Kohei Suzuki

ライデン大学行政学部助教授。インディアナ大学公共政策学博士。ヨーテボリ大学政府の質研究…

Kohei Suzuki

ライデン大学行政学部助教授。インディアナ大学公共政策学博士。ヨーテボリ大学政府の質研究所研究員。比較行政・官僚制、公共経営、地方行政が専門。査読論文の実証研究結果を紹介。インタビュー、講演の依頼https://koheisuzuki.weebly.com/contact.html

マガジン

  • 実証・理論研究紹介

    国際的な学術誌では、私たちの社会が直面する課題について、どんな新しい視点を提供しているでしょうか?私の専門分野を中心に、最新の社会科学研究をご紹介します。このページを始めたのは、日本の政策議論でこうした研究成果があまり注目されていないと感じたからです。これらの知見は、私たちの社会をより良くするための重要なヒントとなる可能性があります。時間の制約上、詳細な内容紹介や翻訳はできませんが、この投稿が皆さんの興味を喚起し、さらなる探求のきっかけになれば幸いです。

最近の記事

  • 固定された記事

実証研究紹介13:先行研究の見つけ方、学術誌の選び方について

このページでは自分の専門と関連する分野を中心に、最近の査読付き学術誌(英語)での社会科学の実証・理論研究結果について紹介していこうと思います。このようなページを書こうと思った動機は、日本での政策議論や論壇等で国際的な査読付き学術誌での実証・理論研究成果にあまり目が向けられていないと思ったからです。細かい内容紹介や訳出は時間の制約上できかねますので、この投稿が論文の存在を知るきっかけ程度になればと思います。紹介した論文の送付もできかねますので、ご自身で入手をお願いします。 筆

    • 公務員の担い手不足について

      先日、某メディアの取材を受け、地方公務員の担い手不足について話しました。日本の多くの地方自治体で、早期退職者の増加や人材募集での課題により、公務を担う人材の確保が深刻な問題となっています(例1  例2)。 国際的な査読誌において、世界各国の公務員に焦点を当て、離職の原因、人事制度、および施策に関する理論と実証研究が蓄積されています。これらの研究からは、どのような知見が得られているでしょうか。 インタビューでは世界の公務員制度の国際的な外観と日本の制度の特徴、公務員の離職研

      • 実証研究紹介20:市町村合併の効果

        このページでは私の専門分野を中心に、最近の社会科学の実証・理論研究結果を査読付きの国際学術誌から紹介していきます。日本での政策議論や論壇等では、国際的な査読付き学術誌での実証・理論研究成果があまり注目されていないと思い、このようなページを書こうと思いました (査読誌とは何かについてはこちら)。これらの研究からは、問題を解決するための直接的な解決策が見つからないかもしれませんが、課題を概観し、整理する上でのヒントや示唆は得られると思いますので、出来る範囲で紹介していくつもりです

        • アメリカ中西部政治学会で最優秀論文賞を受賞

          筆者が2023年のアメリカ中西部政治学会で発表した論文が、「最優秀論文賞」に選ばれました。共著者はインディアナ大学ヒョンカン・フール准教授です。 論文のタイトルは「Politicization, bureaucratic closedness in personnel policy, and turnover intention(政治化、閉鎖型任用制度、離職意向)」。 官僚政治、行政学、公共政策といった分野での最も優れた論文に贈られるKenneth J. Meier Aw

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        実証研究紹介13:先行研究の見つけ方、学術誌の選び方について

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          実証研究紹介19:協働の効果

          このページでは私の専門分野を中心に、最近の社会科学の実証・理論研究結果を査読付きの国際学術誌から紹介していきます。日本での政策議論や論壇では、国際的な査読付き学術誌での研究があまり注目されていないと感じ実証研究紹介を始めました。これらの研究からは、直接的な解決策が見つからないかもしれませんが、問題や解決策を整理する上でのヒントや示唆は得られると思いますので、出来る範囲で紹介していくつもりです。詳細な内容や翻訳は時間の都合上難しいですが、この投稿が論文の存在を知るきっかけになれ

          実証研究紹介19:協働の効果

          アジア諸国の公務員の情実任用に関するウェビナー資料

          先日、南アジア行政ネットワーク(South Asian Network for Public Administration)主催のウェビナーが開催されました。このウェビナーはアジア諸国の公務員の情実任用に焦点を当てたもので、アメリカ・ピッツバーグ大学のGuy Peters教授が編纂した「Political Patronage in Asian Bureaucracies」(アジア諸国における公務員の政治的情実任用)(ケンブリッジ大学出版会)の出版を記念して行われたものです。私

          アジア諸国の公務員の情実任用に関するウェビナー資料

          ニューヨークタイムズ紙で紹介:公務員資格任用制に関するシステマティックレビュー論文

          私たちの研究チームが実施した公務員の資格任用制の効果に関するシステマティック・レビュー論文(日本語解説記事はこちら)が、ニューヨークタイムズ紙のゲストエッセイ(op-ed)で取り上げられました。この記事はジョージタウン大学マックコート公共政策大学院のドン・モイニハン教授によるものです。 最近、アメリカでは「スケジュールF」と呼ばれる公務員改革案が大きな注目を浴びています。この提案は、実現されると1883年の公務員制度創設以降で最も大きな変化をもたらすものであり、トランプ政権

          ニューヨークタイムズ紙で紹介:公務員資格任用制に関するシステマティックレビュー論文

          実証研究紹介18:代表的官僚制の考えと効果 (2)

          このページでは自分の専門と関連する分野を中心に、最近の査読付き学術誌(英語)での社会科学の実証・理論研究結果について紹介します。このようなページを書こうと思った動機は、日本での政策議論や論壇等で国際的な査読付き学術誌での実証・理論研究成果にあまり目が向けられていないと思ったからです。こうした研究から、目の前の課題に対して即効性のある解決策を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、問題と解決策を体系立てて考えるヒントを得られ、役立つ部分が多いのではないかと思うので、出来る範囲

          実証研究紹介18:代表的官僚制の考えと効果 (2)

          実証研究紹介17:公務員の中立性と政府業績との関係

          このページでは自分の専門と関連する分野を中心に、最近の査読付き学術誌(英語)での社会科学の実証・理論研究結果について紹介します。このようなページを書こうと思った動機は、日本での政策議論や論壇等で国際的な査読付き学術誌での実証・理論研究成果にあまり目が向けられていないと思ったからです。こうした研究から、目の前の課題に対して即効性のある解決策を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、問題と解決策を体系立てて考えるヒントを得られ、役立つ部分が多いのではないかと思うので、出来る範囲

          実証研究紹介17:公務員の中立性と政府業績との関係

          プレスリリース:日本、スペイン、スウェーデンでの大規模自治体職員意識調査

          https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000122293.html 私たちの研究チームが最近行った、日本、スペイン、スウェーデンでの大規模自治体職員意識調査の実施案内についてのプレスリリースをNoteにも再掲します。 国際研究プロジェクトチームが世界初の大規模自治体職員意識調査を実施 日本国内の全市区815自治体、スペイン453自治体、スウェーデン290自治体の職員を対象に 日本、スペイン、スウェーデンの地方自治体に関

          プレスリリース:日本、スペイン、スウェーデンでの大規模自治体職員意識調査

          実証研究紹介16:公務員はなぜ辞めるのか?(資料のアップ)

          公務員はなぜ辞めるのか?というテーマで査読付き学術誌で積み重なってきている理論・実証研究の概要と結果、私自身が行っている公務員の離職要因についての国際比較研究について、お話をさせて頂く機会がありました。資料をホームページにアップしました。資料はこちらから これまで行った官僚制度の国際比較分析、政府の質(Quality of Government)に関する実証研究結果等についての講演資料はこちら

          実証研究紹介16:公務員はなぜ辞めるのか?(資料のアップ)

          実証研究紹介16:なぜ公務員は辞めるのか?

          国際的な学術誌は、私たちの社会が直面する課題にどのような新たな視点を提供しているでしょうか?本ページでは、私の専門分野を中心に、最新の社会科学研究の成果をご紹介します。この取り組みを始めたのは、日本の政策議論や論壇で、こうした国際的な実証・理論研究があまり注目されていないと感じたからです。これらの研究は、目の前の課題に即効性のある解決策を提供するものではありませんが、問題と解決策を体系的に考察するための重要な示唆を含んでいます。 例えば、こんな疑問を考えてみましょう: 公

          実証研究紹介16:なぜ公務員は辞めるのか?

          実証研究紹介15:NPM(新公共経営)は行政サービスの質を向上させたのか?

          このページでは自分の専門と関連する分野を中心に、最近の査読付き学術誌(英語)での社会科学の実証・理論研究結果について紹介していこうと思います。このようなページを書こうと思った動機は、日本での政策議論や論壇等で国際的な査読付き学術誌での実証・理論研究成果にあまり目が向けられていないと思ったからです。細かい内容紹介や訳出は時間の制約上できかねますので、この投稿が論文の存在を知るきっかけ程度になればと思います。紹介した論文の送付もできかねますので、ご自身で入手をお願いします。 行

          実証研究紹介15:NPM(新公共経営)は行政サービスの質を向上させたのか?

          実証研究紹介14:英語と英語以外での理論・実証研究の蓄積を繋ぐ

          このページでは自分の専門と関連する分野を中心に、最近の査読付き学術誌(英語)での社会科学の実証・理論研究結果について紹介していこうと思います。このようなページを書こうと思った動機は、日本での政策議論や論壇等で国際的な査読付き学術誌での実証・理論研究成果にあまり目が向けられていないと思ったからです。細かい内容紹介や訳出は時間の制約上できかねますので、この投稿が論文の存在を知るきっかけ程度になればと思います。紹介した論文の送付もできかねますので、ご自身で入手をお願いします。 前

          実証研究紹介14:英語と英語以外での理論・実証研究の蓄積を繋ぐ

          最近の官僚、公務員制度の実証研究、比較研究についての資料

          リモート化の進展により、遠方に住む研究者をセミナーや授業で招くことが気軽に出来るようになったと思います。昨年から7回、7ヵ国(アメリカ、トルコ、ブラジル、メキシコ、韓国、イラク、インド)の大学や政府機関から招いて頂き、研究者、学生、実務者向けに、最近の官僚、公務員制度や行政の実証研究の進展や動向、研究設問の立て方など研究のリサーチデザイン、自身の研究について話をしました。 招聘頂いた機関は次の通りです。トルコ:イスラム諸国統計・経済・社会調査・研修センター、ブラジル:FGV

          最近の官僚、公務員制度の実証研究、比較研究についての資料

          出版した論文の紹介(一部和訳)

          これまでに出版したいくつかの論文の要約を日本語でHPに掲載しました。 大半の論文は誰でもダウンロード可能ですが、そうではない論文もあります。論文を希望の方はご連絡ください(HPに連絡先があります) 研究テーマと関連する論文は主に次の通りです。 1)比較行政制度・政府の質についての実証研究:公務員の任用・昇進制度、NPM等の組織マネージメントに注目した各国の官僚・行政制度の比較、組織パフォーマンス、公務員の選好・態度に与える影響・関連等の実証研究、政府の質(Quality

          出版した論文の紹介(一部和訳)