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All Shots Of A Film #11 Kodak FunSaver(800)

こんにちは、みしぇる(@crsa_photo)です。

天変地異の前触れかと思われかねないような珍しさである2週連続更新をお届けすべく筆を取りました。

今回はほぼ一年ぶりに帰ってきた人気企画(自分で言う)、All Shots Of A Filmをお送りします。

今年は前半の方はほとんど写真を撮っておらず、以前のフィルムも時系列がバラバラで現像に出しているのもあってなかなかお届けできるような1本が見つからなかったのでこんなにも時間が空いてしまいました。

とはいえ今年も50本以上のフィルムを消費しており全く撮れ高がなかったわけでなく、1本まるまるお見せするという縛りの都合上手頃な1本が見当たらなかったというのがより正確なところです。

しかし写真とは不思議なもので、時間を空けて見てみると以前見たときとは全く違った印象をこちらにもたらしてくれることがしばしばあります。
それはおそらく自分と写真との関係性に変化が訪れた、すなわち鑑賞に耐えうるだけの「文脈」を獲得したということの証拠だとぼくは考えています。

さて、今回ぼくがみなさまにお届けするだけの文脈を獲得したと判断した1本について少し解説をいたします。

これまでご紹介してきたフィルム群はすべてフィルム交換式のカメラにて撮影された写真たちでしたが、今回はじめてレンズ付きフィルムの1本をお見せしたいと思います。
国内だと『写ルンです』に代表されるレンズ付きフィルムも、写真用フィルムの衰退に併せてその種類を減らしてきました。

今回使用したレンズ付きフィルムはKodak社のFunSaver(27枚撮り)です。
中に入っているのはもはや超希少となってしまったISO感度800のフィルムで、現行の富士フイルム社『写ルンです』の感度400と比較すると1段明るいフィルムとなっています。
使用感は『写ルンです』とほぼ変わらず、フラッシュ撮影の方法にわずかな違いがある程度です。

今回使用したFunSaverは、ぼくがいつも現像でお世話になっているフジカラープラザMMGにお伺いした際にたまたま店主の菊池さんより頂いたものでした。
ぼくにとっても久しぶりのレンズ付きフィルムというのもあってついついシャッターを押す指が止まらず、店を出てから天王寺を経由して梅田へと至る1時間ほどで撮影を終えてしまいました。

そうしたスピード感や、時間的な圧縮感を感じていただければ幸いです。

あ、レンズ付きフィルムの構造上、掲載順序は時系列とは真逆になっております。並べ替えるかどうか迷ったのですが、企画の趣旨に併せて頂いたデータの順にお見せしようと思います。
では、ご覧ください。

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大阪茶屋町のスターバックスでリフレクションを撮影したカットから始まります。
この写真のぼくはどこに写っているかわかりますか?
正解は、左端の窓ガラスに写るトートバッグを持って歩いている黒づくめの人物です。ノーファインダーで撮ったことで、観測者不在のような不思議な写真になりましたね。

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壁に落ちる木漏れ日はどんなカメラを持っていてもつい撮りたくなるモチーフのひとつ。

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きちんと明るい場所を見つけてやれば、こうしたトンネルのような光源でもなかなかいい写りをしてくれます。

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ぼくのお気に入りスポットのひとつであるあべのハルカスです。
そろそろ年パスの更新もしに行かなくちゃな。

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夏のJR天王寺駅の阪和線ホームではミストシャワーが稼働していて、下を潜るのが楽しいです。

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レンズ付きフィルムは軒並み最短撮影距離が60cm程度なのですが、それを利用してあえて近い被写体を撮影してボケを楽しんだりしています。

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本記事のヘッダーにもなっている、この1本の中でいちばんのお気に入り写真。
じっくり見ないとわかりにくいのですが、信号待ちの間に目の前を通過するバスの車窓の反射を狙って撮ったのがかなりうまくいきました。
撮影したぼく側の景色と、バスの向こう側の景色が同時にフレームに収まったのが心地よくて気に入っています。
ぼくのTシャツの胸に付いているにゃーのてるてる坊主ワッペンもかわいい。

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レンズ付きフィルムあるあるの指かぶりです。
どれだけ写真を撮ってきてもいまだに一コマくらいは指被りしてしまいますね……。
そうした失敗も愛せるのがレンズ付きフィルムのいいところかもしれません。

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お店のあるあびこから長居までの道のりを辿って今回の1本はおしまいとなります。

撮影時期といたしましては、昨年の7月ごろということもあり照りつける日差しから暑い一日だったことが見てとれますね。

『写ルンです』にも言えることですが、こうした晴天の屋外ではレンズ付きフィルムは思いのほか鋭い描写をしてくれます。
屋内など少し薄暗い場面ではためらわずフラッシュを用いることなどを意識すれば、レンズ付きフィルムだけでもかなり納得のいく写真が撮れます。

みなさまもフィルムカメラの入門として、あるいは普段使っているフィルムカメラからの原点回帰としてレンズ付きフィルムを使ってみてはいかがでしょうか。

では、また。

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