力豊かに成長しています。同時に、施設のスタッフや保護者からも子供たちが新たな経験を積むことに対する感謝の言葉を頂いています。

地域社会全体に与える好影響

 近年、子ども食堂の認知度は高まり、僕の住む町でも開催されますが、地域全体が子育てに協力する姿勢が形成され、子供たちへのサポートが一層強化されています。その輪の中に美容の分野からできることで参加することは、さらなる強化に繋がると考えています。

3-2. 広がる支援の輪

 地域の子育て支援活動を発信することで、賛同者が現れ、支援の輪が広がりました。その中からいくつかご紹介します。

1. 1日美容師体験から広がった繋がり

 子供たちに楽しいひと時を提供する1日美容師体験プログラムが口コミで広がり、近隣の方たちからも注目を集めました。中には夏休みに帰省していた家庭からの参加依頼もあり、土地に馴染みのない子供たちにも楽しんでもらえる機会となりました。参加した家庭からは、「子供たちが喜んだ顔を見せてくれて良かったです。帰省する楽しみを増やして頂き本当にありがとうございます」との感謝の言葉が寄せられました。

2. 地元中学校からの依頼と共感

 地域の中学校2校からも依頼を頂きました。子供たちが楽しむ一方で、学校との連携を通じて子育てに対する理解が深まり、教育の役割にも貢献しました。

3. 工務店からの提案と連携

 住宅建築を手がける傍ら、廃棄する端材を再利用して木製玩具や保育家具も作成している地元の工務店さんが、それを児童養護施設に寄付したいとの提案がありました。この提案により、資源の有効活用と同時に、子供たちへの支援が新たな形で展開されました。児童養護施設のスタッフと子供たちはこの提案に大いに喜び、地域企業との協力が子育て支援に新たな可能性をもたらしました。

端材とは思えないクオリティに驚きます

 ひばりが丘学園に同行させて頂いている理髪店のオーナーもこれには驚き、活動の輪が広がることに関心と期待を寄せています。地域の企業や専門家と連携し、子育て支援の活動が多角的かつ継続的に展開されることで、地域全体が子供たちをサポートする力強いコミュニティとなりつつあります。

 活動を通じて広がった賛同者たちの笑顔と喜びが、子育て支援の成果を象徴していると思います。引き続き、地域社会と協力し、子供たちの未来への愛情投資を進めていきます。

4. まとめ:地域社会の未来を切り拓く子育て支援

子育て支援の重要性と具体的な活動の効果

 30年以上もの長い間児童養護施設に訪問カットしている大先輩との会話から、子育て支援は地域社会において欠かせない活動であり、その重要性について深く掘り下げることができました。親のヘアカラー待ち時間を活用した無料子供ヘアカットや、特別施術料金割引制度など、具体的な活動を通じて地域の子育て支援をしています。これらの活動が実際に親子にもたらす変化を通じて、子育て支援が地域社会にもたらす影響を再確認できました。

地域社会への愛情投資がもたらす未来への変化

 子育て支援がもたらす変化は、単に個々の家庭だけでなく、地域社会全体にも及んでいます。活動を通じての子供たちや親の変化、地域全体に与える好影響が、地域社会への愛情投資が持つ力を示しています。その力はまだ小さくとも学校や他店との連携、工務店からの提案など、様々な形で地域社会が共鳴し、子育て支援の輪が広がっている実感があります。

10周年の節目を迎える今年は更なる挑戦をいたします

 美容室として10周年を迎えることは非常に恵まれていると思います。決して順風満帆だったとは言いませんが、これまで難関を乗り越えてやってこられたのはお客さんと地域の方々の支えがあってこそだと思っています。
 僕自身がそうやって支えられてやってこれたわけですから、僕も支えになることも忘れずにこの1年もまた励んでいこうと思います。

 特に、今年計画している企画は、今の社会だからこそ求められている事だと思います。それが成功した暁には日本中の美容師・理容師の活動にも大きな影響を与える事になると思います。

 まだ発表できる段階にまで仕上がっていませんが、これを読まれた方は是非フォローしていただき、その全容が明かされるのを楽しみにしていてください。

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