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≪短編≫あなたには何か見えているの?

夜更けにふっと目が覚めることがありますよね
そんな昨夜のお話です


寝付かれずにウトウトしていたはず…

だれかが寝室のドアを開けたようだ
だれ?二人いる?小さな少女?老婆?

スッとベッドの横に来ている

私の右手の手首をつかむ

冷たい?温かい?温度感がないがギシっと掴まれている

その何者かが右手首を持ち上げて引っ張る
引っ張るちからがだんだんと強くなる

ダメだ!引っ張られてはいけない!
起きようとするが体が動かない

手を引く誰かが「行こう…行こう…」そう声をかけている
気のせいか 誰かの声に 似ている…
誰だろう、わからない…でも知っている声

「行かない・まだ寝てる!」と叫ぶ自分の声は音にならない

「行こう…行こう…」

恐怖から我にかえる
「そうか、金縛りか?ということは気のせいか?」
「落ち着け、落ち着け」言い聞かせながら
そうだトイレに行きたいんだ!と自分を納得させて起き上がろうとして
「トイレ!」と叫ぶ!

声が出た、途端に手を引くものがなくなった

起き上がって枕もとの時計を見ると2時40分

「疲れているのかな…金縛りなんて久しぶりだ」
ベッドを降りようとしたとき 気が付いた

寝室のドアが薄く開いている
飼い猫が座ってじっとこちらを見ている

猫の視線の先は私ではなく
ベッドサイド…

◆読んでくださりありがとうございます。
季節外れのこんなお話し。「トイレは魔法の言葉」のタイトルにしようかとも思うものでした
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