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スキルより「チーム力」が何倍も重要だという話

こんにちは。採用広報事業をやっているhypex代表の河合幸太です。

このnoteでは、主に採用分野・人材業界に興味のある人に向けて、僕の考えや経験、最新の業界動向などを月1回のペースでお伝えしています。

今回のテーマは「チーム力(りょく)」

僕のキャリアはインターン入社から始まり、事業責任者や経営陣としての立場を経て、現在では自分の会社を経営しています。そのような経験を通じて、チーム力について深く考えるようになりました。

これからの時代、チーム力の価値はますます高まるはずですし、チーム力の無い人は働くことが難しくなるかもしれません。そこで、今の考えを僕なりにまとめてみたいと思います。


「個」が強くなるほど「チーム力」が重要に

まず、今回なぜ「チーム力」について書こうと思ったのか。それは、近年「個」のエンパワーメントが注目されるようになったからです。

エンパワーメント(empowerment=力を与えること)という言葉は、最近よく耳にするようになりました。ビジネスにおいても個人で活動しやすくなり、SNSの影響で「個のブランド力」も重視されるようになっています。

ところが、そうした中でも会社やチームは存在し続けています。実際に僕の周りではフリーランスから会社員に戻る人も多く、一人で働くことの限界(つまらなさ)や、チームだからこそ成し遂げられることがあると実感するようになりました。

もちろん、各個人のスキルを磨くことは当然です。しかし今の時代だからこそ、チームでの取り組みがより求められていると思います。

また、日本では義務教育のおかげで、みんな基本的な知識・能力が身に付いています。インターネットの普及により、適切な情報にアクセスすれば多くの疑問は解決できるようになりました。

その場合、期待されるのは知識ではなく、人と人の「掛け算」で生まれる価値です。レベル3の自分がいて、周りにはレベル2やレベル4の人がいる……その掛け算をいかに大きくできるかが重要だと考えています。

そもそも人間は、社会の中で生きていかなくてはいけません。しかし、現代は一人で楽しめるものが増え、多くのことがお金で解決できるようになっています。

この「孤立することが可能になった時代」だからこそ、チームの価値が高まっているとは考えられないでしょうか。これから10年、20年といった長期的な視点では、チーム力が最も大きな要素になっていくと感じています。

チーム力の本質とは、能力より人に対する姿勢

僕が考えるチーム力とは、チームにおいて必要とされる総合力のようなものです。例えば、以下のような要素を全部ひっくるめてチーム力だと捉えています。

  • マネジメントスキル

  • 報連相のスキル

  • リーダーシップ

  • 主体性

  • 手を挙げる勇気

  • 受け取る力

  • 親しみやすさ

  • イベントの盛り上げ役

チーム力とは、単なるコミュニケーション能力を超えたもっと大きな概念であり、能力というよりも「姿勢」に近いイメージかもしれません。見方を変えれば、その人に対する期待感や信頼感とも考えられます。

「この人に仕事を頼んだら、ちゃんとやってくれそう」
「相談したら、嫌な顔をせずに話を聞いてくれそう」

こんな風に思ってもらえるかどうか。人間なのでお互い感情がありますし、スキルが高くても頼りたくない人、儲けていても尊敬できない人はいますよね。そんな中で、みんなから選ばれる人はチーム力が高い人と言えそうです。

チーム力の高さは、巻き込む力・巻き込まれる力とも大きく関係します。

社内の「チーム」は、基本的に以下3つの関係性に分けられます。

  • 上下の関係:上司と部下

  • 横の関係:同じ部署のメンバー

  • 斜めの関係:他部署のメンバー

上下の関係なら、巻き込む力・巻き込まれる力とは以下のようなイメージです。

【上司】何かを実行するため、部下に指示を出す=巻き込む力
【部下】指示をもらえる余裕があり、指示通りかそれ以上に実行できる=巻き込まれる力

【部下】やりたいことを相談し、サポートしてもらう=巻き込む力
【上司】いつも機嫌がよく、知識や権限をフル活用して責任も負う=巻き込まれる力

巻き込む力・巻き込まれる力は、今の社内に限った話ではありません。退職した担当者に質問したり、これから採用する人に助けてもらったり、そういった協力体制を築けるかどうかが必要になっていくと思います。

チーム力の重要性は、クライアントに対しても当てはまります。お客様のやりたいことに巻き込まれる力、相談したいと思ってもらえる力、それはいわば営業力です。対クライアントワークの場合は費用が発生するので、よりシビアに見られるわけですね。

またフリーランスの場合は、チーム力の有無によって、同じスキルでも報酬がかなり変わってくるでしょう。

今はあらゆる情報(教材)にアクセスしやすくなり、社会もいい意味で流動的になりました。そのため、基本的にはどんなスキルも10年あれば身に付けられる世の中です。結果的に、スキルに対する優先度が下がっていると感じています。

スキルが一般化するほど、選ばれる人とそうでない人に分かれていく。孤立して仕事をしている人や、一方的な関係性で働いてきたチーム力の無い人は、将来的にすごく大変になるかもしれません。

自分から先にGIVEをすれば、流れが変わっていく

では、今後ますます求められるチーム力を、どうやって身に付ければいいのか。

どんな仕事においても、全ては「GIVE&TAKE」の流れになっています。というより、何かをTAKEして何かをGIVEするというのは、経済活動全般における基本的な構造です。

例えば、お金を払って、商品を受け取る。給料をもらって、労働力を提供する。日々の仕事に落とし込むと「言われたことをやる」というのは、誰かがGIVEしたものをTAKEして、GIVEするという流れになります。

この最初のGIVEを、ぜひ自分から始めてみてください。全体のサイクルを意識して、最初のエネルギーを自分から先に出すと、流れが一気に変わると思っています。

  • 部下から報告がなくても「今大丈夫?」と声をかける

  • 上司に頼まれる前に「こんなことできますが、どうですか?」と提案する

世の中、TAKE待ちの人はたくさんいます。そんな中で、自分からGIVE&TAKEの流れを起こしてみると、巻き込む力・巻き込まれる力が磨かれていく。そうして徐々に自身のチーム力を高められるはずです。

また、TAKEしたことに対して“GIVEの上乗せ”もできそうですね。何かを指示された時に「分かりました」とだけ返事をするよりも、「分かりました。このアイデアいいですね!」と一言添えるだけで、印象は全く違いますから。

ちなみに僕自身の過去を振り返ると、どんな立場でも(アルバイトでもインターンでも)積極的に提案していたので、部下としてのチーム力はあったのかもしれません。

ただ、自分がリーダーの立場になると、メンバーが自分と同じようには動かないことに気付きました。そこで「誰よりも前を走り続ける」「背中を見せる」というリーダーシップを実践してきましたが、どうやらそれが正解じゃないのかも、と最近思うようになったのです。

お互いの関わりの中で、メンバーの能力を発揮させてあげる、一人ひとりをしっかり見てフォローする。そして自分からGIVEで働きかけていく。僕もリーダーとしてのチーム力はまだまだですが、ここに書いた内容を意識しながら、成長していきたいと思います。

次回のnoteでは、今回の話と関連して「行動力とは」について書く予定です。ぜひ、あわせてご覧ください。


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