倹約家に憧れる私と今を楽しく生きたい私が暴れまわっています 〜とある休職中のオタクの想いごと〜

 今回はお金の話です。

 生きる気力が湧かなさすぎてぼーっとしてそれに飽きて、最近家計簿をまともにつけていなかったことに気づき、ここ十日分ほど(つまり先月分)をようやく締めた。

 休職中だから収入は微々たるもので、それでも住民税や社会保険料、厚生年金などは支払う必要があり、貯金を切り崩しながらなんとか食い繋いでいかなければならない現状が悲しくてしんどい。いつまでこれが続くんだろうかと不安になる。もう少し貯金をちゃんとしておけばよかった。それでも、してないよりはマシだと思いたい……。

 休職して少し経った頃、体調が良い日に年下の友人と食事に出かけた。そこで私が不安をつらつらと話した時に、彼女が言った言葉がある。

「お金があれば結局どうとでもなるんですよ。それにここは日本だから、大丈夫。何とかなります」

 私の中で、収入が減ることの不安が多くを占めていた。私は独身で完璧に一馬力、頼れる人もいない。自分でどうにかするしかない。

 傷病手当の申請をした。これは休職する支給開始日以前の、

【12か月の標準報酬額÷12か月÷30日×2/3】

上記から支給日額を計算して支給されることになっている。


 医師に必要書類を記入してもらい、会社に提出して20日ほど経っただろうか。これくらいかなぁと計算していた額とほぼ同程度の金額が全国健康保険協会から振り込まれていた。

 この制度は非常に助かった。働けないのに生きてるだけで税金や年金を納める義務があるし、社会保険がないと病院にも行けない。それに加えて毎月の家賃に光熱費、通信費、食費、医療費、その他にもかかるあれこれ……

 傷病手当だけでは当然足りなくなってくる。その分については貯金を切り崩していくしかない。

 実を言うと、貯金が苦手だった。あればある分使っていた。一時的な貯金は出来るのだが(たとえば引越し代金や旅行費など)、生活防衛費などはそこまで意識してこなかった。

 意識し始めたのは世間が老後の2000万円問題でざわざわし、同僚や友人たちとお金のことについてちらほら本音を交えて話すようになった頃だ。ちょうど独身の友人がマンションを購入したタイミングでもあった。更に言うなら、私はこれより少し前に、長年付き合い婚約までしていた彼氏と別れた。恋愛下手で年齢も年齢な私は、この先一人で生きていくことが濃厚になっていた。

 マイホームを購入した友人は多くいるけれど、その友人たちには配偶者がいて、自身は専業主婦だったり扶養内でパートをしていた。だから、私とは違う世界の人という感覚だったのだが、独身の友人がマンションを購入したことは結構な衝撃だった。

 私は無知だった。住民税を支払い忘れていて延滞金がつくことを知り「やばい!」と慌てるくらいにはお金について無知だった。クレジットカードのリボ払いについても深く考えることなく、むしろ助かるしありがたいという感覚で利用していた。オタクはいろいろお金がかかるので……

 婚約破棄し、一人で生きていくしかないと腹に決めたところで、私の頭を悩ませたのが引っ越し問題だ。妹と一緒に二人暮らしをしていたのだが、他に部屋を借りるので出て行きたいと言う。私は焦った。貯金がなかったのだ。これは、やばい。

 前職が非正規雇用でWワークOKの職場だったため、早速Wワークを始めた。シフトアップの声がかかれば積極的に入り、とにかく稼いだ。順調に貯金額は増えていった。ただ、友人に言わせると、この頃の私は忙しさのせいでいつも余裕がなく顔つきもきつかったらしい。

 どうせ引っ越しをするなら好きな街がよかった。引っ越しまでのタイムリミットと自分の理想と予算を照らし合わせ、今の家に決めた。欲を言えばキリがないが、今の私に合った等身大な住まいだと思う。

 引っ越しを無事に終え、家電や家具を好きなもので揃えることもできたところで、Wワークは辞めた。体力的にしんどかったというのもあるが、不規則な生活や睡眠不足、ストレスで過食になり、13kg以上太ってしまったからだ。

 私はこれまでの自分を振り返ってとても反省した。日頃から少しずつでも貯金をしておけば、いくら手取り収入が少なくても、体を酷使せずに引っ越しくらいできたかもしれない。お金の余裕がないと心の余裕もなくなる。それに、太った私は体が重くてすぐに息が上がったし、鏡を見るのも嫌になり、コスメやファッションが好きなのにそれすら遠ざけたくなってしまっていた。人に会うのも億劫になった。

 そんなわけで、引っ越しという一大イベントを成し遂げた私はお金とダイエットの勉強を始めた。ダイエットについては今回は省略するが(ある程度戻すことができました!)、お金の勉強を始めて思ったことは、自分の無知のせいで、とんでもなく損をして今まで生きてきたということ。

 住民税の延滞金はもちろん、リボ払いの手数料もそうだ。ATMの手数料もちりも積もれば馬鹿にならない。買い物をする時のポイントだってあんまり意識してこなかった。それが意識するようになったら、その貯まったポイントで家電がさくっと買えたし、リボ払いの手数料もこれまでに支払った分をざっと計算すると結構な額で、私は私に「なんでもっといろいろ調べなかったの!!」と泣き喚きながら地団駄を踏む思いだった。もう、めちゃくちゃに暴れ回った。脳内で。

 そんな私のお金に関する勉強法だが、

▫️日経WOMANのお金の特集号 から入り、お金に関する言葉に少しずつ慣れてきたところで、

▫️書籍「本当の自由を手に入れるお金の大学(両@リベ大学長)」を熟読し、動画を視聴。

 初心者すぎる私はそれからも何冊かの本を読み、リベ大の教えをベースにいろいろ収支を見直した。身近な節約方法から試してみたい…と思い、インスタや動画を漁りまくる日々。その中に、二十代女子で堅実に地道に何百万も貯蓄している方がいて驚いた。その方をフォローして、出版されている本を購入した。すぐに取り入れられる内容だったからだ。それからというもの、自炊をし会社には毎日お弁当を持っていくようになった。食費は結構抑えられるようになったと思う。

 とはいえ、オタクなので推しには貢ぎたいし、ジャンルごと大好きなので応援したいし、お酒が好きだし、読書も好きだし、好きなものに囲まれて暮らしたいのでインテリアだって楽しみたい。いつも「倹約家でミニマリストに憧れている私」と「物欲強めで自分への癒しとご褒美が大好きな私」が熾烈な争いを繰り広げている。

 ちなみに、お金に関する学びの動画は「リベ大」と「太朗のおもてなし」がお気に入りです。

 家計簿についてはWワークをしていた頃に自分なりにつけていたので、それを見直して引き続き記帳することにした。(アプリも試してみたけど、一部電子マネーが反映されず手間なのと、書くことで頭の中が整理できるタイプなので結局手書きのアナログ派)

 そうしてなんやかんやあり、転職して収入アップして喜んでいたのも束の間、心身のバランスを崩して数か月で休職することになった。

 休職することになり真っ先に思ったのは、「今後生きていけるんだろうか……」ということだった。寝込むだけ寝込んだら少しずつ頭が働くようになってきたので、私は現在の貯金額と今後の収入見込み額、そして支出額を計算した。家計簿をつけていたので、自分が何にどれだけ使っていて、平均の固定支出と変動費がどれぐらいかはすぐにわかった。

 お金の勉強をし始めて貯金をするようになったものの、元は浪費家、この前まで非正規雇用で低収入だったこともあり、貯金額はそう多くなかった。日経WOMANで年代別の平均貯金額を目にすることがあるが、全然それには及ばない。よそよはよそ、うちはうち! と思いはするが、どうしたって比べてしまうし、何も考えずに使える分だけ使い、損なお金の使い方ばかりしていた過去の自分を恨む。

 タイムマシンに乗って若かりし頃の自分にもし会えるなら、お金の使い方を徹底的に見直すようスパルタ教育し、ついでにイメコンで学びを得た似合う服や似合う色、それから肌に合わなかった化粧品なんかもわかるので、とにかく私が損をしないように教えてあげたいと思っている。その男はやめておけという忠告もしたいところだ。

 だけど現実は目の前にただ横たわっていて、今の私自身がどうにかするしかないわけで。

 口座残高と家計簿を睨めっこし、私は今すぐ削れるものとして健康食品と化粧品の定期サービスを解約した。サブスクも見直して、必要最低限に絞った。

 職場が今年から変わったこともあり、住民税を過年度該当分と第一期分と支払わなければならず、その額が家賃程の金額だったのでこりゃ厳しい……と思い、納税課に電話をして相談することにした。

 一括が厳しいので分割にしてもらえたらと考えていたのだが、現在の状況や復職(もしくは転職)が未定であることを伝えたところ、分割以外の方法があることを教えてくれた。生活困窮者のための制度らしいが、申請書を提出すれば納税について1年の猶予を設けてくれるらしい。(ただし、延滞利息は1%かかる)

 先の見通しが立たない私にとってこの制度はとてもありがたく感じた。困った時は自分で調べるのも大切だけど、やっぱりプロに相談してみるものだ。

 ただ、これは私の住む市の話なので、もし同じような境遇で困っている方は、自分の住む地域の納税課に相談した方がいい。一番駄目なのは放置です。まじでやばいので気をつけて……!

 それにしても、午前中からお金のことを考えすぎて頭が疲れた。今日は甘いものを摂取することを許してあげようと思う。エクレアやシュークリームが食べたい。なんなら、アイスも。

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