No.16 「贈る言葉」(第43回卒園式「お祝いの言葉」より)

いつのまにか季節は変わり、暖かな春を迎えました。

今日ここに「のぞみ幼稚園」は、晴れやかに卒園式を迎えました。

年長組の皆さん、卒園おめでとうございます。
                
そして、今日の日を心待ちにしてこられた保護者の皆様、お子様のご卒園、誠におめでとうございます。

心よりお喜び申し上げます。

さて、今、卒園する皆さんに「修了証書」を渡しました。

この修了証書には、皆さんのこれまでの「がんばり」がたくさん詰まっています。

やり遂げた自分に自信を持ち、胸を張って卒園してください。

まず今日はみなさんに、園長である私から「ありがとう」と言わせてください。

先生は、去年の七月一日に「のぞみ幼稚園」にやってきました。

それまでは外国にいて、日本で働くのはとても久しぶりでした。

だから最初は、「ちゃんとやれるかな?」と、とても緊張し、心配していました。

けれど、夏休み前の交通教室や、夏休みに入ってすぐの「お泊り保育」で、ここにいる年長組のみなさんが、先生にとても優しくしてくれました。

みなさんが、先生が日本に帰ってきてからの一番最初のお友だちでした。

みなさんがお友だちになってくれたおかげで、「よし、のぞみ幼稚園の園長先生として頑張ろう!」と勇気と元気が湧いてきました。

本当にありがとうございました。

 
みなさんが他のお友だちにも優しくしているところを、先生は沢山見てきました。

「悲しい気持ち」でいるお友だちに、「大丈夫?どうしたの?」と気遣っていました。

年長組のみなさんのそうした「友達にやさしいところ」、「友達に思いやりを持てるところ」が、私たち「のぞみ」の先生みんなの自慢です。

 みなさんのいいところ、自慢したいところは他にも沢山あります。

その一つが、先生に言われなくても、友だちと相談し、力を合わせて頑張れるところです。

最初は「これは難しいなあ」と思うことでも、お友だちとアイディアを出し合い、力を合わせて頑張ることで乗り越えてきました。

その結果、運動会も、発表会も、作品展も、ぜ~んぶ大成功でした!

そうやって、幼稚園での一日一日、一つ一つの行事が最高の思い出となりました。

先生たちがいつも思っている皆さんのいいところ、自慢したいところがもう一つあります。

それは、「ありがとう」という感謝の気持ちを持ち、それをきちんと伝える事ができるところです。

終了証書をお家の人に渡す時の、みなさんの「ありがとう」を聞けばよくわかります。
 
みなさんのいいところ、先生たちが自慢したいところをもう一度言います。
 
一、友達に思いやりを持てるところ

二、先生に言われなくても、自分で考えて、友達と助け合いながら、最初は難しいと思うことでもやり遂げれるところ

三、お母さん、お父さんをはじめ、自分の大切な人に「ありがとう」の気持ちを持ち、それをきちんと伝えれるところ

小学校に入ったら、この三つのいいところを忘れずに、沢山友達を作って、勉強に遊びに一生懸命遊んでください!

保護者の皆様、これまで大変お世話になりました。

私たち教職員は、大切なお子様をお預かりし、精一杯取り組んでまいりました。
しかし今年度は、次々に大きな変化があり、時には、至らぬことや、ご心配をおかけしたことがあったと思います。

しかし、そんな時でも、皆様からは、いつも温かな受け止めや励ましをいただきました。

本当にありがとうございました。

「のぞみ」に来てからつくづく思う事は、「子育て」ほどの芸術活動はないということです。

なにせ、「子育て」とは、「自分の力で幸せに生きていける人間を育む」という、人類にとって最も大切な活動なわけですから。

となると、この最も尊い芸術活動を日々行っている保護者の皆様は、人類の中で最も偉大な芸術家ということになります。

しかも、芸術活動に専念できた(であろう)ピカソやマティスと違い、ここにいる保護者の方々は、「子育て」をしながら家事をこなし、あるいは仕事をし、家族を支えていかなければなりません。

それは本当に大変なことであり、それゆえ「迷い、戸惑い、不安」の連続である一方、「喜びや幸せ」を感じるのはほんの一瞬という毎日であろうと思います。

しかし、そんな悪戦苦闘、試行錯誤しながら、絶えずありったけの愛情を注がれている保護者の皆様のその姿こそ、子どもたちにとって最も大事な「学び」の機会であると私は思っています。

慌ただしい日々の中、自分たちのためにいつも明るく優しく接しって下さっていることは、子どもたちに必ず伝わります。

そしてそこから、将来、自分の力で幸せを掴むために一番大切なことを学んでいくはずです。

今日の挨拶の冒頭で申し上げました、皆様のお子様がすでに持っている「人への思いやり」も、保護者の皆様のそうした頑張りを見ているうちに、いつの間にか身についてきたものだと私は確信しております。

卒園後も、子どもたちと同様に、保護者の皆様のことも心より応援しております。
 

卒園する皆さん

先生たちは、皆さんのことが本当に可愛くて、大好きです。

そして、とても自慢に思っています。

これからも先生たちは、ずっと応援しています。

小学校に行っても元気にがんばってくださいね。

卒園、本当におめでとうございます!

以上をもちまして、のぞみっこの輝かしい未来に、大きな期待を寄せ、私のお祝いの言葉といたします。

ありがとうございました。

令和五年  三月 十七日 のぞみ幼稚園   

園長  遠藤克彦


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