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三曲の歌で一杯のコーヒーを作ってみた

 チェーン店でもそうでなくても、喫茶店に行くと、たいがいなにかしらのBGMが流れていますよね。

 たとえば、「cafe music」とAmazonで検索をかけると、おびただしい数のコンピレーション・アルバムが引っかかりますが、そんなことからも、コーヒーに音楽はつきものだという発想がいかにひろく浸透しているかがうかがい知れます。

 ところで、「コーヒーに合う音楽」について考えるのももちろん楽しいことではありますが、あるいは逆に(逆ではないですが)、「音楽からコーヒーを作りだす」という発想だってあってもしかるべきではないでしょうか?

 と、そんないいかげんな思いつきから、今日は、3曲の歌から1杯のコーヒーを作ってみました

 さて、まずはコーヒー豆の選出から。今日の豆は、こちらにしようとおもいます。モアシル・サントスの「キャシー」

 コーヒー豆の産地の世界ランキングは、1位がブラジル、2位がベトナム、3位がコロンビアだそうです。
 ブラジルといえば、ボサノヴァ。ボサノヴァといえば、アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトの名がまずあがりますが、本日は、ブラジルの作曲家モアシル・サントスからの選曲です。

 収録アルバムは、1974年の『サウダージ』。ハービー・メイソン(ドラムス)やリー・リトナー(ギター)といった、ジャズ、フュージョン界の著名人も参加しているユニークなアルバムです。
 ほどよい酸味とほどよい苦味。今日の豆はいっさいブレンドをせず、ストレートでのご提供です。

 豆を挽いてコーヒーを淹れたら、お砂糖の出番。お砂糖には、こちらを使います。ディアンジェロの「ブラウン・シュガー」

 1995年のアルバム『ブラウン・シュガー』のタイトルチューンです。
 ブラックミュージックが好きなかたには周知のことかとおもいますが、1990年代、「ネオ・ソウル」とよばれるムーブメントが起こりました。
 ディアンジェロもいちおうはその「ネオ・ソウル」のアーティストのひとりにくくられますが、そういう音楽史的な注釈などは脇にどけて、ただひたすらにかっこいい一曲です。

 2000年発表の『ヴードゥー』も、その後、14年の沈黙を破って発表された『ブラック・メサイア』も、わたしが何度聴いたかわからないほど聴きまくったアルバムです。

 ちなみに、「ブラウン・シュガー」はいわゆる「スラング」。よい子はゆめゆめ検索しないでください。

 さて、最後にミルクをかけて完成…といきたいところですが、今日は、ウィンナーコーヒーが飲みたい気分。こちらを使いましょう。yamaの「クリーム」

 おそらくは、10代20代の認知度が高く、年齢層があがるほどしられていないアーティスト(?)だと拝察します。わたしじしん、その名前を知ったのは半年ほどまえ、比較的最近のことでした。

 yamaは、顔や性別などのプロフィールをいっさい公表していません。
 わたしがはじめて聴いたのは、たしか「真っ白」という1曲でしたが、中性的な声のおどろくほどの透明感に、問答無用で「ガツン」とやられてしまいました。

 yamaのミュージックビデオの多くは、イラスト一発に歌詞を載せるだけ。じつにシンプルですが、そのシンプルさが、yama本人の謎めいたパーソナリティとみごとに調和しています。
 音楽辞典の「エモい曲」の項目、その筆頭におきたい一曲です。

 それでは、よいコーヒータイムを。

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