よそおわれた「自己啓発本」―書評『こころの処方箋』河合隼雄
以前、「新潮文庫の100冊」についての記事を書きましたが、今月に入ってラインナップが発表され、あちこちの書店で大々的にフェアがおこなわれています。
ラインナップはいくつかのジャンルにわかれていますが、そのうちの「考える本」に、河合隼雄の『こころの処方箋』が取りあげられていました。
じつは、岩波新書から出ていた『コンプレックス』という一冊も、先月になって改版が刊行されており(初版は1971年なので、ちょうど半世紀!)、その死後もうすぐで14年ほど経とうとしていますが、い