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博士論文2022年10月の報告書。

10月中旬すぎになって9月末に提出したコンペの1次審査の通過知らせが届き、博論もふくめて今月の追い込みはさらにてんやわんやとなった。そのおかげで季節はほとんど記憶にない。

10月の前半にかけては少しのあいだ落ち着いて博士論文を進めていた。主に章立てを整理し、本文を書き進めていった。現段階の構成はこの記事の下に載せている。先月末の怒涛のコンペ提出と論文提出が終わってからの小休止。というか11月初旬にかけての追い込み。のはずだったのだが。

(コンペへの参加宣言や意気込みなどは先月のレポートに。)

コンペは第17回ダイワハウスコンペで、192作品から7作品への選抜。応募作は多いような気もするし、少なめな気もする。「電気を使わない家」は考えづらいテーマか。多くの人の興味関心と微妙に距離をとっていたのかもしれない。重要なテーマでありつつ考えづらく、環境負荷の側面などと言われるとお題目にも成り下がりかねないテーマ。そこが面白いところでもある。

11月2日には最終プレゼン審査があり、オンラインでも公開されるそうなのでよろしければぜひ。12時45分〜です。

10月下旬には論文が採択されたという通知も届く。ひとまず安心。12月の発表に向けて準備。その前に博士論文。色々と立て込んでいる。

3つのレクチャー

今月は3つほどレクチャーをみた。2つはオンラインで1つはリアル。リアルなレクチャーはずいぶん久しぶりだった気がする。

1 ルイス・カーンの講義

一つはルイス・カーンに関するもので香山壽夫先生によるもの。ルイス・カーンのもとで学んだ香山先生の、リアルな当時のエピソードや空気感を伝える講義。そのあとで香山さんと藤本壮介さんとの対談。

東工大の主催する講義。内容もさることながら登壇者も豪華でおもろいです。

香山先生の作品も大好きだし、テキストもたくさん読んでいるし、千葉先生や青木淳さんなど凄い建築家を育てた人がどんな人なのか興味があった。話していらっしゃるのをみるのは初めて。とても陽気な方だった。もっと堅苦しい感じかと思っていた。

地方を回っていると大体どこにでも、隈研吾さんの建築があり、安藤忠雄の建築があり、香山先生のもかなりある。安藤さんは快活でかっこいい一方怖そうでもあるけれど、隈さんは誰にでも分け隔てなく接する人だし、香山先生もそのような陽気な人に見えた。結局は人柄かなと思ったり。作品が素晴らしいのはもちろんのこと。

特に印象的だったのは、香山先生の「光と影の陰影を丁寧に穴が開くほど見る。それが建築の歴史を学ぶということ。影の中にも影があり、それが奥行きになる。」という言葉。一生大切にしたい。

2 小嶋賞のシンポジウム

2つ目は小嶋一浩賞のシンポジウム。SANAAや塚本さんらなど参加者はすごかったが内容はよくわからなかった。

3 建築学会のテクノロジーと建築についてのシンポジウム

3つ目が対面で、内藤廣さん、平田晃久さん、豊川斎赫さん、土居義岳さんの講演とシンポジウム。内容はとても面白かった。

豊川さんの丹下さんの話(時間がない中でも丹下先生らは攻めていて、代々木はかなり攻めた設計に挑んでいって4ヶ月ほどで設計した話など)もとても面白かったが、テクノロジーと建築というテーゼに対しての内藤さんの「機能は汚れている」というテーゼが印象的だった。

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旧「2023年3月に博士論文を書き上げるまで」。博士論文を書き上げるまでの日々を綴っていました。今は延長戦中です。月に1回フランクな研究報…

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