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顧客接点の現場でよくある問題点と解決の方向性

本日はカスタマーケア全体を俯瞰するため、いろいろな顧客接点の現場で起こっている問題を踏まえつつ、解決の方向性を導きたいと考えています。

顧客接点の現場でよくある問題点

まず、顧客接点の現場におけるよくある問題点はたくさんありますが、大きく3点にまとめます。

問題点①コンタクトセンター

問題点の1つ目は、コンタクトセンターにおいて、ファーストコンタクト時の解決率が低いことです。

ユーザーは行き詰まると諦めてしまいます。そして、諦めたのが見えていないのは深刻な問題です。さらにトラブルで問い合わせが殺到するケースでは、担当者が変わったり同じ用件を伝えるのは顧客ロイヤリティーを大きく毀損します。ある調査では、1回の不愉快な体験で、他社への変更を検討する割合は、62%に達するそうです。

問題点②デジタルチャネル運営

問題点の2つ目、それはデジタルチャネル運営の現場で、デジタルで新たな顧客接点の創出を求められていることです。
デジタルネイティブ世代の社会進出やコロナ禍により、自社通販サイトなどのデジタルチャネルにおいて成約率アップや離反防止が期待されています。サービスが不満で購買行動をストップ、他社へ乗り換える比率は、78%に達するそうですが、期待に対して対応が不十分であると感じている方が多い状況です。

問題点③人材育成

3点目は、オペレーターの育成の難しさです。
刻々とアップデートされる製品・サービス、そして離職率の高さを背景として、オペレーターの育成に多くの時間と労力がかかっています。オペレーターの採用・育成に課題認識を持つ企業の割合は、5年前から倍増し57%に達しています。

解決の方向性

コンタクトセンターにおけるロイヤリティー維持の鍵は、最初のコンタクトで効率的に解決することであり、チャットボットでの質問応答率の向上が非常に重要です。チャットボットで解決できる質問が多くなればなるほど、オペレーターの応対は軽減され、その結果コンタクトセンター全体の応答率の改善に直結します。

デジタルチャネル運営の現場では、顧客体験の変革をリードしていくことが重要です。ECサイト上の多種多様なヘルプ、大量の商品情報の探索、複雑な手続きのガイドなどにより、デジタルチャネルでストレスのない顧客利便性を追求したサービスを創出しなければなりません。その結果が新しい顧客層の取り込みにつながります。

人材育成部門では、顧客から的確な回答と自分自身にカスタマイズされたリコメンドを期待する声が多い状況と理解しており、そのためにはAIによる徹底したオペレーターへのサポートが鍵となります。

そして、これらの取り組みが、顧客満足度の向上へとつながり、自社のブランド価値を向上させるのです。

Watson製品のご紹介

これより、解決の方向性を実現させる、AIインサイドのチャットボットIBM Watson Assistant、AIオペレーターサポートシステムIBM Smart Agent Advisorについてご紹介します。

Watson Assistant

Watson Assistantは、ユーザーとコンピューターの対話を可能にする開発ツールです。チャットボットなどでユーザーの自然言語での問い合わせを理解し、適切な回答を返します。

ただし、Watson Assistantが目指しているのはありきたりなチャットボットではありません。プロアクティブでパーソナライズされたサービスを提供することで、企業のブランド・ロイヤルティーの向上や顧客体験の変革を支援する企業向けAIエージェントです。チャットボットツールをご紹介する際に、このような紹介をするのは、おそらくIBMだけだと思っています。

ここではWatson Assistantの特長をAIと統合の切り口でいくつか示しています。AIは回答品質の向上を図るとともに少ないデータで学習し運用の負荷を軽減します。これらのAI機能が、人の感覚により近づいたバーチャルエージェントを実現します。また、チャネルの統合やアプリケーション連携により、枠を超えることで期待を超える顧客体験を実現します。

Smart Agent Advisor

Smart Agent Advisorは、高いカスタマーサービスを要求されるコールセンターのオペレーター支援システムで、 リアルタイムに情報を提供します。ただのオペレーター支援システムではない点は、リアルタイムで対応方法をレコメンドしスキル不足によるNPS低下を防ぐとともに、運営管理者にも情報を共有可能な、オペレーターおよび運営管理者向けコミュニケーションツールだということです。

Smart Agent Advisorには次のような特長があります。オペレーターのUI一画面で、さまざまな情報を表示できます。お客様との会話のテキスト、快適な会話スピードのアドバイス、ネガテイブな発言の場合、推奨発言のアドバイス、ポジティブな発言の場合、良い点の明示、FAQ等の社内情報に関連する会話の場合、社内情報から即時に検索し提示、会話状況に対するお客様満足度やNPS等のスコアリングです。

次に、管理者サポートとして、Supervisor Dashboardという機能があります。コールセンターのエージェント稼働状況をリアルタイムに可視化し、効率的かつ効果的なコールセンター運営を支援します。また、エージェントのリモートワーク化の課題であった状況把握とコミュニケーションをサポートします。

コールセンター全体を重点管理指標で俯瞰、チームの状況もリアルタイムに把握、そしてエージェントごとの状況を詳細まで把握することで、エージェントに寄り添うことができるようになり、チーム内の信頼を醸成します。

Watson製品の活用例


Watsonは多くの現場で活用されています。本日ご紹介したソリューションを使った活用例を最後にご紹介します。

チャットボット

  • 24時間365日のお客様サポート体制を確立。

  • 気軽に相談できるチャネルとして心理的なハードルを解消。

オペレーター支援

  • サービスの多様化で難易度が高まるテクニカルサポートの現場で、オペレーターの負荷軽減と応対品質の向上。

関心がございましたら、LinkedInメッセージでDMくださいませ。

https://www.linkedin.com/in/kohichiogawa/

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